前回は、マスターVMから仮想マシンテンプレートの作成と展開方法をご紹介しました。
正直なところ、もともとの仮想マシンをクローンするときの画面とほぼ変わらないので、ある意味とっつきやすかったかと思います。
では、この仮想マシンテンプレートですが、Windowsであれば定期的なアップデートや関連ソフトウェアのパッチ適用など、マスターに対する定期的なメンテナンスが必要になるかと思います。
vSphereの場合、テンプレートか普通の仮想マシンかは、拡張子が「.vmx」か「.vmtx」かで切り替えられているだけでしたが、Nutanix+AHV環境の場合、仮想マシン環境情報は、ファイルでは管理されていないので、ユーザー側で自由に切り替えることはできません。
その代わりに、テンプレートのメンテナンス機能が用意されています。
今回は、このメンテナンス機能を利用し、テンプレートに入れていたゲストOSのアップデートを行ってみましょう。
まずは、Prism Centralの「Templates」を開き、メンテナンスしたい仮想マシンをクリックします。詳細画面の「Actions」から「Update Guest OS」をクリックします。
ここでは、初めてテンプレート化したものしかないので、「Initial Version」しか選択できませんので、そのまま「proceed」で進めます。
次に、説明画面が表示されます。ここでは、メンテナンス完了までの流れが表示されます。要は、テンプレートから仮想マシンが展開され、その仮想マシンにメンテナンスを行います。メンテナンスが完了したら、完了処理を行うことで、メンテナンスされた新しいバージョンとしてテンプレートに保存される(今までのメンテナンス前のバージョンも履歴として残る)旨が表示されます。続けて「Proceed」をクリックします。
「Proceed」をクリックすると、メンテナンス用の仮想マシンが展開されます。展開された仮想マシン名が画面に表示されますので、その仮想マシン名をクリックし、仮想マシン一覧画面に移動し、パワーオンした後にコンソールを開きメンテナンスを行います。
ここでは、Windows Updateを行い、TeraTermをインストールし、マスターのメンテナンスを完了させます。
メンテナンスが終わった仮想マシンは、きちんとOSからシャットダウンしましょう。
再び、Prism CentralのTemplates画面から、メンテナンスが完了したテンプレートを選択し、「Action」から「Complete Guest Update」をクリックします。
もし、メンテナンスが必要なかった場合や、あまりないとは思いますが、テンプレートから展開されたメンテナンス用の仮想マシンを誤って削除した場合などは「Cancel Guest OS Update」をクリックしましょう。
続いてメンテナンスが終わった仮想マシンの名称やメモを入力する画面が表示されます。必要に応じてメモは入力を行ってください。
下側には、今回反映する変更を、ユーザーがすぐに使えるテンプレートとしてActiveにするかのチェックボックスがあります。その後テストなどを行い、リリースまで時間を必要とする場合は、「Yes, set this new version as active」のチェックは外しておきましょう。
必要事項を入力したら、「Complete Update」をクリックします。
反映されると、画面左の「Versions」を開いてみましょう。
最初にテンプレートに登録したものが、「Initial Version」として扱われ、メンテナンスを行いそれを反映させるたびに、このバージョンが増えていくという流れになります。
先ほどのウィザードで「Yes, set this new version as active」にチェックを入れると、そのバージョンが、テンプレートから展開されるバージョンとなりますので、もし、違うバージョンをテンプレートから展開できるようにしたい場合は、そのバージョンを選択し、「Set as Active」をクリックします。この画面から不要なバージョンの削除も可能です。例えば1年前のWindows Updateのメンテナンスされたテンプレートなどは誰も使わないと思いますのでそう言った場合は、不要なテンプレートとして削除が可能です。
これで、テンプレートのメンテナンスは完了です。
テンプレートの運用ですが、Windowsの場合、初めにSysprepをしていないバージョンのものを最初に登録し、その後Update OSで、Sysprepを実行しシャットダウンしたものを別のバージョンとして登録しActive化しておきましょう。
Windows Updateで新規パッチを適用する際は、Sysprepしていないバージョンをメンテナンス用として利用し、その仮想マシンにパッチなどを適用しSysprepしシャットダウンしたものを新しいバージョンとしてことで、メンテナンス時のSysprepの時間を短縮することも可能となります。
気を付けておくべき点としては、ユーザーからすると、テンプレートから展開する際にテンプレートのバージョンは選択できず、Activeになっているバージョンが自動的に展開される点です。いくらメンテナンスを行っても、そのバージョンを「Active」にしていなければ、実際にはテンプレート展開時に利用されませんので、注意してください。
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