2016年11月26日土曜日

Nutanixスナップショット機能の紹介(その1)

Nutanixには、高機能なストレージサービスをハイパーバイザーに提供します。
その中の1つが「スナップショット」機能です。

Nuatxniは、仮想化の基盤として利用されるものなので、ハイパーバイザーのスナップショットがあるじゃないかと思うかもしれません。
しかし、Nutanixの提供するスナップショットは、ストレージスナップショットで有り、ハイパーバイザーが提供するスナップショットとは少々仕組みが違います。

ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、スナップショットを取得した時点で、仮想ディスクファイル(vSphereであれば、VMDK)が、分割され、以降のVMDKに対して書き込まれるデーターは、差分の仮想ディスクファイルに書き込まれます。スナップショットを取得する前の仮想ディスクファイルは、読み取り専用となります。
サードパーティー製の仮想マシンバックアップソフトウェアでは、この機能を利用して、読み取り専用になったファイルをバックアップするというやり方をしているものもあります。

スナップショットを複数取得すると複数の差分ディスクが作成され、それらの差分ディスクはすべてチェーンのような形で繋がっています。
データーの読み書きには元の仮想ディスクから差分のディスクを順番にアクセスをしていくことになりますので、仮想マシンからのディスクI/Oスピードが低下します。

スナップショットの倫理的な構造

また、リスクとして複数のスナップショットをとっていた場合、中間に仮想ディスクファイルが破損したり、他のツール等でその仮想ディスクを直接データーを書き込んだりすると、それ以降の仮想ディスクとのチェーン構造が壊れるため、最新のデーターにアクセスできなくなるという恐れもあります。

vSphereにおけるスナップショットは、以下のKBが細かく解説されています。

(参考)VMware ESXi および ESX の仮想マシン スナップショットについて (1033239)
https://kb.vmware.com/kb/1033239

つまり、ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、一時的なリカバリポイントを作成することが目的であることを理解しておく必要があります。
まれに、ハイパーバイザーが提供するスナップショットをバックアップの代わりに利用している話しを耳にしますが、スナップショットはバックアップ機能として利用することはパフォーマンスや運用上よろしくありません。

また、vSphereでは、スナップショットにおいてベストプラクティスが記載されており、「1つのスナップショットを24時間から72時間にわたって使用しないでください」という記載があります。

(参考)vSphere 環境でスナップショットを使用するベスト プラクティス (1038295)
https://kb.vmware.com/kb/1038295



対してNutanixは、ストレージベースのスナップショット機能を提供します。
Nutanixのストレージは8Kのストレージブロックで構成されており、スナップショットをとった時点でそのスナップショットの対象となるストレージブロックは読み取り専用となります。

スナップショットをとる前の仮想マシン(仮想ディスク)とストレージブロック


スナップショット取得直後の状態



スナップショット取得後に、データーの上書き等でそのストレージブロックが変更される場合、そのストレージブロックは読み取り専用のため、変更されず、新しいストレージブロックに上書きされるデーターが保存され、仮想ディスクのストレージブロックの参照先が上書き後のストレージブロックに切り替わります。




ハイパーバイザーのスナップショットの場合は、ファイルで分割されていたものがストレージブロックで分割されるようなイメージになります。では、ファイルなのかストレージブロックの違いだけなのかというと、決定的な違いが1つあります。
それは、Nutanixが提供するストレージスナップショットは、チェーン構造な作りになっていないことです。

Nutanixのストレージスナップショットは、スナップショットを作成しその後データーの変更追加が発生した場合であっても、チェーン構造な1つずつ順番に掘り下げていくのではなく、横並びのストレージブロックの参照位置を変えるだけのため、ハイパーバイザーのスナップショットの特徴である、パフォーマンスの低下や、スナップショットによる中間仮想ディスクファイルの肥大化による破損等はおきることはありません。

つまりNutanixのスナップショットは、バックアップとしても利用することができるという点は、ユーザー側の視点に立っても大変便利であると思います。

これはいわゆる、ポイントインタイムコピーテクノロジーといわれるものです。

それなら、今までのストレージ装置にもあったじゃないかと思うかもしれませんが、Nutanixは、エンタープライズクラウドプラットフォームです。Nutanixは、仮想マシンのワークロードに最も適した基盤を提供するものですので、今までのストレージ装置のスナップショットと違う機能があります。

それは、Nuatxniは、仮想マシンを意識しているということです。

これについては、次回の投稿で説明をしたいと思います。






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