2020年12月13日日曜日

NutanixにおけるNGTの役割

Nutanix上に仮想マシンを展開する場合、必要に応じてNGTのインストールを行う必要があります。では、このNGTはどのような場合に利用するのでしょうか?NGTを入れるメリットはどういったことにあるのでしょうか。

今回は、NGTの役割や必要有無について見ていきたいと思います。

NGTは、Nutanix Guest Toolsの略であり、通称NGTと呼ばれているツールです。
VMware環境においては、VMware Toolsのインストールが存在し、VMware Toolsは、仮想マシンに対してドライバーやハイパーバイザーとの疎通を行う各種ツールを提供し、実質上仮想マシンのインストールがほぼ必須になっていますが、Nutanix Guest Toolsは、VMware Toolsとは多少趣が異なる側面があります。

NGTの導入メリット

・Self Service Restoreの利用

Self Service Restore(SSR)は、AOS Proライセンス以上で提供される機能です。仮想マシン上のデーターをNutanixで取得したストレージスナップショットを仮想マシンでマウントし、任意のファイルをリストアすることが出来ます。SSRは、WebベースのGUIとCLIが提供されます。SSRは、WindowsとLinuxがサポートされています。

・Windows用のVSSリクエスター及びハードウェアプロバイダー

NutanixのProtection Domainを利用して、VSSキックを行い仮想マシンの静止点を取得することが出来ます。

・Linux用の整合性スナップショット取得

Windowsと違いLinuxにはVSSのような静止点取得の機能が無いため、スクリプトベースで静止点を取得することができます。

・Nutanix VM Mobility

こちらは、VM Mobilityというとわかりにくく聞こえますが、ESXiやHyper-VからAHVへ仮想マシンをマイグレーションできるようにするためにAHV用のデバイスドライバーを提供します。

・AHVにおけるシャットダウンのアシスト機能

AHV環境で稼動するWindowsゲストマシンに対して、シャットダウン機能をアシストします。NGTが無くてもWindowsゲストマシンのシャットダウンは行えますが、より確実にシャットダウンを行うための機能が備わっています。一部UPSソフトウェアとの連携においては、NGTがインストールされていないと社とダウンが実行されないケースもあります。

・SysprepやLeapでのスクリプト起動

Sysprep時の各種パラメーターファイルの受け渡しや、Leapを利用した際のスクリプト実行などに利用されます。


これらがNGTの利用用途です。一方でこれらの機能を利用しない場合は、NGTを無理にインストールする必要はありません。(がインストールしておくことが推奨ではありますが)


では、NGTをインストール際の注意事項等を確認しておきましょう。

NGTを導入する際の条件について

  • WindowsゲストOSの場合、64Bit OSのみがサポートされます。
  • サポートされるWindows ゲストOSは、Windows Server 2008 R2以降となります
  • 仮想マシンとCVMの間で、2047/TCPの疎通が出来ること
  • VSS連携を利用する場合は、CVMと仮想マシンの間で23578/TCPの疎通が出来ること
  • Linux版の場合、/usr/local配下にインストールされます。あらかじめ書き込み・実行権限が/usr/local配下に必要です
  • ESXi環境の場合、VMware Toolsと同居インストールが可能


Volume Groupを仮想マシンに割り付けている場合も、NGTを導入することで同様に静止点取得の対象とすることが出来ます。この場合、マウントされているiSCSIボリュームは5分おきにNGTが情報を再取得を行います。そんためiSCSI Volumeをマウント↓直後ですと、マウントしているボリュームの静止点が取れない可能性があります。その場合は、ゲストOSのNGTサービスを再起動する必要があります。


次回は、NGTのインストール方法を確認したいと思います。




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