2017年9月18日月曜日

AFS(Acropolis File Service)のよくある質問

さて、AFSについていろいろな機能の紹介をしてきましたが、ここまでくると、ここってどうなっているんですかという疑問がわいてきたかもしれません。
今回は、AFSにおけるよく聞かれる質問についてご紹介をしたいと思います。


Q.AFSは、どのエディションで利用が利用できるのですか?
AFSを利用する際にはライセンスが必要という話は第1回目に出てきました。
具体的に言うと、Nutanix上でAFSを利用する際には、AFSを立てるクラスターに「Ultimate」のライセンスが適用されている必要があります。
Nutanixクラスター内でのライセンス混在は通常あり得ませんので、Nutanix5ノードで稼働している場合、そのクラスター全体がUltimateライセンスで構成されていれば、そのままAFSを利用可能です。
現在利用しているNutanixクラスターのライセンスが、ProもしくはStarterの場合、AFS単独ライセンスを手配すれば、利用可能となります。
このAFS専用ライセンスは、Nutanixのノード数でカウントされます。上記のようにNutanix5ノードで稼働しているNutaixクラスターでProライセンスを利用している場合、5ライセンス分のAFSライセンスを購入すれば、AFSが利用可能となります。


Q.AFSは、Nutanix以外の基盤で動作するのですか?
AFSは、Nutanix上で動作するために設計された仮想アプライアンスのため、Nutanix以外の基盤ではハイパーバイザーの種別を問わず動作させることはできません。


Q.Nutanix XpressでもAFSは利用できますか?
残念ながら、XpressモデルではAFSは利用できません。これは、AFSが、ABS(Acropolis Block Service)の機能を利用することに起因しており、Xpressモデルは、ABSをサポートしていないことから、利用不可となります。そのためAFS単独ライセンスを購入しても利用できないので注意が必要です。


Q.ウイルス対策ソフトはインストールできるのですか?
AFSのアプライアンス自体にウイルス対策ソフトをインストールすることはできません。
ただし、AFS2.2からICAPベースのウイルス対策ソフトオフロード機能により、アンチウイルスに対応しています。
ただし、AFS2.2のリリースノートに「Note: For the AFS 2.2.0, AFS AV only supports Kaspersky Security 10 for Windows Server.」という記載があり、対応しているウイルス対策ソフトは、カスペルスキーのウイルス対策ソフトに限定されています。
ただし、このICAP機能は、「Kaspersky Security 10 for Windows Server Version 10」のマニュアルを読む限り、「日本向けライセンスの制限により、Kaspersky Security の ICAP および RPC ネットワークストレージ保護機能は使用できません。ソリューション「Kaspersky Security for Storages」のサポートおよび販売は日本の地域では行っていません。」
という記載があります。

(参考)Kaspersky Security 10 for Windows Server 管理者用ガイド 製品バージョン:10 P43より


つまり、事実上日本では、現状利用できないことになります。

今後、他のウイルス対策ソフトウェアにも対応するかと思いますので、現状はクライアントのウイルス対策ソフトウェアでの対策というのがソリューションとなります。

(参考) Kaspersky Security 10 for Windows Server 管理者用ガイド 製品バージョン:10 P43
https://docs.s.kaspersky-labs.com/japanese/ks4ws_admin_guide_ja.pdf

(参考) AFS2.2リリースノート (要Nutanix Portalログイン)
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Release-Notes-AFS-v22:AFS-features-updates-AFS-v22-r.html

Q.AFSのデーターをNutanix外にバックアップを取ることはできますか?
AFSは、NutanixのDataProtection機能を利用して、Nutanixクラスターをまたいでバックアップ及びDRの構成を作成することができます。この機能を利用することで、サービスを起動しているNutanixクラスター外にデーターを保存することができます。
では、バックアップソフトウェア等を使ってバックアップを取得できるかというと、現状はバックアップソフトウェアによるバックアップは対応していません。
これは、AFSが、上記の通りABSを利用しているため、仮想マシンと紐づきがないボリュームのディスクが存在するためです。(詳細は、AFS(Acropolis File Service 2017/9/20公開予定)の紹介と導入方法 その4を参照)
今後NDMPへの対応等も検討されているという話を聞いていますので、今後に期待ですが、現状ではNutanixクラスター間のレプリケーションにお任せするのが最適解となります。


今回はAFSでよく尋ねられる5つの疑問について回答いたしました。
AFSは、まだまだ進化過程のアプライアンスですが、すでに実用的に利用できるアプライアンスです。Nutanixの無限のスケールアウトの便利さをファイルサーバーにも生かした機能であり、ファイルサーバーとして必要な機能はほとんど実装されていることから、簡易的かつファイルサーバーのサイジングが難しい場合に持ってこないソリューションだと思います。





AFS(Acropolis File Service)の紹介と導入方法 その2

では、具体的にAFSの導入を行ってみましょう。

まずは、AOSの対応を確認します。
今回は現時点で最新版のAFS2.2を利用します。

まず、AFS2.2で対応しているAOSのバージョンを確認します。
vCenterは、AHVの場合不要なコンポーネントとなりますので無視していただいていかまいません。


▼AFS2.2におけるサポートAOS

AFSとソフトウェア互換
AOSvCenter
55.5
5.0.0.x6
5.0.x6.5
5.0.1
5.0.1.x
5.0.2
5.0.2.x
5.0.3
5.0.3.x
5.1
5.1.0.x
5.1.1.x
5.1.2
5.1.2.x

こちらの対応情報の最新は、AFSリリースノートを確認しましょう。

今回は、AOS5.1.2で、AHVの環境に導入をしたいと思います。

では、次に確認する事項です。
AFSを導入するためには、Nutanixクラスターを作成した際に自動で作成される「Management Share」というストレージコンテナを利用します。このコンテナが存在していることを確認します。



次に、AFSは、FSVMが、VolumeGroupのボリュームをiSCSIでマウントする仕様のため、事前にNutanixクラスター側でiSCSIのサービスIPを指定する必要があります。
ISCSI DATA SERVICES IPを設定するには、Prism画面のクラスター名称が出ている左上の部分をクリックすると、IP設定の画面が出てきます。
また、現状Volume Serviceに何も構成がなされていないことも以下の画面ショットから確認ができます。(すでに、ABSの利用等でこのiSCSI DATA Service IPの設定がなされている場合は、この項はスキップしてください)
ISCSI DATASERVICE IPは、CVMから提供されるため、CVMと同一セグメントのIPを付与してください。



事前チェックはこれで終わりです。

では、実際にFSVMの展開に行きましょう。

まずは、歯車マークから「Upgrade Software」をクリックします。



続いて、File Serviceメニューをクリックします。


こちらの環境では、Nutanixをすでにインターネットに接続しているため、AFSの各バージョンの一覧表示と取得したいAFSのバイナリダウンロードが、PrismUIからそのまま行えます。
Nutanixがインターネットに接続されていない場合、Nutanix Suppoer Portalから直接AFSバイナリをダウンロードし、Nutanix側にアップグレードします。

Nutanix側でダウンロードが完了していない場合、ダウンロードボタンをクリック、手動でバイナリをアップロードする場合はアップロード後、「Continue」をクリックします。

すると、AFSを展開すにあたっての事前チェックが行われます。
今回は、事前チェックに必要な事項をあらかじめ設定したため、すべての設定が完了しています。



なお、vSphere環境で利用する場合、vCenter ServerをPrismに登録する必要があり、そのチェック項目も増えるため、4項目のチェックが行われます。

 ▼vSphere環境でのAFS展開時のチェック画面

続けて、Continueをクリックします。

次にAFSのファイルサーバー名やFSVMの構成を行います。



NAME:
NAMEには、ファイルサーバーの名称を入れます。
15文字以内でアルファベット・数字・ハイフンのみ利用できます。

FILE SERVER STORAGE:
ファイルサーバーとして利用できる容量を設定します。
最小容量は1TBです。(そのためNutanix Management Shareのストレージコンテナの空き容量が、最低でも1TBの空きが必要となります。)
容量は展開後の拡張も可能です。

PERFORMANCE CONFGURATION:
FSVMのスペックや展開台数を設定します。
基本は、Nutanixクラスターのノード数から自動的にスペックが表示されますが、スペックをカスタマイズすることが可能です。
 Custom Configurationをクリックすると、以下のようコネクション数やスループットから必要なスペックを入力する画面が表示されます。こちらに要求するスペックを入れることで、FSVMが適切なスペックに自動的に構成されます。


また、ここからConfiguration manuallyというメニューをクリックすると、性能要求パラメーターではなく、展開するFSVMのスペックを手動で構成することも可能です。



今回は、ホスト名は「afs01」、ストレージ容量は1TBで構成します。
FSVMの台数は3台で、4vCPU、12GB RAMという最小の構成で展開を行います。




今回の投稿はここまでで、次回の項でネットワークやFSVM展開のほかパラメーターを見ていきたいと思います。






2017年9月17日日曜日

AFS(Acropolis File Service)の紹介と導入方法 その1

Nutanixは、ただの仮想化基盤ではなく、仮想化基盤として必要な様々な機能を提供しています。その1つが、AFS(Acropolis File Service)です。今日はこのAFSについて紹介をします。

NutanixをVDIなどで利用する場合、特にリンククローンで構成されたVDIなどは、ユーザーの作成したデーター(マイドキュメント)やブラウザーのお気に入りなど、ユーザー個別の情報であるユーザープロファイルを、VDI(仮想デスクトップ仮想マシン)と別の場所に保存する必要があります。

従来は、その対応方法として2つの手法がありました。

  1. Nutanix上に仮想マシンを作成しその仮想マシンをファイルサーバーとして構築する。
  2. 別にファイルサーバー専用のNASを用意する
(参考)AFSが誕生する前までのファイルサーバーの取り扱い
しかし、この場合、前者の場合は、VDIのユーザー増加やユーザー自身のファイル量増加に伴う、容量拡張が容易にできません。後者の場合、Nutanixだけで完結することができないため、シンプルではなくなってしまいます。

このような状況を改善するために誕生したのが、AFSなのです。

AFSは、Nutanixクラスターで構成されたNDFS(Nutanixのストレージ領域)の一部をそのままファイルサーバーにしてしまおうというものです。
AFSを利用するためには、まずNutanixのUltimateライセンスか、AFS専用のライセンスが必要になります。既存のNutanixクラスターのライセンスを事前に確認しておきましょう。

また、AFSを利用するためには、2つの事前準備が必要です。

  1. ABSの事前設定(仮想IPの付与)
  2. AFSバイナリ(FSVM)の準備 
  3. Active Directoryが存在していること
前者は、簡単な話です。

3番目ですが、AFSを利用するためには、ADが必須となります。
サポートされているドメインレベルは以下の通りです。

  • Windows Server 2008 (AFS 2.0.2および2.1のみ)
  • Windows Server 2008 R2
  • Windows Server 2012
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows Server 2016


AFSの機能を提供するFSVMは、仮想アプリライアンスとなります。
仮想アプライアンスのスペックは、以下のような指標が出されています。

接続数FSVMのメモリ(1台あたり)
25012GB RAM
50016GB RAM
1,00024GB RAM
2,00040GB RAM
2,50060GB RAM
4,00096GB RAM

FSVMは、1つではなく複数個設置するのですが、その最大数は、CVMの数もしくは、最大16台のどちらか最小のを値を選択することになります。
たとえば、1つのNutanixクラスターのノードが18台ある場合は、CVMは18台ありますが、FSVMの最大数は16のため16台のFSVMを立てる仕様となります。
また、違う例では、Nutanixクラスターのノードが4台の場合、CVMは4台となり、FSVMの16台よりもCVMの台数が少ないことになりますので、FSVMも4台展開することとなります。
Nutanixは、最小3ノードで動作しますので、FSVMの最小設置台数は3台ということになります。

つまり最小である3ノードのNutanixクラスターにAFSを展開した場合、最小構成であっても750クライアントの接続がサポートされることになります。

FSVMに割与える、vCPUですが、最大12vCPUという指標はありますが、どのくらいの規模にどれぐらいのvCPU数というのは特に記載がありません。
ウィザード上では、4,6,8,12とvCPU数が選べるようになっておりますので、全体のリソースのバランスを見て適切なvCPU数を選択することとなります。デプロイ後にvCPUの数やメモリー容量を変更することも可能ですので、最小限度のリソースから初めて後から拡張していくことは可能です。

その他の条件も一緒に見ていきましょう。

内容制限値
Home共有毎のデーターサイズFSVMあたり200TB
汎用共有フォルダ毎のデーターサイズ40TB
AFSの名称15文字
共有名の最大文字数80文字
スロットル帯域幅2048Mbps
データー保護帯域幅2058Mbps
Asyn DRの最大復旧目標時間60分
保持できるスナップショット数24
対応ハイパーバイザーvSphere(ESXi) / AHV

容量制限や、共有フォルダの名称について文字制限があることに注意が必要です。

そのほか、以下のような仕様が記載されています。
  • ファイルサーバーの容量が100%になると、ファイルサーバー機能は読み取り専用となります。
  • 全体の使用量が90%を越えるとアラートが表示されます。
  • RODCへの参加は許可されていません。

一方、AFSに接続がサポートされているクライアントは以下の通りです。


AppleMicrosoft
OS X ElCapitan (10.11)Windows 7
macOS Sierra (10.12)Windows 8

WIndows 8.1

Windows 10

Windows Server 2008

Windows Server 2008 R2

Windows Server 2012

Windows Server 2012 R2

Windows Server 2016


AFSがサポートしているSMBのプロトコルは、AFS2.2でしたが、AFS2.2からSMB3.0がサポートされました。ただし、以下の機能が未サポートです。

  • 継続的な可用性/トランスペアレントフェールオーバー
  • マルチチャネル
  • 暗号化
また、AFS2.2から、ICAPを利用したアンチウイルスのオフロード機能も搭載されました。
ただしこちらは、Windows Server用のKaspersky Security 10のみサポートとなっています。


では、次の回から具体的にAFSの実装に入っていきたましょう。






2017年9月3日日曜日

Nutanixの障害通知とリモートサポートについて

Nutanixには、障害を検知した際に自動で通知を行い、アラート機能があります。
また、障害が発生した場合に、Nutanixサポートエンジニアに直接見てもらえる、リモートサポート機能があります。
今回はこの2つの便利な機能について紹介をします。

アラート通報機能

Nutanixには、ハードウェアの障害や内部プロセスにおいて、なんらかの論理的な問題を検出した場合に通知を行ってくれるアラート機能があります。
アラートは、NutanixのPrism画面で表示されますがそれと同時に、ニュータニックスサポートへの連絡やユーザーにメールで通知する機能を保有しています。

▼アラート通知の設定画面


このアラート通知は、メールベースで行われます。通知は、アラートが出たサイト、毎日にレポートと2種類のメールの受け取りを設定可能です。
なお、メール転送にSMTPサーバーが用意できない場合、Nutanixが「nsc01.nutanix.net 」「nsc02.nutanix.net」の2つのホストに対して「80/TCP」「8443/TCP」の2つのポートへのアクセスができれば、メール通知を行うことが可能です。なお、この2つのポートはどうやらSSHで通信を行っているようです。

アラートの通知に関しては、細かく設定することが可能です。


リモートサポート機能

サポートとのやり取りが必要になる場合、従来ですとログの収集と大量のログファイルの送信や、その後のやり取りと作業、またログの送付といった感じで、1つの障害に対してサポートとのやり取りが頻発するケースがほとんどでした。
Nutanixは、リモートサポート機能がありNutanixがインターネットに接続されている場合、Nutanixのサポートチームが直接Nutanixに接続し、ログの収集や障害の修復を直接行ってくれる機能があります。
この場合も、Nutanixが、なお、メール転送にSMTPサーバーが用意できない場合、Nutanixが「nsc01.nutanix.net」「nsc02.nutanix.net」の2つのホストに対して「80/TCP」「8443/TCP」の2つのポートへのアクセスができる必要があります。

▼リモートサポートの設定画面

このリモートサポートはデフォルトで無効になっており、有効にする場合は、何時間もしくは何分という設定があり、その設定された時間の間だけ、NutanixサポートにSSHトンネルをはる仕組みになっています。
そのため、常にNutanixサポートにトンネルが張られているわけではありませんので、セキュリティ的な側面でも心配する必要はありません。
実際に利用する場合は、サポートにケースオープン(サポート依頼)後、サポートの方と相談の上有効にすればよいでしょう。

Nutanixがインターネットに接続できない場合は、上記のリモートサポートを利用することができません。しかしその場合は、NutanixのPrismへのアクセスとSSHへのアクセスができる端末を用意し、その端末をインターネットに接続することで、ニュータニックスのサポートチームから払い出されるWebEXのリモート操作機能を利用してメンテナンスを行うことも可能です。
これですとサポートエンジニアが行っている操作もすべて、PCを通して確認することもできますので、サポートに見えないところで触られるのは怖いというイメージをお持ちの方も安心できます。

Nutanixのリモートサポートは、スキルの高いサポートエンジニアが直接問題解決を行ってくれるので、障害が発生した際に、迅速かつ確実に元の状態に戻してくれる大変有益なサポートであると思います。
このサポートは、Nutanixの保守契約を結んでいれば、特別な費用なく利用できるところは、Nutanixの魅力の1つだと思います。

もっと詳細に知りたい場合、以下のドキュメントを参考にしてください。

リモートサポート
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Web-Console-Guide-Prism-v51:wc-support-enable-wc-t.html

アラートメール設定
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Web-Console-Guide-Prism-v51:wc-alert-email-enable-wc-t.html









Nutanixにかんするウワサを検証その2

Nutanixにまつわるウワサを5つほど紹介をしてきましたが、今回さらに5つの噂の紹介とのその回答をご紹介します。

ウワサ1
Nutanixのサポートはすべて英語で、日本語での受付ができないので、一般のユーザーが取り合え使える代物ではない。

真相
ウソ

この情報はしばしば耳にすることがありますが、これは2017年現在、間違いですね。
Nutanixには、日本にニュータニックス・ジャパン合同会社という日本法人を設立しており、日本人がNutanixのサポートを直接受けてくれます
日本語での電話サポートもありますし、サポートポータルからWebベースでのケースオープンも可能です。もちろんWebでのケースオープンも日本語(2バイト文字)での記入が可能です。
また、ニュータニックスのサポートは、自社で行っており、委託をせず高いスキルを持ったエンジニアが直接対応をしてくれます。一般的なサーバーメーカーの場合、受付の人がスキルを持たない状態でマニュアルに沿った回答しかしないケースもありますが、ニュータニックスのサポートにおいてそのようなことはありませんし、ニュータニックスはワールドワイドでサポート体制にはかなり力を入れています。
その証拠として、先日の.NEXTでは、出荷数が増えているにもかかわらずサポートに対する満足度も上がっているという結果が発表されています。

▼出荷数とサポートの満足度の情報

▼NPSのスコアは、Webで見ることも可能です。
https://npsbenchmarks.com/companies/nutanix

ちなみに、NPSとは、ネットプロモータースコアの略で、企業に対する価値(ブランドや信頼)を数値化する指標だそうです。
92点という驚異的な高得点が出ていることがわかります。



ウワサ2
NutanixのCVM間の通信はかなり高負荷になるので、接続するスイッチはJumbo Frameに対応していることが必須である。

真相
ウソ

これも全くのウソです。NutanixのCVM間の通信は非常に効率の良い通信が行われており、MTUサイズは通常の1500で動作しています。また、JumboFrame(MTU9000)で動作せることも可能ですが、MTUサイズは1500で十分なパフォーマンスが得られるように設計されています



ウワサ3
Nutanixは、データーローカリティで仮想マシンが存在するホストのディスクにデーターを書き込むので、仮想マシンがライブマイグレーション(vMotion)すると、すべてのストレージデーターが移動するので、ネットワークが高負荷になる。

真相
ウソ

この話も、Nutanixを敵視しているメーカーからよく出てくる根も葉もない話です。
まず、Nutanixのデーターは、ファイルベースではなくストレージのブロックベースで管理されています。この概念を理解されていないことが、この誤解を生む話になると思われます。
Nutanixは、データーローカリティという概念で、仮想マシンが存在するホストのローカルディスクにデーターを書き込むことで、データーの読み込みは、ネットワークを解さずディスクのローカルバスだけで通信をすることで、高速なリードかつネットワークに負荷をかけないという工夫されたつくりになっています。
この場合、仮想マシンがライブマイグレーションした場合どのようになるかという話ですが、仮想マシンが移動した場合、データーはRF2もしくはRF3で構成されているため、仮想マシンの移行先に複製されたデーターがある場合は、そのデーターをローカルバスを使って直接アクセスを行います。もし、ローカルディスクにデーターがない場合、ネットワークを介してデーターが存在するホストからデーターを取得することになります。
ただ、ここでミソなのは、この動作は仮想マシンがなんらかのデーターを読み込もうとした場合、そのデーターのブロックだけを他のホストからデーターを取得するという動作です。仮想ディスク(VMDK)のファイルすべてを持ってくるわけではなく、必要なデーターブロックだけを持ってくることと、一度他ホストから取得したデーターは、それ以後、仮想マシンが稼働するホストのローカルSSDにデーターをキャッシュする仕組みになっています。そのため同じデーターの2度目以降のアクセスはローカルディスクからのアクセスとなるため、ネットワークを介さず読み込むことになります。
そのため、仮想マシンがライブマイグレーションしても、必要なデーターだけが必要なタイミングで読み込まれえるため、ネットワークに大きな負荷を与えることはありません。



ウワサ4
Nutanixのハードウェアは、故障率が高い。

真相
個人の感覚によるが、ウソに近い

まず、Nutanix純正は、ご指摘の通りスーパーマイクロ製です。これは確かに事実です。
次に故障率が高いかどうかという話ですが、スーパーマイクロのハードウェアは、様々なストレージやアプライアンスメーカーの筐体として、かなり多くのメーカーで採用されています。その実績と信頼があるメーカーですので、壊れやすいかどうかというと、個人的な感覚としては、壊れやすいという印象はありません。
※スーパーマイクロの製品が壊れやすいというのであれば、スーパーマイクロを利用している様々なアプライアンスメーカーの製品すべてに言えることになり、Nutanixだけの問題ではないことも重要です。

ただ、機械ものですので壊れないということは、ありえないと思います。
Nutanixのコンセプトは、ハードウェアに依存しないというところにあります。
またNutanixは、壊れても大丈夫という思想で設計がなされています。壊れないハードウェアは世の中に存在しないわけですから、壊れても、フェールオーバーして稼働を続ける機能を標準で有しているということをしっかり認識しておく必要があります。

また、Nutanixは、OEMとしてDellのXCシリーズ、LenovoのHXシリーズがあり、IAサーバーメーカーのハードウェアを利用したものでNutanixを利用することもできます。また、HPE ProLiantやCisco UCS、IBM PowerでもNutanixを利用することができます。
もしスーパーマイクロのサーバー製品に信用ができない場合は、このようなOEMや対応サーバーメーカーの製品を選択することも可能です。


ウワサ5
Nutanixは、Cisco UCSやHPE ProLiantなど、ソフトだけの提供を強めており、近い将来、純正のNXシリーズは、販売をやめる。

真相
ウソ

これは、明確にウソといえます。その理由は、.NEXT2017にて、NutanixのCEOである、ディラージ・パンディ氏に実際にこの内容を質問した方がおり、回答として以下のような話をディラージ自身が回答しています。

「会社の売り上げの構成比率は、現在と異なり、ソフトウェアの割合が大きくなる可能性はあるが、自社のハードウェアとしてNXシリーズを出し続ける。それは、Nutanixが一番ハードウェアに近いソフトウェアを提供する以上、一番革新的で挑戦的な機能を実装するためには、ハードウェアとの融合が非常に重要であり、それは常にNXシリーズからリリースされる。」(要約)

Nutanixのソフトウェアは、ハードウェアの制御など、たしかにハードウェアに一番近いソフトウェアであるというのは納得できます。
各ハードメーカーの独自の仕様をサポートしつつも、一番シンプルなスーパーマイクロのハードウェアを利用し、様々なNutanixの革新的な機能に必要なハードウェアパーツを付けた形モデルを出すことで、各社のIAサーバーではできないことを、NXシリーズで実現していくということだと思われます。


さて、今回も5つの噂について、解説をしてみました。
Nutanixは、怪しいとか、へんな製品とか思っている人に時々お会いしますが、これはそういった根も葉もないうわさが原因なのかもしれません。
Nutanixについて、こんなうわさを聞いたという方がもしあれば、是非教えてください。





2017年7月4日火曜日

.NEXT 2017 開催、たくさんの「New」が発表されました(その2)

.NEXT 2017で発表された「New」な内容をご紹介しています。
Newがかなり多いので、後半戦はこちらのページで紹介します。

1Node and 2Node ソリューション
Nutanixは、cassandraとzookeeperを利用しているため、基本最小ノードが奇数である必要があり、冗長性を考え3台が最小台数と定められています。しかし今回、1ノードはわかりますが、2ノードソリューションというSMBな市場にはかなり嬉しい発表がありました。1ノードソリューションは、すでに発売が見えているような感じでしたが、2ノードでの稼働はちょっと謎ですが、すごく期待のできる発表です。

OneClick Operation from PRISM
これは、PRISM Centralの展開がワンクリックできるようになったことを示しています。従来は、VAの展開やPRISM Central用のクラスターを手動で作成するなどかなり面倒な処理があったのですが、この辺もすべてマウス操作だけでできるようになりました。
(個人的にはかなり歓迎すべき機能だと思います)


On Demand Scale Out, 1:1000s of VMs
これは、PRISM PROの簡易にデプロイとスケールアウトを意味しているようにに思います。PRISM PROは今までCluster作成などのかなりCLIを利用した面倒な構築作業が必要でしたが、AOS5.1からは1クリックでの展開ができるようになっています。Prism Centralが従来1台のVAでのみ稼働できる仕様だったものが、クラスターメンバーとして複数のPrism CentralのVAを束ねてより多くの仮想マシンの管理や冗長構成が組めるようになったことも特徴的な点です。
また、1台のPrism Pro VAで1000台のVMが管理可能であると発表されました。


One Click Network
これは、ネットワークの可視化を示しています。AOS5.0から、LLDPとSNMPを使ったスイッチポートの情報やトラフィック情報をPRISMの画面から表示し、状態を見ることができます。


Automatic Action on the cluster clean up and dead VM
従来のプライベートクラウドでは、オートメーションデプロイは可能であっても、負荷分量に応じたオートスケールを実現するのは困難でした。
それが、オンプミスのNutanixで実現できるという、すごく魅力的な話です。

Nutanix Calm
まさに、このオートスケールを、クラウド、オンプレの隔てなく行えるのが、このnew calmなのです!
Prismにインテグレードされた形で、登場しました。あのcalmの操作性はそのままに、Prism内でシームレスに操作できるのは非常に魅力的です。



One Click Controll Panel
これは、Carmの画面が、Prismに取り込まれ、Prism Centralから直接操作できることを表しています。

Dynamic Alerting
これは、よくわからないのですが、動的になんらかのアラートが表示されるという意味なのでしょうか...。
2017/7/6更新
これは、Prism Centralで搭載された監視機能をさらに強化し、機械学習によって動的な閾値を設定してくれる機能とのことです。
確かにスライドの絵を見ると、グラフの点線が従来の固定閾値から動的な閾値に変わっているのがわかります。
@shmzaさん、情報ありがとうございます!




One Click Hybrid Network
これは、クラウドとオンプレを1つのネットワークとして扱うということのようですが、どうやって実装されるのかは、全くもって謎です...。
2017/7/6追記
このネットワーク延伸は、マークが見えている通り、サードパーティー(aviatrix)の力を借りて実現するようです。


1Click MicroSegmentation
これは、NSXでもおなじみのマイクロセグメンテーションです。ついにNutanix上にも実装されるようです。


Xi(ザイ)
これは、Nutanixが提供するクラウドサービスです。
Nutanixと連携して、シームレスなDRサービスを提供します。あくまでもIaaSではなく、NutanixのDR先の1つとして選択できるだけであり、メインのNutanixありきのサービスです。
言うなれば、このサービスはiPhoneにおけるiCloudのようなサービスの位置付けです。
iPhoneを買えば、iCloudをつかったクラウドの利便性を享受できます。ただ、主役はあくまでもiPhoneであり、iCloudは独立した一つのサービスではないということです。


Xiは、IaaSサービスではなくあくまでも既存のNutanixユーザーにDRの選択肢を与える一つに過ぎた無いことを、iCloudを例に紹介。


たくさんの Newがでてきましたので、わかる範囲ですが、簡単にまとめてみました。

Nutanixは、進化を続ける企業で有り、HCIの基本である小さくくはじめて大きく伸ばす小さいところと大きいところに対してきちんとアプローチ手法を出してきた内容であったかと思います。ただのHCIという言葉だけではなく、できあがった基盤にもNutanixは最適であると同時にNutanixをこれから入れる最初に一歩にもNutanixが最適な解であることを証明できた内容であったかと思います。




.NEXT 2017 開催、たくさんの「New」が発表されました(その1)

現地時間6/28日から、アメリカワシントンD.C.において、Nutanix主催のイベント「.NEXT 2017」が開催されました。
3日間に渡るイベントで、NutanixのこれからやNutanixの新機能などが一堂に発表されるまさにNutanixだらけのお祭りカンファレンスです。
今回は、この.NEXTで発表されたNutanixの「New」な機能を紹介していきます。

GCP対応
これは大きな発表でした。NutanixはすでにAWSやAzureとの連携機能を提供していますが、そのレベルの話ではなく、Nutanix上でTensorFlowをどうさせたりとかなり深い提携事項が発表されました。


HPE on Nutanix
ついに、DL380 G9で、Nutanixが動作するということが発表されました。
以前からHPE on Nutanixは、声明はすでに出ていましたが、ついに現実的にモデル情報なども出てきました。

1Click ESXi→AHV Migration (VM Xtract)
これは、なんなんでしょうね。
以前から、NutanixクラスターのESXiからAHVへのマイグレーションは、1クリックで可能でした。 VM Extractという機能が発表されていますので、Nutanix以外の外部のESXi基盤の仮想マシンをAHVに取り込む機能のかもしれません。

1Click DB Migration (DB Xtract)
これは、以前にSQL Server MobilityといわれていたSQL Serverのマイグレーションツールです。SQL ServerのDBをほぼ無停止(完全無停止ではない)で、DB内容を移行できるツールです。(Nutanixは、プラットフォームだけではなくこういった上物のアプリケーションプラットフォームも動かすツールをリリースするのはさすがソフトウェアの会社だと思います)

Encrypt natively and manage keys locally
いままで、Nutanixにおけるディスクの暗号化は、証明書サーバーやKMSサーバーの準備など複雑なコンポーネントが必要でした。しかし、次のバージョンではローカルでのデーター暗号化機能が付与されるようです。


NX-9030リリース
今まで9000シリーズはオールフラッシュモデルとして存在しておりましたが2016年の夏に1000シリーズや3000シリーズなどすべてのモデルでAllFlashモデルが発売になったため、9000シリーズは終息となりました。しかし今回、NVMeの搭載や40Gネットワークを搭載したハイエンド機として、NX-9030シリーズが発売されるようです。


AHV Turboモード
こちらは、AHVにおけるqemuのIOを部分を改良した(切り離した)機能となります。これにより、AHVにおけるIOが爆速になったことが発表されています。



1Click DataProtection (1RPO)
これは、Nutanixのスナップショット機能が、従来1時間に1回だったのが、1分単位でスナップショットの取得が可能になったというかなり画期的な機能追加です

▼実際に1時間未満のバックアップデモが行われた

▼15秒おきのバックアップができている



BOSH-CPI対応
VMwareが開発し、現在はCloud Foundry Foundationからリリースされている分散構成管理ツールに対応


TensorFlow対応
Googleが出している機械学習エンジンであるTensorFlowにネイティブに対応するようです。また、vGPUの演算モードでの動作もサポートされることが発表されました。


ACS(Acropollis Container Service)
これは、AOS5.1でリリースされた、コンテナサービスの強化を意味していると思われます。Prism画面から直接コンテナの展開や永続ストレージの割り当てが可能になります。

AFS(Acropollis File Service)、NFSサポート
個人的にはこれを待っていました。AFSとは、Nutanixのストージを大きなファイルサーバーにしてしまう機能です。従来CIFS(SMB)のみの対応でしたが、ついにNFSがサポートされることになります。

IBM Power サポート
これも大きい発表でした。以前よりニュースリリースされていましたが、IBMのUnix機であるPowerでNutanixを動作させることが可能となりました。ハイパーバイザーはAHVのみとなりますが、Unixの安定性と高度なCPUを利用してNutanixのスケーラブルかつシンプルな管理を体験できるのは大変大きなことであり、ユーザーの選択の自由を増すと思います。



Enterprise Cloud and Cognative Workload
これは、SplunkやDBなどの各種ワークロードが動作できると言っているようですが、詳細は謎です。ただ、Nutanixは、クリティカルなワークロードにおいてもベストなパフォーマンスを出せることが事実で有り、より複雑なワークロードを認識しつつ最適なパフォーマンスを与えていくと言うことのように思われます。


まだまだNewはありますが、後半に続きます...。




2017年6月3日土曜日

Xpress(SX)モデルの紹介

Nutanixには、小規模向けのモデルとしてXpressモデルがあります。
Xpressモデルは、Nutanixのアーキテクチャーはそのままに、一部の制約を入れることで、Nutanixをより手軽に使っていただける製品です。

まずは、モデルの概要から紹介します。

2U4ノードはそのままに、Nutanixのソフトウェアが、Xpress Editionといわれる、従来のNXシリーズと異なるソフトウェアが提供されます。また、保守が24時間365日オンサイト保守である「Mission Critical」保守が提供されず、Productionサポート(平日サポート)とXpress SupportといわれるXpressモデル専用の保守が提供されます。ただし、Xpressサポートは日本では提供されず、Productionサポートのみが提供されることとなります。

保守についても一応確認しておきましょう

CategoryXpress ※2ProductionMission Critical
サポート受付時間7x24 ※17x24 ※17x24
パーツ交換時間
(故障箇所特定後)
翌営業日翌営業日4時間以内
レスポンスタイム4時間以内2時間以内1時間以内
連絡対応者制限
(情シス担当者から連絡を
受ける際の担当者の制限)
4人無制限無制限
部品交換時の作業顧客交換保守に付随保守に付随
電話サポート可能可能可能
※1 ただし、Xpress/Productionのサポート受付は、夜間・祝日・休日などの営業時間外は英語での対応
※2 Xpressサポートは、日本では提供されていません。

SXには、購入できる企業に制限があります。
●500人以下の従業員規模の会社であること
●年間売上高110億円($100M)未満であること($1=110円と計算)

そのほかに以下のような制限があります。
●1社2クラスターまで(1クラスター4ノードで2ブロックまで)
●HDDとSSDのハイブリッドモデルのみの提供
 (AllFlashモデルは未提供)

1つめの1クラスター4ノードというのは、Nutanixのメリットである無限に拡張できるという良さがなくなっている感はありますが、中小規模の顧客の場合、集約率が高いNutanixの場合、4ノードもあれば十分なケースも多々あります。
2クラスターまでと言うのは、例えば本社にメインクラスターを置き、支社にもう1台Nutanixを置いて、DRを行う場合などに利用できます。

機能的な制約としては以下の点が上げられます。
×複数サイトのDR構成不可(1対1は可能)
×SXモデルとNXモデルの混在クラスター(ヘトロジニアスクラスター)
×5台以上のノード構成でのクラスター
×RF3
×ブロックアウェアネス
×イレイジャーコーディング
×PRISM PRO

1クラスター4ノードまでですので、ブロックアウェアネスのように最大3シャーシ(ブロック)が必要な機能は利用不可ですね。またRF3も5ノード以上が必要になるので利用できません。


逆に利用できる機能は
圧縮・重複排除
複数世代のストレージスナップショット
AWS/Azuereへのネイティブバックアップ
マルチハイパーバイザー(AHV/ESXi/Hyper-V)
メトロ アベイラビリティ
シングルサイトDR

とくにクラウドバックアップなどは、中小企業では欲しい機能ですが、Xpressモデルであれば、最初から利用することができます。(通常のNXモデルでは、PROライセンス以上が必要となります)
このあたりは、Xpressモデルのお得感が出ています。

もちろんXpressモデルのスペックは、自由の構成することができます。
CPUやメモリー、SSD/HDDも自由にカスタマイズすることができますので、自社にあった基盤を手に入れることが可能です。

このXpressモデルは、SMB市場に向けたもので、ROBO用ではないというのがポイントです。SMBというのは、Small Business / Medium Businessの略で中小企業のことを指します。一方、ROBOは、Remote Office /Branch Officeの略で、本社に対しての拠点(支店)という扱いになります。
このSXモデルは、購入できる企業の売り上げ規模に制限がありますが、これは、大企業の支店に設置するモデルではなく、明確に中小企業で利用されることを目的とした製品だからです。







Nutanixにかんするウワサを検証その1

Nutanixは、ハイパーコンバージドの先駆けですが、Nutanixに関する様々ウワサを耳にすることがあります。
そのウワサが本当がそれとも間違いなのかを見ていきましょう。


ウワサ1
Nutanixは、2U4ノードの4台ずつのセットでしか買えない。4の倍数になってしまうので、無駄な投資が発生する。

真相
ウソ

これはあるある勘違いですね。Nutanix純正モデルは、2U4ノードのモデルであっても、1ノードずつ購入することができます。ブレードサーバーのようにシャーシを購入し、そこの1ノードずつ足していくことができます。では、5ノードめを購入する場合はというと、シャーシに1ノードだけ搭載されたものを購入できるので、不要なノード分までを購入する必要はありません。まさに、クラウドのようなPay as you goの形で必要なリソース分だけを手配(投資)する形になります。
また、1U1ノードや2U1ノードのモデルもありますので、2U4ノードにこだわらず、環境にあったモデルを選択することができます。DELLやLenovoのOEMモデルでの2U4ノードモデルでは、4ノードセットでないと手配できないモデルがありますので、こちらは注意が必要です。


ウワサ2
Nutanixは、200Vが必須なので、古い建物などでは200Vが引けないので利用することができない。また電源が非冗長なので、PSUが壊れたら、全ノードが落ちる。

真相
ウソ

これも、明確なウソですね。Nutanixは100Vで運用可能です。
ただし100V電源で2U4ノードのモデルを利用した場合、4ノードのサーバーをすべてパワーオンすると、PSU(パワーサプライユニットつまり電源)の供給能力的に非冗長な状態となり、どちらかのPSUが故障するとノードの電源供給が滞る可能性があります。200Vの場合は1つのPSUで4ノードの電源をカバーできますので、4ノードをすべて電源を投入しても電源が非冗長になることはありません。
では、100Vにおいて電源非冗長にしない構成はできるのでしょうか。
これには2つの手法があります。
1つめは、2U4ノードモデルの場合、1シャーシに2ノードを搭載し、シャーシを分けることで、100V電源でも電源冗長化された状態で運用することができます。
2つめは、NX-3175-G5などの1U1ノードモデル、NX6035-G5などの2U2ノードモデルを採用すると、100V電源でも冗長化された状態で運用可能です。
ただ、古い建物であっても200Vの電源を引くことはそんなに難しいことではありません。ビルの管理会社または電気工事会社に相談をすれば、簡単に工事してもらえるケースがほとんどです。


ウワサ3
1度Nutanixを買うと、ノード拡張が簡単にできるといっているが、同一モデルの同一スペックを買わないといけないが、intelのCPUで新しいモデルが出ると、旧モデルは、製造終了されるので事実上、数年たった後のノード追加は不可能。

真相
ウソ

これも、間違いです。まず、Nutanixの良さは、異機種混合が可能というところです。
例えば、NX-1065-G4の4ノードモデルを購入後、2年後にノード追加の必要が出た場合、NX-1065-G5を1ノード購入し、既存のNutanixクラスターに追加することができます。
ノード追加ができないケースとしては、2015年にNX-1065-G4を3ノード購入し、2年後に1065-G4の追加ノードとして、1065-G4を1ノードだけ手配しようとしても、1065-G4モデルは製造終了しているため、この場合は、1065-G5のシャーシと1065G5のノードを1ノードだけ手配する必要があります。
ブレードサーバーと違い、シャーシは、モデルと世代ごとに変わるため、1シャーシの中に異機種混合はできないということになります。
同一モデルであれば、シャーシ内でスペックを違うノードをシャーシ入れることは可能です。1ノードはメモリーが256GBで、あとノードは512GBで構成ということも可能です。


ウワサ4
Nutanixは、3ノードからしか購入できないので、小規模環境には不向きだ。他社のHCI製品は2ノードからスタートできるのでそちらの方が小規模に適している。

真相
ウソ

Nutanixは、3ノードからのスタートであることには違いがありません。
これは、分散型ストレージである以上、多数決の原理によりクラスターの状態を把握するためです。では、他社のHCIはどうかというと、2ノードで構成できる製品の場合、クォーラム用ノードやWitnessノードなど、HCIの筐体と別に監視用のサーバーが必要なケースがありますので、結果3台のサーバーが必要になってしまうことがあります。(分散ストレージである以上、スプリッドブレインになった際には、多数決がとれることが必要になるからです)こうなると結果3ノードになってしまいます。管理サーバーとして1台のサーバーを用意するよりも3台のリソースを活用する方が、有効的だと思います。
また、Nutanixには、小規模向けとしてXpressモデル(SXシリーズ)が提供されています。こちらは、購入には条件がありますが、条件を満たせれば非常に安価に購入できます。Nutanixは、小規模のには向かないというのは間違いです。

小規模向けお買い得モデルの青い筐体、Xpress(SX)


ウワサ5
Nutanix上でVMware vSphere(ESXi)を利用する場合、ストレージ機能はvSANを利用している。

真相
ウソ

これは真っ赤なウソですね。正直どこからこういう話しになったのかがわからないぐらい不思議なのですが...。
Nutanixは、Nutanixが開発したファイルシステムやストレージアーキテクチャーを、vSphere(ESXi)、Hyper-V、AHV、Xen Serverで提供しています。ハイパーバイザーごとにストレージ機能のアーキテクチャーが変わることはありません。


さて、今回は5つのウワサを検証してみました。
どれもウソという結果になりましたが、Nutanixに関するホントのウワサも募集していますので、え、ホント?と思うようなNutanixの噂を聞いたら是非教えてください。




2017年5月27日土曜日

Windows Server 2008(32bit版)を仮想マシンとしてAHVにインストールする その2

さて、OSのインストールも無事におわり、なんだSCSIドライバーだけ入れればよいのかと思われた方も多いかと思います。
第一の壁は確かにそうなのですが、第2の壁があります...。
それは、NICドライバーです。

実際の画面を見ると、イーサネットコントローラーが見えていないことがわかります。

いつものように、Nutanixから提供されるVirtIOドライバーから、Windows Server 2008 R2フォルダは以下のx86を選択し、ドライバーをインストールしてみます。


ドライバーの検証でメッセージが表示されますが、インストールを継続します。

しかし、実際にはドライバーのインストールに失敗してしまいます。


そもそも、Windows Server 2008は、Windows Vistaベースで作成されており、VirtIO Driverで提供されているドライバーであるWindows Server 2008 R2 x86は、おそらくWindows 7の32bit版をベースに作成されているのだと思われます。
そのため、OSが提供されているドライバーよりも古いのでうまく動作しない可能性が高いと思われます。

仮想マシンでNICがないとなると、実際の話使い物にならないので、なんとかしてNICドライバーを用意しなければなりません。

ここで頼るのは、RedhatベースのVirtIOドライバーです。

Windows Virtio Drivers
https://fedoraproject.org/wiki/Windows_Virtio_Drivers

Fedoraプロジェクトから最新版のドライバーを取得します。

ダウンロードしたドライバーを、Image Serviceに登録します。


Image Serviceに登録後、Windows Server 2008に先ほどアップロードしたVirt IO Driverをマウントさせます。

マウント後、再度NICドライバーのインストールを行います。
参照先ですが、「NetKVM\2k8\x86」になります。

同じようにドライバーが未検証だといわれますが、インストールを継続します。


これで、めでたくNICドライバーのインストールが完了しました。


NICの名称にRedhatという名称がついていることがわかります。


あともう一つ不明なデバイスがあります。
こちらは、Baloon Driverをインストールすることで解消します。

VirtIOドライバーもFedoraから提供されたものを利用します。


また、同じようにドライバーの検証の確認が出ますが、継続してインストールを行います。


これで、baloonドライバーもインストールが完了です。
不明なデバイスもなくなりきれいな状態になりました。


さて、これでWindows Server 2008が利用できる状態になりましたが、残念ながらNutanix Guest Toolsはサポートしていないようでインストールができません。


そのため、静止点を確保したスナップショット取得などができない点は注意が必要です。