2015年から本格的にNutanixが日本市場に浸透し、Nutanixを新規で導入するユーザーが爆発的に増えている最近ですが、一方でNutanixからNutanixへの移行というフェーズも多く見かけるようになりました。10年前と違いNutanixで選択できる幅が大きく増えていることから、改めてNutanixからNutanixへの移行について見ていきたいと思います。
移行課題その1
ESXiからAHVへのハイパーバイザー変更
2020年前後までは、Nutanix+vSphere ESXi環境で稼働している環境も多かったのではないでしょうか?VMwareの買収もあり、vSphereからNutanix AHVへの移行を検討されている場合増えています。この場合、Nutanixの既存のクラスターに追加ノードでAHVのノードを追加し移行するという構成が組めません。
この場合2つの方法があります。
1つは、既存のNutanixクラスターをConvert ClusterでESXi上で稼働しているクラスターをAHVにハイパーバイザーを変更します。(仮想マシンは、NGTがインストールされていることが前提となりますが、そのままAHVで稼働する仮想マシンに変換されます)
コンバート完了後、AHVクラスターになった状態で新規ノードを追加し、リプレース対象のノードをRemoveすることで、リプレースを完了することができます。
この場合、ESXiからAHVにコンバートする際に、ハイパーバイザーの入れ替えやCVMの作り替えが行われるため、Foundationを行うのと変わらないぐらいの時間(3ノードであればおよそ1時間程度)かかります。さらに内部でVMDKをRAW形式に変換する動作を行いますので、それなりにクラスターの停止時間がかかってしまいます。
▼既存クラスターのハイパーバイザー変換
コンバートが変更した後、追加ノードを入れて1つのクラスターにします。
▼Expand ClusterでAHVクラスターとして6ノード構成にする
その後、古いノードをRemove Hostで外すことで、新しいノードのみで継続稼動させることができます。
▼Remove Hostで古いノードの切り離しを行う
方法2.Async DRの利用
こちらが移行としては、時間がかからない方法の1つであると思います。クラスター間のレプリケーションであるAsync DRを設定し仮想マシンの移行ができます。こちらを利用すれば、Prismの操作画面のみで簡単に仮想マシン単位で移行計画を作ることができます。
NGTがインストールされていない場合、Async DRのMigrate機能ボタンがPrism上では押せませんが、ncliで「skip-vm-mobility-check」パラメータを利用すれば、NGTのインストール有無に関係なく仮想マシンの移行ができます。(NGTをインストールしていない場合、ゲストOSにVirtIO Driverがインストールされていないため仮想マシンのOSが正しく起動できない可能性があります。その場合事前にVirtIO Driverのインストールを行ってください。)
方法3.Nutanix Moveを利用した仮想マシン移行
Nutanix to Nutanix移行であってもハイパーバイザーが異なる場合、Nutanix Moveを利用して移行することができます。
移行元のNutanixクラスターと移行先のNutanixクラスターを設定することで、Nutanix Moveのメリットを生かした仮想マシン単位かつ移行時間をカットオーバー機能で自由に制御できます。
▼Moveを使った仮想マシンの移行
今回は、Nutanix+ESXi環境からの移行についてご紹介しました。ハイパーバイザーが異なるからNutanixでも移行は無理みたいな印象がある方に出会うことがありますがそのようなことはなく、Nutanixの良さを生かした移行が可能です。
次はまた違う移行パターンについてご紹介します。
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