前回までに、Prism Centralの展開方法を紹介いたしました。
Prism Centralは、Portfolio 2.0ライセンスになってからは、
「無償」・「Starter」・「Pro」・「Ultimate」の4つのライセンス種別が用意されています。
Portfolio 2.0ライセンスでは、Nutanixクラスターに対するライセンス適用にて、Prism Centralが必須となったこともあり、Prism Centralは、有無を言わさず、かならず1つは展開をしないといけなくなった背景があります。
一方で、ライセンス管理をするだけには、膨大なメモリー消費量が気になるところで、どことなく(というか歴然として)腫物のような扱いになっているように感じます。
とはいえ、展開しないとライセンス適用ができないので、Prism Centralは、必ずといっていいほど存在していると思いますので、数回に分けて、無償で利用できる機能範囲で、Prism Centralの使える部分をご紹介したいと思います。
さて、その1回目として紹介するのが仮想マシン作成機能です。
仮想マシン作成は、Prism Elementで十分と思われているかもしれませんが、Prism Centralで仮想マシンを作成するメリットもあります。今日はそのメリットを中心にご紹介します。
まずは、Prism Centralの「Infrastructure」から「Compute」の中になる「VMs」を開きます。そこから、「Create VM」をクリックします。
まずは仮想マシンの基本情報を入力します。
仮想マシンの名称やvCPU/RAMなどの構成が行えます。この辺りは、Prism Elementでの構成とほとんど変わりがありません。複数クラスタ登録されている場合は、クラスタの選択ができたり、仮想マシンを作成する数を指定できる点が、Elementと異なる点となります。
その下にある「Advanced Settings」を見てみましょう。
ここでは、メモリーオーバーコミット設定とCPU互換の設定が可能です。メモリーオーバーコミットは、Prism Elementでは画面での設定ができませんので、acliコマンドレットを利用し、コマンドにてメモリーオーバーコミット設定をする必要がありましたが、Prism Centralでは、GUIで設定が可能です。
続いてリソースの設定です。
ここでは、仮想ディスクやCDROMドライブの設定を行います。この画面もPrism Elementとさして変わりはありませんが、デフォルトでUEFIにチェックが入っているなど細かい部分での違いがあります。(AOS 7.0系のPrism ElementもBoot ConfigurationもUEFIがデフォルトに変わっていますが)
違いがある点としては、Networksの部分です。Prism Elementでは、あらかじめ作成しておいたVLANのAccessポート(いわゆる仮想マシンから見るとアンタグ)設定しかできませんが、Prism Centralでは、仮想マシンに対してVLAN Trunk(いわゆるタグで複数ネットワークを仮想マシン自体に提供)することができます。こちらも、Prism Elementでは設定できず、acliコマンドレットでしか設定ができませんが、Prism CentralではGUIで設定が可能です。
Trunkで設定した場合、選択したVLANのアップリンクで流れている任意のVLANをカンマ切りで複数指定することができます。では、選択したVLANはどうなるのかというと、選択したVLANは、アンタグ(Native VLAN)として仮想マシンに対して流れる仕様となります。
さらに、SHield VM Security Settingsを見てみましょう。
ここでは、SecureBootやvTPMのアタッチができます。Windows 11のVDI環境を作る際には必須のオプションとなるかと思いますが、こちらもPrism Elementでは設定項目がなく、acliコマンドレットからの指定となるのですが、Prism Centralでは、GUI設定が可能です。
では最後にマネージメント項目を見てみます。
ここでは、AOS6.1以降でリリースされたストレージポリシーの有効化設定、カテゴリの指定がPrism Centralでしか設定できない項目となります。
また、仮想マシン自体のカスタマイズとして、Sysprep(Windows)及びcloud-init(Linux)のカスタマイズファイルを指定することができます。
あとは、レビューをして仮想マシンの作成で完了となります。
たかが仮想マシン作成オペレーション1つをとっても、Prism ElementとPrism Centralでは、設定できる項目に大きな違いがあることがわかります。
私自身もPrism Elementでの操作経験が長いことがあり、通常オペレーションをPrism Elementで操作しがちなのですが、Prism Centralだからこそ(伊達にメモリーバカ食いではない)定期的なバージョンアップによる機能実装部分がGUIに反映されています。
0 件のコメント:
コメントを投稿