2019年12月24日火曜日

Flashモードのご紹介

Nutanixは、AllFlashモデルやNVMeモデルもありますが、売れ筋はSSDとHDDのハイブリッドモデルです。
Nutanixは、SSDもHDDもキャパシティ領域として利用するいわゆるティアリングでよく使われるデーターをHOTデーターとしてSSDに配置し、使うことが少ないデーターをCOLDデーターとしてHDDにおく動きを自動的に行ってくれます。

この場合HOT、COLDの各データーはアクセスされている頻度によりますから、あまりアクセスされないデーターはCOLD扱いとなりHDD層に保存されることは理解できるかと思いますが、定期的にしかアクセスされないが、アクセスするときは高速に動作してほしいという仮想マシンも時々あるように思います。

例えば、月初に前月の請求書を一括でPDF出力する帳票サーバーやバッチサーバーなどがそれにあたると思います。

このような、普段は使わないけど、いざ使うときは負荷がかかるのでSSDに配置してほしいという希望を叶える機能として「Flash Mode」という機能がNutanixには存在しています。

このFlashModeは、「ピニングモード」と記載されているドキュメントもありますが、ピニングモードは従来の名称で現在は「Flash Mode」が機能の名称となります。

このFlashModeは、Extend Storeの25%までの領域をFlashModeで利用できる領域として利用できます。つまり、FlashModeを有効にすればかならずすべてのデーターがSSDに配置されるというわけではないことを理解しておきましょう。

Flash Modeは、仮想マシン単位の設定の場合、Prismの仮想マシン設定画面の一番下でFlash Modeの有効か設定が可能です。

また、Volume Groupにおいても同様にFlashModeの設定が可能です。

このFlash Modeは仮想マシン単位であればPrism上で設定可能です。
一方でREST APIを利用すれば、仮想ディスク単位で設定することも可能です。

この場合、まず仮想マシンで、「Enable Flash Mode」で仮想マシン全体を、Flash Modeの設定にした後、Flash Modeの対象から外したい仮想ディスクに対してFlash Modeを無効化するという作業になります。

なお、この作業はREST APIを利用して行います。
APIの発行は以下の通りです。(メソッドはPUTを利用します。)
https://CLUSTER-VIP:9440/api/nutanix/v2.0/virtual_disks/

投入するJSONは以下の通りです
{
  "uuid": "仮想ディスクUUID",
  "flash_mode_enabled": false
}

RestAPI Exploreからでも実行することが可能です。

この命令が成功するとステータス200が帰ってきます。

仮想ディスクごとのFlash Modeの設定状況は、Prism画面で仮想マシンを選択後、下側に表示される「Virtual Disks」で、確認することが出来ます。

様々なディスクの接続形態で試してみましたが、デフォルトであるSCSI以外にもSATAでもIDEも関係なく、Flash Modeの設定は可能なようです。

では、最後にFlash Modeについて注意事項を含めてお知らせします。

  • Flash Modeは、仮想マシンのライブマイグレーションには影響しません
  • HOTデーター及びCOLDデーターの分析情報をストレージコンテナ事に持っているため、Storage vMotionを行うと、Flash Modeの効果が出るようになるまで時間がかかります。頻繁にStorage vMotionを行うと、Flash Modeの恩恵は受けにくくなります。
  • ストレージの圧縮及びキャッシュレベルの重複排除には影響しません。
    ただし、キャパシティの朝服排除設定時はFlash Modeは利用しないで下さい
  • クローンされた仮想マシンは、Flash Modeの設定は保持されません。(Flash Mode無効か状態でコピーされます)
  • スナップショットからリストアされた仮想マシンは、Flash Modeの設定が保持されないため、手動で有効の設定が必要です
  • 複数モデル混在のNutanixクラスターの場合、モデルによりSSD搭載容量が異なるため、Flash Modeの動作が必ずしもどのホスト上で稼動しても一定にならない可能性があります。
  • Flash Modeを利用するためには、Nutanix Clusterに対してUltimateライセンスが必要になります。


Flash Modeを活用しなくても、Nutanixは、SSDをキャパシティ領域として利用しているため、SSDの容量が一定以上になるまではSSD上にデーターを保存し、ハイブリッド環境であっても、オールフラッシュモデルに近いパフォーマンスを発揮します。
そのため今回ご紹介した、Flash Modeがすべての環境下において有効な機能では無いと思いますが、仮想マシンが多く稼働する環境下で、データーベースやバッチ処理を行うサーバーなど、利用状況に寄らずハイパフォーマンスを必要とする仮想マシンに対して、一定のパフォーマンスを提供するためには、有効的な機能の1つとなるかと思います。












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