2020年12月12日土曜日

Phoenixの使いどころ

NutanixにおけるイメージングツールFoundationについて数回にわたって紹介してきました。一方でNutanixのイメージングにおいてもう1つ重要なイメージングツールがあります。

それは、Phoenixです。

今年の秋にリリースされたNutanix CE 5.18は、Phoenix ISOベースのインストラーに変わったことが話題になっておりましたが、このベースとなっているのがPhoenixになります。

では、Phoenixとは何かからまずご紹介します。

Phoenixは、Nutanixのイメージングに必要なバイナリを1つのISOにしたものがPhoenix ISOです。Phoenix ISOは、ノードのイメージングを行うISOになります。

では、Foundationと何が違うのでしょうか?

Foundationは、イメージングされるノードとFoundationが起動している端末との間をネットワークで疎通し、イメージデーターを渡してイメージングを実行しますが、PhoenixISOは、ネットワークを介さずISOだけで完全なイメージングをオフラインで行うことが出来ます。一方でPhoenixISOは、ノード単位のイメージングで勝つオフラインイメージングのため、クラスター作成を行うことが出来ません。クラスター作成は別途コマンドやFoundationツールを使って行う必要があります。


PhoenixISOにおける種類

PhoenixISOには、2020年12月現在2つの種類が提供されています。

ハイパーバイザー+AOSが含まれた完全なバイナリ
これは、FoundationVM経由で作成したISOバイナリとなります。ベアメタルなサーバーにハイパーバイザーとCVMを完全にオフラインでイメージングすることが出来ます。

▼ハイパーバイザー+AOSのPhoenixの画面


サポートポータルから提供されるPhoenix Installation Tool

Nutanixサポートポータル経由で提供されるPhoenix ISOバイナリ。AOS及びハイパーバイザーが含まれていないISOとなり、ベアメタルマシンに対してイメージングを行うことは出来ません。一方でこのメディアは、既存で稼動しているNutanixのノードで、起動領域が故障した際などに、手動でハイパーバイザーをインストール後にCVMを復旧させる際に利用します。


実は、LCMを利用した際に、ノードでファームウェアをアップグレードする際に利用されているLinuxOSもPhoenixをベースとした物で稼動しているなど、裏でPhoenixは様々な場所で利用されています。


PhoenixISOの作り方

ハイパーバイザーとAOSが含まれたPhoenixISOは、FoundationVMで作成が可能です。現在の所Portable Foundationでは作成することが出来ません。FoundationVMに事前にハイパーバイザーとAOSのバイナリを配置した上で、以下のコマンドを実行することでISOの作成が可能です。

/home/nutanix/foundation/bin/generate_iso phoenix --aos-package=[aos_path] --temp-dir=[TEMP_DIR] --kvm=[ahv_path]
AHVを含めたイメージ作成の場合は、「--kvm」、ESXiを含めたイメージ作成の場合は「--esx」、HyperVを含めたイメージ作成の場合は「--hyperv」を付けることになります。
AOSにインクルードされているAHVバージョンを使う場合は、「--kvm-from-aos」を付けます。

例)ESXiとAOS5.15.3のイメージを含めてのPhoenix ISOの作成コマンド

/home/nutanix/foundation/bin/generate_iso phoenix --aos-package=/home/nutanix/foundation/nos/nutanix_installer_package-release-euphrates-5.15.3-stable-x86_64.tar --temp-dir=/home/nutanix/foundation/tmp --esx=/home/nutanix/foundation/isos/hypervisor/esx/VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-16324942.x86_64-DellEMC_Customized-A02.iso


Phoenix ISOは普段使う物では無く、よっぽどのことがないと利用することはありませんが、CVMの復旧作業など一部の作業においては利用することがあります。

いざというときのために、Phoenix ISOの存在とその用途、ISOの作成方法はマスターしておきましょう。




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