2025年9月21日日曜日

NutanixからNutanixへの移行考慮点(その4・既存クラスターと異なるメディア構成)

前回は、5年を超える古いクラスターからのNutanix to Nutanixの移行方法をご紹介しました。今回はまた別のケースの移行パターンをご紹介します。

移行課題その4 / 既存クラスターと異なるメディアのクラスターへリプレース


5年前は、SSD+HDDのハイブリッドクラスターが非常に多く採用されていました。これは、まだフラッシュメディアが高価であったことが要因であると思います。
2025年現在では、フラッシュの単価も5年前に比べ安くなったことからオールSSD構成やオールNVMeモデルの構成もあたり前に検討・導入される時代になってきました。
Nutanixにおける異なるメディアで構成されたクラスター間での移行方法についてご紹介します。


方法1.Expand Cluster + Remove Hostによるリプレース

Nutanixの最もメリットの出るリプレース方法なのですが、違うメディアで構成されたノードをExpand Clusterを行うためには、条件があります。

まず、既存の構成と新しく追加するノードの混在条件です

構成種別既存クラスターの構成ノード追加がサポートされる構成
ハイブリッド構成
SSD+HDDSSD+HDD
NVMe+HDD
All SSD
SSD+HDDとAll SSDの混在All SSD
SSD+HDDとNVMe+HDDの混在NVMe+HDD
NVMe+HDDNVMe+HDD
オールフラッシュ構成All SSD
SSD+NVMeハイブリッド
All NVMe
All SSD
SSD+NVMeハイブリッド
All NVMe

上記表に記載される構成がサポートされる構成です。例えば、既存はSSD+HDDのハイブリッド環境で、新しくリプレースするノードがAll NVMeモデルである場合、Expand Clusterによるノード追加によるリプレース作業はサポートされないということになります。

既存のSSD+HDD構成のクラスターにAll SSDノードを追加する場合、Expand Clusterによる移行方法がサポートされます。

メディアの種別が異なる場合は、上記表を元にノード追加がサポートされる構成かを事前に確認しておく必要があります。

(参考)Mixing Nutanix Nodes in a Cluster

▼条件を満たしていれば、Expand Cluster + Remove Hostをサポート



方法2.Async DRの利用

Async DRであれば、メディアの制限を受けることはありません。そのため、SSD+HDDの環境から、All NVMeのクラスターにレプリケーションし仮想マシンを移行する方法が利用可能です。

▼メディアに関係なくAsync DRは移行可能



方法3.Nutanix Moveを利用した仮想マシン移行

Nutanix Moveは、ハイパーバイザーの種別にもハードウェアのメディア構成にも影響を受けません。そのためMoveでの移行は、サポートされます。(MoveがサポートしているAOSバージョンであれば、バージョンに関係なく利用可能です)



方法4.Cross Cluster Live Migration

AOSやAHVのバージョンが同一であることが条件ですが、この条件に適合している場合は、Cross Cluster Live Migrationによる無停止移行が可能です。


既存クラスターと異なる環境の場合、Expand Clusterによる1クラスターに統合した移行を行う場合、1クラスターに混在できるハードウェアの種別に制限があります。1クラスターでメディア混在ノードの継続運用ではなく、一時的な移行であってもメディア混在のノードを拡張する場合は、注意を行ってください。









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