2022年9月20日火曜日

仮想マシンテンプレートを更新する ~AOS6.5の機能紹介(その4)~

前回は、仮想マシンテンプレートを利用した、テンプレートの登録と展開という基本的な動作を確認しました。

実際の運用では、テンプレートで作成した仮想マシンも時間が立てば古くなるため、インストールしたソフトウェアのアップデートやOSのセキュリティパッチ適用が必要になると思います。

今回は、テンプレートのアップデート機能をご紹介いたします。

テンプレート画面から、更新したいテンプレートを選択し、「Update Guest OS」をクリックします。

どのバージョンを更新するかを選択します。初回テンプレート登録時は初期しかありませんので、「Initial Version」を選択し、「Proceed」をクリックます。


次に流れが表示されます。仮想マシンがデプロイされるのでその仮想マシンで、アップデート処理を行って頂き、アップデート後そのイメージを反映させます。


更新用仮想マシンが展開されます。展開が完了すると、メンテナンス用の仮想マシン名称が表示されます。このリンクをクリックすると、PrismCentralの仮想マシン管理画面にジャンプしますのでそのまま仮想マシンのメンテナスが可能です。

該当の仮想マシンをパワーオンしアップデートの作業を行います。
作業が完了したら、仮想マシンを終了します。


アップデート完了後、Prism Centralの画面から「Complete Guest OS Update」をクリックします。


続いて、新しいバージョンの名称や更新した内容を入力します。テンプレートをそのまますぐに反映させる場合は、「Yes, set this new version as active」をチェックを入れます。(今回は、このタイミングでは未チェックで更新します)
最後に、Complete Updateをクリックします。


次に、実際に利用するテンプレートのバージョンを切り替えます。
テンプレートをクリックし名をクリックし、バージョンを表示させます。


デフォルト展開のテンプレートを指定することができます。Configmをクリックすることで指定したテンプレートバージョンがActive化されデフォルトのテンプレートとして利用されます。

なお、古いバージョンのテンプレートも先ほどのバージョン一覧画面からチェックを入れれば展開が可能です。また利用しなくなったバージョンは削除することも可能です。
(Activeに設定されたバージョンは削除できません)


テンプレート機能でバージョン管理ができる点は、非常に便利だと思います。
また、内部的にはNutanixのストレージスナップショット機能を利用した差分データーブロック管理を行っているため、ストレージ容量が削減できる点も評価のポイントであると思います。



2022年9月19日月曜日

仮想マシンをテンプレート化する ~AOS6.5の機能紹介(その3)~

従来から、仮想マシンをテンプレート化する機能はありますか?とAHV環境のNutanixにおいてよく聞かれることがあります。

ImageServiceはありましたが、この機能がvSphereのテンプレート機能の補完になるとは正直言い難いところもあり、かつテンプレート機能はなくても、マスターVMをクローンすれば使えるという側面もあり、機能実装もなかなか優先度が上がっていなかったように感じますが、ついにPrismCentralにおいて仮想マシンのテンプレート機能が実装されました。

こちらもAOS6.5での実装という扱いになっていますが、実際には少し前のPrism Centralから利用可能となっております。

本日はこのテンプレート機能についてご紹介いたします。

テンプレート機能の制限は以下の通りです。

  • AHVクラスターのみが対象となります。(vSphere/Hyper-V仮想マシンは、Prism Centralからテンプレート管理できません)
  • テンプレートは、ソース VM から、「ホスト アフィニティ属性」「HA 優先度属性」「Nutanix ゲスト ツール (NGT) 」の属性をコピーしません。
  • RF1 コンテナー上にあるディスクを持つ VM から VM テンプレートを作成することはできません。

一方で普通のテンプレート機能にはめずらしい、テンプレートのバージョン管理機能を持っています。

まずは、新規でテンプレートを追加してみましょう。

まずは、PrismCentralからテンプレートにしたい仮想マシンを選択し、右クリックから「Create VM Template」をクリックします。

テンプレート化するにあったての設定が行えます。そのまま展開もできますが、Sysprepやcloudiitを使ったカスタマイズが可能です。(今回はカスタマイズなしとしてみます)
なぜか、Localeが、英語とフランス語しかないのはよくわかりません...。日本の場合は、Englishを選択すればよいかと思います。


「Allow users to override at VM Deployment?」は、一部のパラメーターをユーザーがテンプレートから展開する際に変更可能を許可するかの有効/無効パラメーターとなります。(今回は有効にしてみます)

次に進むとサマリーが表示されますので、確認して保存をクリックします。


手順はこれだけです。これでテンプレートは完了です。何も難しいことはありません。

このテンプレートはどこで管理されるのでしょうか?テンプレートのソースVMのRecoverPointを確認すると、テンプレート用の仮想マシンとしてスナップショットを取得していることがわかります。すなわち、テンプレートのイメージはソースクラスターのストレージ内で保存されていることがわかります。テンプレートはクラスターをまたいで展開ができるため、ソースVMが存在しない別クラスターで展開する場合は、イメージの転送が行われるため、その時間は考慮しておく必要があります。また、PrismCentralから該当のクラスターを登録から外すと不具合が発生すると思われますので、この点も注意が必要です。(あとからNutaixクラスターをPrism Centralから登録解除することは、まずないと思いますが)



では、テンプレートからのDeployも確認してみましょう。

テンプレート画面から、展開したテンプレートをチェックし、「Deploy」ボタンをクリックします。


展開ウィザードが開始されます。今回はAdvancedをクリックして詳細画面を見ていきましょう。


ここで、仮想マシンの展開する情報を入力します。仮想マシン名称から展開する台数や、仮想マシンのスペックも指定が可能です。
なお、展開するクラスターは、マスターVMが存在していたクラスター以外に、Prism Centralで管理しているクラスター内で展開可能です。

必要な情報を入力後、「次へ」をクリックします。

続いて、NICのネットワーク割り当てなどを確認します。BIOS/UEFIは、モード変更は、この画面ではできません。(おそらくできても意味がないと思います)

設定内容を確認後、次へをクリックします。

続いて、サマリーページが表示されますので、サマリーページを確認後Deployをクリックします。なお、サマリーページから再度設定パラメーターを変更することもできます。


これで、仮想マシンは展開されます。カスタマイズを設定していた場合、パワーオン時にカスタマイズスクリプトが実行される形となります。

動きを見れば大した話ではないのですが、これでテンプレートの管理及び展開は完了です。


ここまでは基本編でしたが、次回は、テンプレートの更新管理についてご紹介します。





2022年9月11日日曜日

イメージサービスへの仮想ディスク登録~AOS6.5の機能紹介(その2)~

従来からAHV上で、仮想マシンにマウントするISOイメージやテンプレート的に利用する仮想ディスクファイルを登録する、イメージサービス(現状のPrismの日本語だとイメージ設定と表記されています)

イメージサービスにISOやqcow2の仮想ディスクイメージを登録する場合は、PrismからHTTP経由でPUTするか、NFS経由でのPUTに対応しています。一方で既にNutanixのストレージコンテナ上に存在している仮想ディスクについては、acliコマンドを利用しないと登録が出来ませんでした。

このコマンドは従来紹介をしましたが、現在ではディスクのUUIDがわからなくても、仮想マシン名とディスク接続バスと接続ID(接続順)を指定することで登録が出来るようになっています。

image.create イメージ名称 image_type=kDiskImage  clone_from_vmdisk=vm:仮想マシン名:バスID(例scsi.0)

従来は、clone_from_vmdiskというパラメーターが無かったのですが、現在では子のパラメーターを利用することで、仮想ディスクのUUIDを探す必要が無くなりました。

しかし、とはいえコマンドでの作業というのはちょっと面倒なときもあります。

Prism Centralを利用すると現在では、仮想マシンの仮想ディスクをImageServiceに登録できるようになりました。

Prism Centralの「Compute & Storage」の「Images」を選択します。


Add Imagesから、イメージ登録画面に進み、「VM Disk」を選択します。

すると、仮想マシンの検索画面が表示されますので、ImageServiceに登録したい仮想マシンを選択し、仮想ディスクを選択し、右の「+」をクリックします。


続いて、イメージ名称を入力し、Nextをクリックします。


続いて、イメージの場所配置を決定します。

画面が壊れていますが、上側は、イメージ元が存在しているクラスターのみに登録をする場合、下側は、カテゴリーに属するクラスター全てにイメージをコピーする場合に利用します。

カテゴリーとImageServiceの管理については後日改めて詳細をお伝えしたいと思います。

このウィーザー度が終了すれば、イメージが登録されます。

マウス操作だけで出来るようになった点は1つの進歩であると思います。