HCIは、CPU、RAMを搭載するコンピュートとHDD、SSDなどの記憶領域であるストレージが一体となった製品です。
一方で、HCIは、CPUやRAMよりもストレージ領域だけを多く利用した環境の場合、ストレージ容量を満たすまで、CPUやRAMも買い足さなければならないため、コスト的に割高になると言われることがあります。
この言葉は、HCIの概念だけで言うと当てはまることかも知れませんが、Nutanixにおいては、この考え方は必ずしも当てはまりません。
その答えとして、Nutanixは、ストレージ容量だけを増やすストレージノードが存在します。他社のHCIの場合、ストレージヘビーノードとして大きなストレージ容量を提供できるノードが販売されていますが、Nutanixの場合は、ストレージ専用ノードとして動作し、仮想マシンが稼働しないホストを提供します。
しかし、ストレージ専用ノードと行っても、HCIである以上ハイパーバイザーも必要ですし、Nutanixの場合、CVMも必須コンポーネントになります。では、ストレージ専用のノードがどのようなメリットがあるのでしょうか。
下の図を見て頂くと分かるのですが、Nutanixのクラスターは、ストレージ専用ノードと仮想マシンが稼働する部分のハイパーバイザーを混在して構成することが出来ます。
▼1つのクラスターでハイパーバイザーの混在が可能
では、ハイパーバイザーが混在した環境の場合、ESXiで稼動している仮想マシンがAHVにvMotion出来るかというとこれはできません。この環境の場合、ストレージ専用ノードは、AHVがインストールされたノードになります。AHVが稼動するノードはCVMだけが仮想マシンが稼動し、Nutanixクラスター内でストレージ機能のみを提供します。このAHV上で仮想マシンが動作することはできません。
Nutanixは異機種・異世代混在が可能ですから、ESXiで稼動する部分には、高速なCPUや多くのメモリーを搭載し、ストレージ専用ノードは最小限のCPUとメモリーを搭載することで、ストレージにおけるエンクロージャーの追加のように低コストでストレージ容量だけを増やすことが出来ます。
また、ハイパーバイザーもAHVを利用するため、追加のハイパーバイザー費用は、かかりません。
HCIの悪いところを克服した、Nutanixのストレージノードは、従来「NX-6035C-G5」というストレージ専用ノードとして販売されていました。
現在では、ストレージ専用ノードは、Nutanixで販売されているどのノードでもストレージ線のようー度に設定することが出来ます。
Nutanixが提供するFoundationツールで、イメージングの際にストレージ専用ノードのチェックを入れてイメージングをすることで、任意のノードをストレージ専用ノードとして稼動させることが出来ます。
▼Foundation時に特定のノードをストレージ専用ノードに設定
ストレージ専用ノード時に設定するAHVのバージョンも指定可能(Foundation 4.5.1)
このストレージ専用ノードのチェックは、Foundation 4.0から搭載されました。
また、Foundation 4.5からは、ストレージ専用ノードに対してイメージングするAHVのバージョンを指定できるようになりました。(4.4までは、インストールするAOSに搭載されたAHVバージョンが自動的に展開されていました)
Nutanixは、ユーザーが便利に、もっと言えば、ITインフラを気にしなくて良い環境を提供することが理念です。そのためHCIによってデメリットが出てくる部分において、そのデメリットを解消する技をちゃんと用意しているところが、Nutanixの魅力的なところの1つだと思います。
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