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2026年9月13日日曜日

クラスターの耐障害性Cluster Fault Toleranceについて(AOS7.6の仕様変更対応版)

従来クラスターの耐障害性は、Redundancy Factor 2 or 3という形で、1台のホストが障害が発生しても問題なく稼働できるか、2台のホストが同時に障害が発生しても問題なく稼働できるのかの2つからの選択でした。

AOS 7.0より1N&1D(1ノードのホストと他のノードのフラッシュまたはディスクの同時障害)に耐えられる機能が実装されましたが、クラスターのノード数が3台に制限されていました。
これが、AOS 7.6からノード数が3ノード以上であればノード数に制限がなくなりました。

耐障害性が、ディスクレベルで選択できるようになったこともあり、従来Redundancy Factorと呼んでいた耐障害性の呼び方も「Cluster Fault Tolerance」に変わりました。


フォールトトレランスとサポートされるRFの種別

フォールト
トレランス種別
説明サポートされる冗長係数
Replication Factor
1N/1D1ノードまたは1ディスクの障害に対応
(クラスタあたり最小1ノードからサポート)
2, 1
1N&1D1ノードおよび1ディスクの同時障害に対応
(クラスタあたり最小3ノードからサポート)
※各ノードに2つのメタデータディスクが必要
3, 2, 1
1N/2D1ノードまたは2ディスクの障害に対応
(クラスタあたり最小5ノードからサポート)
3, 2, 1
2N/2D2ノードまたは2ディスクの障害に対応
(クラスタあたり最小5ノードからサポート)
3, 2, 1


1N/1D


1N&1D


1N/2D


2N/2D


従来のRedundancy Factor2が「1N/1D」に該当し、Redundancy Factor3が、「1N/2D」「2N/2D」に該当します。

1N&1Dは、特殊で、クラスター内の1台のノードと他のノードのディスクが同時に障害が発生しても継続してクラスターを稼働できる仕組みとなります。この場合1ノードあたり2つのメタデータディスクが必要とありますので、NX-1065のようなフラッシュ(SSD)が1本しか搭載されていないモデルでは利用できません。昨今は、1ノードあたりフラッシュメディアが1本というモデルはほとんどないと思いますが、こちらは注意してください。


フォールトトレランスは、以下のパターンのみ変更が可能です。

変更パターン条件
1N/1D → 1N&1D最小3ノード、各ノードに2つのメタデータディスクが必要
1N/1D → 2N/2D最小5ノード
1N/1D → 1N/2D最小5ノード

1N&1Dから2N/2Dへの移行、1N/2Dから1N&1Dへの移行はサポートされません。


これにともない、PrismのCluster Resiliency / Fault Tolerance Statusについては、以下の表記となります。


ステータス状態
OK障害ドメインが障害(ノードやディスク障害など)を安全に処理できる状態
Warning耐障害レベルがほぼ0に近づいている状態(設定したドメインでは耐えられないが、より下位のドメイン障害には耐えられる場合など)
Criticalフォールトトレランスレベルが0であり、ノードやディスクの障害に耐えられない状態
Computing障害発生直後など、リビルド開始前に新しいフォールトトレランスレベルを計算している状態


なお従来からのReplication Factor 2(RF2)やReplication Factor 3(RF3)といったデータの冗長性に関する表記は、そのまま継続となります。

NutanixのドキュメントもCluster Fault Toleranceに表記が変わっていますので、今後はCluster Fault Toleranceとして、どの冗長構成が必要かを設計フェーズで検討してください。

(参考)Cluster Fault Tolerance


 

2018年5月26日土曜日

Redundancy FactorとReplication Factorの考え方

こちらの記事は、2026年9月現在一部古い記事となっております。
Redundancy Factorは、Cluster Fault Toleranceに変更され、耐障害性の構成種別も増えております。詳しくは
の記事をご確認ください。
Replication Factorに関しては、こちらの記事から変更ありません。

Nutanixを導入するにあたって、考えなければいけないことは、どこまでの障害を許容範囲とするかです。
これは、Nutanixに限らず、様々なHCIメーカーでも同様のことが言え、もっというと仮想化基盤の導入における基本の設計事項でもあります。

Nutanixにおいて、障害に対する考えか方は、2つあり、この2つをどう使うかというのをNutanix導入時にあらかじめ設計しておく必要があります。

では具体的にその2つを見ていきましょう。

Redundancy Factor

リダンダンシーファクターとは、 Nutanixのノードが何台落ちても稼働し続けるかという設定です。通常の仮想化環境の場合HAを構成する際にフェールオーバーホストを1台に設定することが多いかと思いますが、これは1ホストの障害までを許容する(1ホストダウンしても仮想化環境は動き続ける)という設定になります。
Nutanixにおいては、ホストのことをノードと呼びます。上記の1ホストの障害までを許容する場合、Nutanixの場合、「Redundancy Factor 2」 という設定を行います。
2ノードまでの障害を許容する(2ホストまで障害でダウンしても仮想化環境は動き続ける)場合は、「Redundancy Factor 3」を設定します。
従来Nutanixでは、Redundancy FactorはFoundationという初期設定時のみ設定が可能でその後の変更ができませんでしたが、AOS5になってNutanixクラスターが稼働後にも変更ができるようになっています。(ただし、Redundancy Factor 3からRedundancy Factor 2へ障害許容範囲を小さくすることはできません)
Redundancy Factor3を利用する場合、Nutanixのノードは最低5ノード必要となります。また、NutanixライセンスがPro以上が必要となります。またCVMのメモリーは24GB以上を設定する必要があります。

Redundancy Factorのイメージ

Redundancy Factorの操作は、Prismから簡単に変更可能

 現在の設定状態の確認と変更が可能


Redundancy Factorのまとめ
Redundancy
Factor
ノード障害
対応数
必要
ノード数
Nutanix
ライセンス
CVM
メモリ
稼働後
変更
213〜Starter以上20GB〜2→3 OK
325〜Pro以上24GB〜3→2 NG


Replication Factor (RF)

レプリケーションファクターとは、Nutanix上で扱うデーターの冗長数を表します。
ドキュメントやPrism上の表現上では、「RF」と略称で掲載されることが多々あります。
Nutanixは、古来のデーター冗長化であるRAIDアーキテクチャーを採用していません。
データーの2重化(2面コピー)、3重化(3面コピー)によるデーターの保全機能を提供します。Nutanixは、ノードをまたいでデーターをコピーするため、特定のノードに障害が発生しても、冗長化されたデーターが複数同じタイミングでロストすることはありません。
「Replication Factor 2」は、データーの2重書込、「Replication Factor 3」は、データーの3重書き込みを行います。Replication Factor 3は、Redundancy Factor 3のNutanix環境のみ利用できます。(ということは、最低5ノードかつProライセンスが必要ということになります)
Replication FactorもAOS5.5現在、稼働後のRF2からRF3、RF3からRF2への変更がオンラインのまま設定変更することができます。
ただし、設定変更はPrism画面からではなく、ncliコマンドで実行する必要があります。
 なお、Nutanixを構築すると標準で作成される、ストレージコンテナ「NutanixManagementShare」は、RF2からRF3に変更することはできません・。

Replication Factorのイメージ

ncliを利用したRF2からRF3への変更

コンテナの一覧を表示させる
ncli> ctr list

コンテナのIDを取得
    Id                        : 00056a69-c1d8-fe67-0000-000000014005::1190
    Uuid                      : e4db671a-6bff-4324-ab88-a33a677ccdda
    Name                      : DEFAULT-CONTAINER
    Storage Pool Id           : 00056a69-c1d8-fe67-0000-000000014005::9
    Storage Pool Uuid         : 770e9c54-2722-40da-83d1-d013ef5c6b30
    Free Space (Logical)      : 5.06 TiB (5,566,102,449,437 bytes)
    Used Space (Logical)      : 335.66 GiB (360,412,356,608 bytes)
    Allowed Max Capacity      : 5.39 TiB (5,926,514,806,045 bytes)
    Used by other Containers  : 165.55 GiB (177,757,927,424 bytes)
    Explicit Reservation      : 0 bytes
    Thick Provisioned         : 0 bytes
    Replication Factor        : 2  ←現在のRF設定がわかる
    Oplog Replication Factor  : 2
    NFS Whitelist Inherited   : false
    Container NFS Whitelist   : 192.168.38.139/255.255.255.0
    VStore Name(s)            : DEFAULT-CONTAINER
    Random I/O Pri Order      : SSD-PCIe, SSD-SATA, DAS-SATA
    Sequential I/O Pri Order  : SSD-PCIe, SSD-SATA, DAS-SATA
    Compression               : off
    Fingerprint On Write      : off
    On-Disk Dedup             : none
    Erasure Code              : off
    Software Encryption       : off
The containers listed below are storage containers

RFの設定変更は、変更したいストレージコンテナのID(::より後ろの番号)を入力する
以下はRF3に変更したい場合の例
ncli> ctr edit rf=3 id=1190
※RF3からRF2に変えたい場合は、コマンドパラメーターをrf=2に変更すれば良い

Replication Factorのまとめ
Replication
Factor
Redundancy
Fuctor
必要
ノード数
Nutanix
ライセンス
稼働後の変更
22 or 33Starter以上RF2 → RF3 OK
335Pro以上RF3 → RF2 OK


Redundancy FactorとReplication Factorのマトリックス

Redundancy FactorReplication Factor設定可否
22
23×
32
33


Redundancy FactorとReplication Factorは混同しやすいですが、冗長化の見ている観点が異なりますので注意が必要です。

Redundancy Factor3であっても、Replication Factor2を利用することができます。Replication Factor 3は、単純に計算をするとデーターを3重書込するぶん必要容量も3倍になる関係から、最もクリティカルな仮想マシンはRF3のストレージコンテナにし、一般的な保護レベルであればRF2で業務上何も問題はありません。容量の効率化と可用性のバランスを勘案した構成を組むことができるのはNutanixのポイントです。