今回は、新たなブリッジを作成する方法そして次に、アップリンクのNICチーミング方法の設定についてご紹介をしていきます。
仮想スイッチ(ブリッジの作成)は、AHV上で行います。なお、追加の仮想スイッチを作る場合は本番業務には影響はありませんが、アップリンクNICの操作間違いなどにより1ノードが疎通できなくなるとHAが発動する事象が出ることも考えられますので、アップリンクNICを含め操作する場合は、事前に仮想マシンを停止しクラスターサービスを止めておくことをおすすめします。
まずは、仮想スイッチを作成します。
仮想スイッチ(ブリッジ)が出来たことを確認するため「manage_ovs show_bridges」を実行します。
Bridges:
br0
br1 ★
続いて新たに作成したbr1のアップリンクモードを設定します。
bond-modeは以下から選択可能です。
現行ホストに存在しているNICを「manage_ovs show_interfaces」で確認します。
name mode link speed
eth0 1000 True 1000
eth1 1000 True 1000
eth2 1000 False None
eth3 1000 False None
eth4 10000 False None
eth5 10000 False None
eth6 10000 True 10000
eth7 10000 True 10000
ここでは、eth4とeth5のNICを割り付けます。eth4とeth5は、まだリンクアップしていない状態でアップリンクの設定をするため「--require_link=false」を付与します。
なお、既存で用意されているデフォルトの仮想スイッチ(br0)においてアップリンクモードを変える場合も以下のコマンドを利用します。
では、アップリンクNICと仮想スイッチ(br1)の状態を以下のコマンドで確認していみます。
Bridge: br0
Bond: br0-up
bond_mode: active-backup
interfaces: eth7 eth6
lacp: off
lacp-fallback: false
lacp_speed: slow
Bridge: br1
Bond: br1-up
bond_mode: active-backup
interfaces: eth4 eth5 ★
lacp: off
lacp-fallback: true
lacp_speed: off
これで作業は完了です。続いて、VLANの作成を行います。
AOS5.19より前の環境においては、複数の仮想スイッチを作成した場合、VLAN作成は必ず「acli」で作成を行って下さい。これは、PrismのVLAN作成画面ではどの仮想スイッチに対してVLANを作成するかの指定が出来ないためです。
ここでは、VLAN20のネットワークを新しく作成したbr1側に作成したいと思います。
重要な点は、vswitch_nameを定義することです。
以上で、作業は完了です。PrismのNetwork Visualizationの画面で見ると新しい仮想スイッチ(ブリッジ)が作成されNICがアップリンクに割り当たっていることが分ります。
- アップリンクNICを変更することでノード間疎通が出来なくなるとトラブルが発生することが予見されます。あらかじめホストをメンテナンスモードにするかクラスターサービスの停止を行った上で作業を行って下さい。
- manage_ovsは、操作を行ったCVMのホストにのみ反映されます。クラスター内の全てのノードに対して作業を一括で行うためには、「hostssh "manage_ovs ~」と、hostsshで各ホストに実行を行って下さい。
- manage_ovsは、クラスターメンバーに属していないノードでも作業が可能です。クラスターに新規で追加を行うノードに対してmanage_ovsでアップリンク設定を変更した上で、ノード拡張を行うことが可能です。
- AOS5.1までで利用していた、ovs-vsctlコマンドによる仮想スイッチ作成は、AOS5.5以降サポートされていません。
AOS5.0時代に比べるとAHVにおける仮想スイッチの操作はだいぶ楽になっていますが、ovs-vsctlコマンドでの操作が廃止になったり、acliでの仮想スイッチ操作がコマンドが変更になったりとかなり時代に応じて変更されています。
AOS5.19以降はPrismからの操作が最も楽な方法かと思いますが、次のLTSバージョンがリリースされるまでは、現行のLTSであるAOS 5.15の利用においては今回ご紹介したコマンドベースでの作業となります。(次のLTSが待ち遠しい物です)
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