2026年9月12日土曜日

Nutanix+ESXi環境をNutanix+AHVにハイパーバイザーを変更する(その6)

5回に分けて、ESXiからAHVに変換するConvert Cluster機能についてご紹介してきました。

まず、仮想マシンを変換するうえで大切な要件だけをまとめておきます。


<変換における重要事項>

  1. あらかじめ仮想マシンのゲストOSにVirtIO Driverをインストールする
  2. NGTをゲストOSにインストールする
  3. VM BOOT OPTIONSは、「Power off user VMs」を強く推奨
  4. UPSやバックアップなど、周辺ソフトウェアに注意する
  5. ゲストOSから、VMware Toolsのアンインストールを個別に行う
  6. ゲストOSがWindowsの場合、SANポリシーを変更する
  7. Convert Cluster実行前に、すべての仮想マシンをProtection Domainで保護し、スナップショットを取得しておく
  8. vCenter Serverは、Nutanixクラスターの外に配置する

1は、AHVへの変換後にゲストOSを起動するためには、仮想マシンのディスクバスであるVirtSCSIのドライバーが必要になるためです。NGTをインストールすればVirtIO Driverもインストールされますので、個別にインストールする必要はありません。

3は、それなりに重要な事項です。仮想マシンがAHVに変換されると、仮想マシンのタイムゾーンはすべてUTCで設定されます。

そのため、そのまま自動で仮想マシンをパワーオンすると、UTCの時刻で起動することになります。LinuxやUNIX系OSでは問題にならない場合もありますが、Windows系OSの場合、時刻が9時間ずれることになります。Active Directoryなど、時刻にシビアな仮想マシンがある場合、思わぬトラブルにつながる可能性があります。そのため、クラスター内のすべての仮想マシンの変換が完了した後、仮想マシンのタイムゾーンを適切なものに設定してからパワーオンするのがよいと思われます。

4は、UPSやバックアップソフトなど、ハイパーバイザーと連携するソフトウェアがESXiホストとして認識しているため、AHVとして再登録が必要になります。ESXiにしか対応していないソフトウェアを利用している場合は、AHVに対応したソフトウェアへ切り替える必要があります。

5は、ESXi基盤ではない状態になっているため、Windowsの場合、アプリケーションのアンインストール機能からVMware Toolsを正常に削除できないことがあります。

KB431278を参考に、VMware Toolsを手動で削除する必要があります。


6は、ゲストOSがWindowsの場合、AHVへの変換後にゲストOSを起動すると、起動ドライブであるCドライブ以外のディスクがオフラインになることがあります。これはWindowsの仕様によるものですが、アプリケーションなどが正常に起動しないなどの影響が出る可能性があります。あらかじめSANポリシーを「OnlineAll」にしておくことをお勧めします。

ポリシーの変更については、仮想マシンのDドライブ以降がオフラインになるのを回避する方法をご確認いただければと思います。

7は、万が一変換に失敗したり、仮想マシンがPrism Element上に表示されなくなったりした場合、復旧が困難になる可能性があるためです。Protection Domain(PD)で仮想マシンを保護しておけば、AHVへの変換後もスナップショットが保持され、AHV環境へリストアすることが可能です。その際、仮想マシンの仮想ディスクはAHVで読み取れる形式でリストアされるため、そのままパワーオンできます。


また、ゲストOSが正常に起動できない場合は、VirtIO Driverがインストールされていない可能性があります。以下のKBを参考にドライバーをインストールし、ゲストOSが起動できるように設定する必要があります。


(参考)

KB7121 : Windows liveISO chkdsk for SCSI disk

KB2627 : Migrating Linux VMs to AHV


また、NICは新しいデバイスとして認識されますので、必要に応じてIPアドレスの再設定が必要です。

Nutanix Moveを利用したConvert Clusterでは、IPアドレスの再設定など、Nutanixクラスター単体のConvert Clusterでは対応できない部分もアシストしてくれるようです。(ただし、ハイパーバイザーのコンバージョン部分は、今回紹介したConvert Clusterと同じ動作になるようです)


Convert Cluster機能は、非常に便利な機能です。ただし、変換が100%うまくいくという保証はありませんので、あらかじめバックアップなどの必要な対策を行ったうえで実施してください。

仮にConvert Clusterがうまくいかなかった場合でも、Protection Domainで保護していれば仮想マシンのデータ自体は保護されます。そのため、さまざまな事前対策を行っておけば、より安心してConvert Clusterを実施できると考えられます。




 

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