2022年12月19日月曜日

Nutanixオンライン試験の受験ポイント(その1)

Nutanixのプロフェッショナル試験は、PSIの試験システムで受験が可能です。
今回から2回にわたって、PSIの試験受験のポイントをご紹介します。

今回は、受験申し込み方法です。

申し込みは、MyNutanixのページを経由し、Nutanix Universityのページにアクセスします。

https://my.nutanix.com/


Universityページにジャンプしたら、ハンバーガーアイコンから「Take an Exam」をクリックします。


Take an Examをクリックした際に、以下のように「Account Incomplete!」と出てくる場合は1時間程度待っていただき、それでも事象が変わらない場合は、Nutanix Universityの問い合わせ先に、連絡をする必要があります。

正常にページが遷移した場合は、PSIのページで試験一覧が表示されます。


以下のように試験一覧が表示されない場合は、Nutanix Universityの問い合わせ先に、連絡をする必要があります。



試験一覧が正常に表示された場合は、受験したい試験の「Schedule」をクリックします。

Scheduleをクリックすると、オンサイトで試験会場(テストセンター)で受験するか、オンラインで受験するかを選択します。ここでは、リモートでのオンライン受験で申し込みます。


スケジュールページに行くと、以下の淳で設定をします。

  1. 右上の試験言語(一部の試験は日本語に対応しています。また日本語受験の上で当日の試験画面で、言語を変更することも出来ます)
  2. Country/Locationで、Japanを選択
  3. Timezoneで、Asia/Tokyoを選択
  4. 左下のカレンダーで、受験をしたい日付を選択します。(受験可能日はおおよそ③ヵ月先まで予約可能です)
  5. Available Start Timeで、試験を開始する時間を設定します。
    この指定した時間の前後30分から試験システムを開始します。試験システムを開始後環境チェック等で時間を要しますので、この設定した時間からすぐにテスト問題を受けられる分けではありませんので、注意してください。


テストセンターの開始時間の確認が表示されます。「Continue」をクリックします。


支払いのページに進みます、

バウチャーコードを持っている場合は、Voucher/Discount Couponの枠に、コードを入力し、Applyをクリックします。

その場合、Payment Summaryのページが、マイナスが入っていることを確認します。

最後にPay Nowをクリックすると、サマリーページが表示されます。

このページから、受験日の再スケジュールが可能です。


後日受験日程を変更する場合は、最初の受験申し込み同様に、University経由でPSIのページで開くとダッシュボードに受験予定の試験が一番上に表示されます。


この画面のView Datailsから、受験日日程を変更することが可能です。

なお、試験日時の変更は、受験当日の24時間前まで変更が可能です。


受験設定は、簡単な手順で予約可能です。バウチャーコードを入手できた場合は、是非Nutanixのプロフェッショナル試験を受験してみてください。






2022年12月12日月曜日

Nutanixの試験制度 2023年度版の紹介(その2)

前回は、2023年度のNutanix資格試験制度の概要についてご紹介いたしました。

ご覧になった方はわかると思いますが、大きくは試験制度は昨年から変わっていませんが、試験制度が変わったりバージョンが増えたりしています。今回は、新たに変わった部分やよく頂く質問についてご紹介します。

<2023年度になっての変更点>

バージョン番号の変更

AOS6.5がLTSとしてリリースされたことから、資格制度についても順次AOS6.5ベースの問題に置き換わっております。そのため、NCPやNCMには従来から付与されていた5.Xというバージョンが6.5に変わり、問題も一新されています。


個別製品資格の名称変更とバージョン更新

従来NCP-DSといわれていた資格が、NCP-USに変更になりました。合わせて、NCP-DBやNCP-EUCは、今までバージョニングがなかったのですが、昨今の更新により今まで公開されていたNCP-DSやNCP-DBなどの資格は、バージョン5と位置づけられ、新しくリリースされた資格は、バージョン6としてバージョニングされています。もし、新規で受験をされるのであれば、バージョン6での受験がおすすめですが、12月上旬現在、NCP-MCI以外のNCP資格(USやDB、EUCなど)は、英語のみとなっています。



<よくある質問>

Q.NCP-MCI 5.15を持っていますが、この資格は6.5を取得しないと失効するのでしょうか?

A.従来Nutanixの資格は特に有効期限が無かったのですが、いつしかなんのアナウンスも無く、資格取得後720日で失効するようになっています。
現状アップグレード試験という物は存在しませんので、有効期限内に新しいバージョンの資格を受験するか、資格が失効した場合は、再度受験して頂く形となります。(資格失効をすると、NCMを受験するためには、NCPからの受験となります)


Q.NCPを受験するためには、NCAをまず受験する必要がありますか?

A.NCAは、アソシエイト試験として存在していますが、NCPの資格受験をするためには、NCAの資格は取得有無は関係ありません。初めてNutanix資格試験にチャレンジする場合でも、最初からNCPの資格を受験することが可能です。


Q.資格受験はどのようにすれば出来ますか?

A.まず、MyNutanixアカウントを作成し、そこからNutanix Universityにアクセスします。各資格メニューもしくは、ハンバーガーメニューのTake Examから、PSIの試験ページにジャンプし、そこから受験登録が出来ます。(試験システムは、PSIの試験システムを利用しています)
受験は、オンサイト(2022年12月現在、オンサイトの受験場所は、東京か岩手のみ)もしくは、オンラインで受験することが出来ます。


Q.PSIのページを開いても試験一覧が表示されません。

A.この事象が出た場合は、Nutanix Universityサイトにメールで問い合わせをする必要があります。


Q.試験は日本語で受験できますか?

A.2022年12月現在、NCA 6.5,NCP-MCI 6.5、NCM-MCI 6.5及び、NCA/NCP/NCMの5バージョンは、日本語で試験を受験することが出来ます。これから新規で受験される場合は、おそらく6.5の試験を受験されると思いますが、6.5の場合、NCP-USやNCP-DBは、まだ日本語化されていませんのでご注意ください。


Q.NCAやNCPのバージョン5系の試験は、いつまで受験が可能ですか?

A.バージョン5系の試験は、以下の通り各試験ごとに終了日が設定されています。

試験名受験期間
NCA 5.202023/2/17
NCP-MCI 5.202023/3/31
NCP-DS 52023/1/13
NCP-EUC 52023/1/13
NCP-DB 52023/1/13
NCP-MCA 52023/1/13

試験の受験終了予定は変更される可能性があります。詳細は、
https://www.nutanix.com/support-services/training-certification/certifications
を御確認ください。

(NCP-USなど新しいバージョン6系の試験は11月に発表された割りに、旧試験のNCP-DSの試験は、2023/1に終了するという、猶予期間が短いのも、なんともな感じがしますが)


全ての質問にお答えできているわけでは無いかと思いますが、よく頂く質問に回答させて頂きました。

次回は、PSIの試験システムを使った、受験のコツについてご紹介いたします。





2022年12月5日月曜日

Nutanixの試験制度 2023年度版の紹介(その1)

Nutanixは、2023年8月からFY2023となり、新しい年度になっています。

それに合わせて、Nutanixの試験制度も一部変更が入っています。本日は、新しくなったNutanixの試験制度(主にプロフェッショナル資格)についてご紹介します。

まず、資格制度は、昨年も紹介したとおり大きく3つに分けられます。

パートナー制度向け資格

Nutanixを販売するために必要な資格です。現在では、営業向けのNCSR2023(準備中)とプリセールスSE向けのNCSE-COREが、パートナー資格として存在しています。
NCSRは、無償でWeb上で受験可能ですが、NCSE-COREは、有償の資格となり、PSIの試験システムにて受験を行います。


サービスパートナー向け制度

昔は、コンサルティングパートナーと表現していた気がしますが、現在ではサービスパートナー向け資格があります。こちらは、Nutanixのパートナーであることは条件に受験が可能です。


プロフェッショナル資格

Nutanixのパートナーの有無にかかわらず誰でも受験が出来る資格です。Nutanixの技術向けの資格であり、Nutanixの高い技術を持っていることを証明できる資格となります。


では、プロフェッショナル資格についてもう少し詳しく見てみましょう。

プロフェッショナル資格は、以下の4段階に分かれています。


NCA
Nutanix Certified Associate
Nutanixをこれから始める人向けの資格です。
プロフェッショナル試験では最も難易度が易しいものとなります。
現在のところ試験は1種類のみとなります。
出題:50問 / 金額:$99 / 制限時間:90分
NCP
Nutanix Certified Professional
従来NPP/NCPと呼ばれていた試験です。
従来のNPP/NCPは、AOSやAHVに特化した試験でしたが、そちらは、NCM-MCIと呼ばれる試験が後継となります。
出題:75問 / 金額:$199 / 制限時間:120分
NCM
NCMは、従来NCAPと呼ばれていた試験体系の後継となります。
現行では、NCMは、AOS/AHVなどHCI全体の試験となるNCM-MCIのみが提供されています。
NCMは、Nutanixのより細かい機能について問われます。特にメトロクラスターやNearSyncなどよりEnterpriseな場所で利用される機能について細かい仕様について問われます。
出題:90問 / 金額:$199 / 制限時間:180分
NCX/NPX
NCX/NPXは、超プロフェッショナル向けの資格となります。招待制かつトレーニングを受けた後にプレゼンテーションを行う事で合否が判定されます。日本語の対応が現在の所ありません。


NCA及びNCMは、現状1種類しかありませんがNCPは、HCIの機能を問うMCI以外に専門機能に分けてた資格が用意されています。

NCP-USNutanix Files,Objects, Volumesについてに特化した問題が出題される試験です。
以前は、NCP-DSと呼ばれていました。
USは、Unified Storageの略となります。
出題:75問 / 金額:$199 / 制限時間:120分
NCP-EUCNutanixおけるVDIやFrameなどのEUCまわりに特化した問題が出題されます。
EUCは、End User Computingの略となります。
出題:75問 / 金額:$199 / 制限時間:120分
NCP-DBNutanix NDB(以前はEraと呼ばれていた製品)に特化した問題が出題されます。
DBは、DataBaseの略となります。
出題:75問 / 金額:$199 / 制限時間:120分
NCP-MCASelf-Service(旧Calm)を中心にオートメーションに特化した問題が出題されます。
MCAは、Multi Cloud Automationの略となります。
出題:75問 / 金額:$199 / 制限時間:120分


Nutanixのプロフェッショナルを目指す方は、NCP-MCIからスタートするのがおすすめです。NCP-USなど個別の機能を問う問題であってもベースにNutanixの基礎がないと解くのが難しい問題もあります。また、NCAとNCPは、正直なところ問題のレベルはあまり変わらないように感じます。代わりに、NCAは回答選択肢が、消去法で導き出しやすくなっている特徴があります。そう考えると、NCAでしっかり答えが導き出せるのであれば、NCPであっても十分に回答できると思います。
NCP資格は、NCAを保有していなくても受験することが可能です。(NCMは、NCP資格を有した者だけが受験可能となります)

Nutanixの資格は、基本有償ですがキャンペーン等々で無償のバウチャーが配付されることがあります。受験日は未来に設定することが出来ますので、無料のバウチャーを取得した際には、未来の日付で受験日を設定しつつ、勉強度合いに応じて受験日程を変更することもできます。

次回は、資格制度についてよくある質問についてご紹介します。



2022年11月28日月曜日

LCMのDirectUploadを使ったダークサイトでの運用(その2)

前回までに、LCM自体のバージョンアップをWebサーバーを介して行う方法をご紹介しました。

では、LCM2.4系から実装された、ダイレクトアップロード機能を利用してWebサーバー不要で、LCM経由でバイナリをアップデートする方法をご紹介します。

LCMのダイレクトアップロードは、バージョン2.4と2.5で操作方法が異なるため、まずここでは、LCM2.4系の操作方法をご紹介します。

なお、既に現在ではLCM2.4は、バイナリーがダウンロードできなくなっておりLCM2.5のみが提供されております。

まず、アップデートするバイナリをMyNutaxからサポートポータルにアクセスして取得します。

AOSやAHVの場合は、必ず、LCM専用のバイナリーを取得します。


AOSやAHVなど、各種バイナリは、LCM専用で提供されていますので、必ずLCM専用のものをダウンロードします。

あわせて重要なものが、Nutanix Compatibility Bundleのダウンロードです。
このファイルをアップロードせずに、AOSやAHV等のバイナリをアップロードしても、実際のソフトウェアアップグレード画面には、アップグレード可能なバイナリとして一覧に上がってきません。

▼サポートポータルから「Nutanix Compatibility Bundle」をダウンロード


ダウンロードした「Nutanix Compatibility Bundle」とLCM用のバイナリをそれぞれアップロードします。


アップロードが完了したら、「Software」と「Compatibility & Signature」がそれぞれアップロードしたバイナリの数になっていることを確認します。


アップロードされたバイナリが表示されますので、このままチェックを入れて、View Update Planをクリックすることでアップグレードが完了します。

この記事のポイントは2つです。

  1. バイナリは、必ずLCM専用バイナリをダウンロードする
  2. Nutanix Compatibility Bundleをダウンロードする
この2つを手順を忘れずに行う事で、ダークサイトでのダイレクトアップロードによるLCM経由のアップグレードが可能となります。




2022年10月10日月曜日

LCMのDirectUploadを使ったダークサイトでの運用(その1)

以前より、Nutanixのコンポーネントアップデートは、従来のOneClick Upgradeから、LCMに置き換わってきていることをお伝えしてきました。

一方LCMは、インターネットにNutanixクラスターが接続されている場合は、さほど難しくないものの、インターネットに接続が出来ないいわゆるダークサイトの場合、Webサーバーをローカル環境に立てて、Webサーバーを経由してアップグレードするコンテンツを配布する必要がある旨をご紹介してきました。

このダークサイトの運用ですが、LCM Version 2.4.1.1から、ダイレクトアップロードという機能が搭載されています。

アップグレードができるコンポーネントは、LCMのバージョンによって異なります。

Verサポートコンポーネント
2.4.1.1AHV,Foundation,Foundation Platforms,NCC
2.4.2AOS,Diles,File Analytics
2.4.3HPE DX ファームウェア
2.4.3.1Cluster Maintenance Utilities (CMU)
2.4.4DELL XC/XC Coreファームウェア
2.4.5Nutanix NXファームウェア
Fujitsu XCファームウェア
Insupur ファームウェア
2.5NVidia GRIDドライバー

現在は、LCM2.5がリリースされており、GPUドライバーのアップデートまでサポートできるようになりました。

ここまで来れば、ではLCM2.4.1.1以降を利用すればWebサーバーを利用すること無く、ぁプレートが出来るから楽だなと感じてしまいます。

しかし、新規構築環境の場合、気をつけることがあります。それは、初期イメージング時のAOSによって、初期展開されるLCMのバージョンが異なることです。

確認する限り、AOS 5.20.4.6では、「2.1.6835」が搭載されています。AOS 6.5.0でも、LCM 2.3系が標準搭載されています。(AOS 6.5.1は、「LCM 2.4.3.1」が同梱されています。)

そのため、AOS 5.20.4.6やAOS 6.5.0の場合、LCMをダークサイトで利用するためには、まずLCM自身ののアップデートのために、Webサーバーが必要になるという前段階の作業が発生してしまいます。

DirectUploadをするために、わざわざWebサーバーを用意しないといけないのであれば、そもそも全部Webサーバー経由でアップロードするという判断になりかねませんが(それはそれで構いません)、いずれにしてもモヤモヤしながらもWebサーバーを用意する必要があります。

今回は、ダークサイトでWebサーバー経由でLCMをアップデート後、DirectUploadで、各コンポーネントをアップグレードする手順をご紹介します。

まず、Webサーバーは、Apacheやnginxなどでも構いませんが、今回は、Windows Server 2022のIISを利用した方法をご紹介します。IISの場合、いくつかの手順が追加で必要になりますので、あわせてご紹介をいたします。

まずは、サーバーマネージャーから「役割と機能の追加」からIISをインストールします。


IISを選択します。


役割とサービスはデフォルトのままでウィザードをすすめます。


IISのインストールが終わったら、まず必要なコンポーネントをNutanix Support Portalからダウンロードしておきます。

まずは、LCM Framework Bundleをダウンロードします。


取得した、ファイルは、Cドライブの配下にLCMというフォルダを作成し、さらにその配下に「release」というフォルダを作成し、「release」フォルダの配下に、先ほどダウンロードした、LCMバイナリを展開します。

続いて、IISの管理画面を開きます。

「Default Web Site」を右クリックし、「仮想ディレクトリの追加」をクリックします。


エイリアスに「lcm」、物理パスは、先ほどLCMのバイナリを配置した「C:\LCM」(releaseではなく、その上位のLCMフォルダ)を選択します。


続いて、ディレクトリのファイル一覧表示を有効化します。


ディレクトリの参照機能を有効化します。

続いて、MIME形式を追加します。IISは、自分に登録されていないMIME形式のファイルを外部からリクエストされた場合は、リクエストを拒否するためそのための対策となります。


右側の「追加」ボタンをクリックし、以下のMIME形式を登録します。

拡張子形式
.signtext/plain
.jsontext/plain (既に登録済みだと思います)
.isotext/plain
.xztext/plain





続いて、LCM側の設定変更を行います。PrismのLCM画面から、「Inventory」を選択し、Settingsをクリックします。


Local Web Server (Darksite)を選択し、URLに「http://IISを立てたWebサーバーのIPアドレス/lcm/release」を指定し、Saveボタンをクリックします。

この「release」というディレクトリ名が重要です。Nutanix LCMでは、releaseフォルダの配下にバイナリを配置する決まりがあります。


ここまで準備が出来たら、「Perform Inventory」を実行します。(Auto Inventoryで定期実行するか聞かれますが、Webサーバー側の場合、手動でバイナリを入れ替えない限りアップデートされませんので、有効化する必要は説くにありません)


アップデートが実行されますので、しばらく待ちます。(ノード数によりますが、最低でも30分ぐらい見て置いた方がいいと思います)


しばらくすると、LCMの画面が最新化されるはずです。(最新化されなくてもLCMが完了後再度LCMを開き直すと画面メニューが横になっているのがわかるはずです)


これでLCMのバージョンが最新版にアップグレードされ、Direct Upload機能に対応するLCMにすることが出来ました。


次回は、LCMのDirect Uploadの利用方法についてご紹介いたします。





2022年10月1日土曜日

仮想TPM機能を生かしてWindows 11を稼動させる ~AOS6.5の機能紹介(その5)~

Windows 11がリリースされて約1年。AHVにおいては、今までTPMの仮想化機能が提供されていなかったので、正式な方法でWindows 11のインストールが出来ませんでした。

Windows 11をインストールするためには、以下の環境が必要となります。

  1. 1GHz以上で2コア以上のx64プロセッサー
  2. 4GB以上のメモリー
  3. 64GB以上の記憶装置
  4. UEFI セキュアブート
  5. TPM 2.0を搭載
  6. DirectX 12をサポート(WDDM 2.0ドライバー)するグラフィックカード
(参考)Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する


ここで仮想化環境でハードルになってくる部分は、UEFI セキュアブートとTPM2.0の部分になります。UEFI セキュアブートについては既にAOS 5.20系でサポートされていますので、問題ありませんが、TPM2.0の要件をAHVは、満たしていませんでした。

しかし、先日リリースされたAOS "6.5.1"AHV "Nutanix 20220304.242"のバージョン組み合わせで、仮想TPMに対応しました。(AOS 6.5.1は、LTSリリースになりますので、長期サポートを受けることができます)

従来AOSの新バージョンと併せてAHVもセットでリリースされることが多かったのですが、今回は、AOSのリリース日とは別に2022/9/29に、"20220304.242"としてAHVのバージョンが大きく上がる形で単独リリースされました。またWindows 11に対応した"VirtIO Driver 1.2.1"を利用します。
(AOS 6.5.1にバンドルされたAHVは、"AHV-20201105.30411"になります。AHV-20201105.30411では、仮想TPMに対応していませんので、AHVを個別でアップグレードする必要があります)

なお、TPM利用においては、今後のバージョンでPrism上で操作できるようになる予定ですが、リリースしたてのAOS6.5.1との組み合わせの場合、acliコマンドで仮想TPMを有効化する必要があります。

まずはじめに、普通通りに仮想マシンをPrism上で作成します。

仮想マシンを作成する際には、UEFIを選択してください。併せて、Diskの項目で予め作成されているIDEのCDROMドライブを削除し、CDROMドライブは、SATAを、DISKは、原則SCSI(なんらかの事情が場合はSATA)を選択してください。


VirtIO DriverとWindows OSの2つのISOを利用しますので、CDROMドライブは、2つ用意しておくと便利です。

続いて、SSHを利用して、任意のCVMに接続します。

接続後、以下のコマンドを実行します。

acli vm.update "仮想マシン名" virtual_tpm=true

コマンド実行後「complete」と表示されれば設定完了です。

SSHを閉じた上で、作成した仮想マシンをパワーオンします。

Windows 11のインストーラーが起動したら順次ウィザードを進めていきます。


ドライバー一覧が表示されますので、全てのドライバーを選択します。
全てのドライバーを選択することで、NICなどディスク以外のデバイスもOSインストール時にドライバーが適用されます。


あとはウィザードをすすめ、インストールを行います。
Windows 11の環境条件が整っていない仮想マシンの場合、インストール自体がそのままの状態では出来ませんので、インストールまでウィザードが進むと言うことは、仮想マシンが、Windows 11の要件を満たした環境であることが分ります。

インストールのウィザードをすすめていくと、無事にWindows 11のインストールが完了すると思います。

デバイスマネージャーでも、TPM2.0が認識されていることがわかります。


Prismの操作だけでは無く、acliでコマンド実行をするという一手間は入ってしまいますが、レジストリなどを操作すること無く、通常の操作だけでWindows 11がインストールできるようになりました。

Windows 11で、VDI環境を作る場合などは、AOS 6.5.1とAHV-20201105.30411以降のバージョンを利用して構築しましょう。





2022年9月20日火曜日

仮想マシンテンプレートを更新する ~AOS6.5の機能紹介(その4)~

前回は、仮想マシンテンプレートを利用した、テンプレートの登録と展開という基本的な動作を確認しました。

実際の運用では、テンプレートで作成した仮想マシンも時間が立てば古くなるため、インストールしたソフトウェアのアップデートやOSのセキュリティパッチ適用が必要になると思います。

今回は、テンプレートのアップデート機能をご紹介いたします。

テンプレート画面から、更新したいテンプレートを選択し、「Update Guest OS」をクリックします。

どのバージョンを更新するかを選択します。初回テンプレート登録時は初期しかありませんので、「Initial Version」を選択し、「Proceed」をクリックます。


次に流れが表示されます。仮想マシンがデプロイされるのでその仮想マシンで、アップデート処理を行って頂き、アップデート後そのイメージを反映させます。


更新用仮想マシンが展開されます。展開が完了すると、メンテナンス用の仮想マシン名称が表示されます。このリンクをクリックすると、PrismCentralの仮想マシン管理画面にジャンプしますのでそのまま仮想マシンのメンテナスが可能です。

該当の仮想マシンをパワーオンしアップデートの作業を行います。
作業が完了したら、仮想マシンを終了します。


アップデート完了後、Prism Centralの画面から「Complete Guest OS Update」をクリックします。


続いて、新しいバージョンの名称や更新した内容を入力します。テンプレートをそのまますぐに反映させる場合は、「Yes, set this new version as active」をチェックを入れます。(今回は、このタイミングでは未チェックで更新します)
最後に、Complete Updateをクリックします。


次に、実際に利用するテンプレートのバージョンを切り替えます。
テンプレートをクリックし名をクリックし、バージョンを表示させます。


デフォルト展開のテンプレートを指定することができます。Configmをクリックすることで指定したテンプレートバージョンがActive化されデフォルトのテンプレートとして利用されます。

なお、古いバージョンのテンプレートも先ほどのバージョン一覧画面からチェックを入れれば展開が可能です。また利用しなくなったバージョンは削除することも可能です。
(Activeに設定されたバージョンは削除できません)


テンプレート機能でバージョン管理ができる点は、非常に便利だと思います。
また、内部的にはNutanixのストレージスナップショット機能を利用した差分データーブロック管理を行っているため、ストレージ容量が削減できる点も評価のポイントであると思います。