Nutanix Voluemsは、通常の共有ストレージと同じ感覚でクラスターなどの構成が組めることがお分かりいただけたかと思います。
では、今回はNutanix Volumesを利用する際によくある質問をご紹介いたします。
CVMと同一セグメントとありますが、別のセグメントにはできませんか?
今回の紹介では、CVMのIPアドレスと同一セグメントでの設定をする旨を紹介いたしました。本件はAOS5.5までの使用であり、AOS5.6以降は、Volumes用に別のセグメントを設定することができる、Network Segmentation機能が実装されています。Network Segmentationは、Prism操作用のネットワークとCVM間のデーター通信をVLANで分離する機能となり、この場合Nutanix Volumesの通信はCVMのデーター通信側で利用する仕様となります。
この仕様ですと、VLAN分離であり、アップリンクNICを分離することができないため、AOS5.11から、Network Segmentation 2.0として、Nutanix Voluemsの利用用途として、アップリンクNICの分離(仮想スイッチの分離)を行うことで、完全にCVM間のデーター通信用IPアドレスと違うIPアドレスでの分離運用が可能となりました。
MTUサイズは9000(JumboFrame)に設定できるのでしょうか?
Nutanixは、運用上MTUをJumboFrameに設定する必要はありません。しかし、Nutanix Volumesを利用する場合、外部サーバーからの接続でiSCSIを利用するとなると、JumboFrameの設定を意識する必要があります。
Nutanix Volumesで提供されるストレージコントローラーの役割は、ハイパーバイザーにストレージサービスを提供するCVMが行います。
そのため、Nutanix VolumesでMTUサイズを変更する場合は、CVM及びCVMと通信するハイパーバイザーのMTUサイズも同時に変更する必要があります。これは同一のコントローラー(CVM)で行われているため、仕様上の制限となります。
この変更を行うことで、Nutanix Volumesで、JumboFrameを利用することが可能となります。
Nutanix Volumesは、バックアップ・DRできるのでしょうか?
共有ディスクが提供できたとしても、そのデーターの保護はどうやればいいのか気になるところですね。Nutanixには、仮想マシンのデーターをストレージベースのスナップショットで取得するDataProtectionという機能を持っています。このDataProtectionは、Nutanix Volumesで作成したボリュームグループも保護対象に設定可能です。もちろん、A SYNC DRで、他のNutanixクラスターにレプリケーションし、バックアップやDR先でボリュームグループをリストアすることも可能です。
▼Nutanix Volumesも保護対象可能です。
さらに、Use Application consistent snapshotを有効化し、仮想マシンにNGTをインストールしている場合は、VSS連携による静止点取得によるバックアップが可能となります。ただし、NGTはNutanix上で稼働する仮想マシンのみインストールが可能となりますので、残念ながら物理サーバーにおける静止点取得機能は現在提供されていません。
Nutanix Volumesを利用する際のライセンスはどうすればよい?
Nutanix Voluemsは、Nutanix HCIで提供される機能ですが、Nutanixのホームページを確認するとNutanix Volumesは、Proライセンスが必要と記載があります。(参考)Nutanix AOSライセンス一覧
https://www.nutanix.com/products/software-options
これを見ると、Proライセンスがいるのか...と思ってしまいますが、Proライセンスが必要なケースは、Nutanixの外にある物理サーバー等にiSCSIを利用した共有ディスク機能を提供する場合になります。Nutanix上で稼働している仮想マシンに対してiSCSIまたはSCSIで共有ディスク機能を提供する場合、Startarライセンスで問題ありません。
わかりやすく図にすると以下のような考え方になります。
Nutanixの外にあるサーバーから接続する場合、Volume Groupの設定で「Enable external client access」にチェックを入れる必要があります。
このチェックを入れると、NuatnixクラスターにProライセンス以上が適用されていない場合、このライセンスレベルではこの機能は利用できない旨が表示されます。
AHVの場合、SCSI直結とiSCSIはどちらの利用が推奨?
AHVの場合は、iSCSIと別にSCSI直結で共有ボリュームを見せることができます。SCSI直結の場合は、NutanixのAPIだけで共有ディスクの取り付け・取り外しができるため、自動化しやすいメリットがあります。そのほかに、仮想マシンから直接的にI/O情報が取得できるため、iSCSIの場合より、より高度な負荷分散が可能となります。
しかし、SCSI直結の場合、SCSI-3の永続予約(SCSI PR)機能が利用できないため、Windows Failover Cluseringを構成する場合などは、iSCSIを利用したボリュームのマウントが必要となります。
以上、よく聞かれる5つの質問にお答えしました。
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