NutanixにおけるイメージングツールFoundationについて数回にわたって紹介してきました。一方でNutanixのイメージングにおいてもう1つ重要なイメージングツールがあります。
それは、Phoenixです。
今年の秋にリリースされたNutanix CE 5.18は、Phoenix ISOベースのインストラーに変わったことが話題になっておりましたが、このベースとなっているのがPhoenixになります。
では、Phoenixとは何かからまずご紹介します。
Phoenixは、Nutanixのイメージングに必要なバイナリを1つのISOにしたものがPhoenix ISOです。Phoenix ISOは、ノードのイメージングを行うISOになります。
では、Foundationと何が違うのでしょうか?
Foundationは、イメージングされるノードとFoundationが起動している端末との間をネットワークで疎通し、イメージデーターを渡してイメージングを実行しますが、PhoenixISOは、ネットワークを介さずISOだけで完全なイメージングをオフラインで行うことが出来ます。一方でPhoenixISOは、ノード単位のイメージングで勝つオフラインイメージングのため、クラスター作成を行うことが出来ません。クラスター作成は別途コマンドやFoundationツールを使って行う必要があります。
PhoenixISOにおける種類
PhoenixISOには、2020年12月現在2つの種類が提供されています。
ハイパーバイザー+AOSが含まれた完全なバイナリ
これは、FoundationVM経由で作成したISOバイナリとなります。ベアメタルなサーバーにハイパーバイザーとCVMを完全にオフラインでイメージングすることが出来ます。
▼ハイパーバイザー+AOSのPhoenixの画面
サポートポータルから提供されるPhoenix Installation Tool
Nutanixサポートポータル経由で提供されるPhoenix ISOバイナリ。AOS及びハイパーバイザーが含まれていないISOとなり、ベアメタルマシンに対してイメージングを行うことは出来ません。一方でこのメディアは、既存で稼動しているNutanixのノードで、起動領域が故障した際などに、手動でハイパーバイザーをインストール後にCVMを復旧させる際に利用します。
実は、LCMを利用した際に、ノードでファームウェアをアップグレードする際に利用されているLinuxOSもPhoenixをベースとした物で稼動しているなど、裏でPhoenixは様々な場所で利用されています。
PhoenixISOの作り方
ハイパーバイザーとAOSが含まれたPhoenixISOは、FoundationVMで作成が可能です。現在の所Portable Foundationでは作成することが出来ません。FoundationVMに事前にハイパーバイザーとAOSのバイナリを配置した上で、以下のコマンドを実行することでISOの作成が可能です。
Phoenix ISOは普段使う物では無く、よっぽどのことがないと利用することはありませんが、CVMの復旧作業など一部の作業においては利用することがあります。
いざというときのために、Phoenix ISOの存在とその用途、ISOの作成方法はマスターしておきましょう。
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