AOS 5.19で搭載された機能の1つで、AHV環境における仮想ディスクのストレージコンテナ間移動機能があります。vSphereにおいては、vSphere Standard以上で、Storage vMotionという機能を利用することで、仮想マシンを稼動したままDatastore間の移動ができます。
Nutanix + vSphere ESXiの組み合わせにおいても、Storage vMotionは利用可能です。一方で、Nutanix + AHV環境においては、仮想マシンを稼動したままストレージコンテナ間を移動する機能は、ありませんでした。AHV環境の場合、ストレージコンテナ間を仮想マシンが移動するユースケースとしては、元々RF2で稼動してた仮想マシンを、よりミッションクリティカルなRF3で稼動しているストレージコンテナに再配置したいなどのストレージポリシーが異なるストレージコンテナに仮想マシンを再配置したい場合に利用するぐらいで、ストレージのリプレース等で利用することはありませんので、そこまで必須という機能では無かったため、今までは仮想マシンを停止してImage Serviceを経由して仮想ディスクを複製するという形で対応をしていました。ただ、Image Serviceでの登録は、様々なパラメーターを必要とするため、簡単に移動という訳にはいかず、一手間かかる物でした。
今後は、Image Serviceを利用せずに仮想ディスクの移動が可能となります。
では、その手順をご紹介いたします。
まずはじめに、この機能はまだGUIでは搭載されておらず、acliを利用して行う必要があります。
コマンドは簡単です。「vm.update_container VM名 container=移行先のコンテナ wait=false」で移動できます。パラメーターとして「disk_addr_list=」を付けるとその仮想マシンに接続されている複数の仮想ディスクのUUIDを指定した仮想ディスクだけを移動対象にすることも可能です。この場合カンマ切りで複数の仮想ディスクを指定することも可能です。今回は「vDiskMove-VM」という仮想マシンを、「SECONDE-CONTAINER」というストレージコンテナに移動したいと思います。
これだけで完了です。コマンドのみとはいえ、そこまでハードルの高いもではありません。
移行作業が開始されるとタスクの進捗を確認できます。
なお、仮想ディスクを移動する際には以下の注意点があります。
- 移動中は仮想マシンのクローン及びスナップショットの取得が出来ません
- 仮想ディスク移動中は、仮想ディスクコピーを行うため一時的にストレージの利用料が増えます。移動が完了すると使用容量は元に戻ります
- ProtectionDomainで保護されている仮想マシンは、移動できません。あらかじめProtection Domainの保護対象から除外する必要があります。
- Volume Groupで、仮想ディスクが直接SCSIでアタッチされている環境の場合、仮想マシンで利用しているVolume Group以外の仮想ディスクのvmdisk_uuidを指定する必要があります。
DataProtectionの除外設定は、Entitiesから移動したい仮想マシンを「Unprotect」で保護対象から外すだけで良いです。Local SnapshotsやSchedulesを削除する必要はありません。仮想ディスクを移動後に再びEntitiesに仮想マシンを再登録することで再保護が可能です。
ただし注意点としては、仮想ディスクを移動する前に取得したスナップショットは、移動前のストレージコンテナに保存されたままとなります。そのため、移動する前のスナップショットでリストアすると、スナップショットを取得した時点でのストレージコンテナにリストアされます。これは、Data Protectionで取得したスナップショットは仮想マシンがその時点で存在するストレージコンテナに保持されるためです。
また、もう一つの注意点は、DataProtectionのスナップショットでは無く、AHVの仮想マシンに対して取得できる「VM Snapshots」のスナップショットです。VM Snapshotsは保持したまま仮想ディスクの移動は可能です。しかしこのスナップショットも取得した時点でのストレージコンテナに保存されています。そのため、仮想マシンを別のストレージコンテナに移動後、移動前に取得したスナップショットをリストアした場合、スナップショットを取得した時点のストレージコンテナに戻ってしまいます。
今回は新たに追加された仮想マシンのストレージコンテナ移動機能について紹介しました。スナップショットの取扱いの注意点やVolume Groupがまだ未対応、acliでのみ操作可能など、まだ荒削りところはありますが、今までのImage Serviceでの操作に比べると大変楽に作業できると思います。
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