Xpressモデルは、Nutanixのアーキテクチャーはそのままに、一部の制約を入れることで、Nutanixをより手軽に使っていただける製品です。
まずは、モデルの概要から紹介します。
2U4ノードはそのままに、Nutanixのソフトウェアが、Xpress Editionといわれる、従来のNXシリーズと異なるソフトウェアが提供されます。また、保守が24時間365日オンサイト保守である「Mission Critical」保守が提供されず、Productionサポート(平日サポート)とXpress SupportといわれるXpressモデル専用の保守が提供されます。ただし、Xpressサポートは日本では提供されず、Productionサポートのみが提供されることとなります。
保守についても一応確認しておきましょう
Category | Xpress ※2 | Production | Mission Critical |
サポート受付時間 | 7x24 ※1 | 7x24 ※1 | 7x24 |
パーツ交換時間 (故障箇所特定後) | 翌営業日 | 翌営業日 | 4時間以内 |
レスポンスタイム | 4時間以内 | 2時間以内 | 1時間以内 |
連絡対応者制限 (情シス担当者から連絡を 受ける際の担当者の制限) | 4人 | 無制限 | 無制限 |
部品交換時の作業 | 顧客交換 | 保守に付随 | 保守に付随 |
電話サポート | 可能 | 可能 | 可能 |
※2 Xpressサポートは、日本では提供されていません。
SXには、購入できる企業に制限があります。
●500人以下の従業員規模の会社であること
●年間売上高110億円($100M)未満であること($1=110円と計算)
●年間売上高110億円($100M)未満であること($1=110円と計算)
そのほかに以下のような制限があります。
●1社2クラスターまで(1クラスター4ノードで2ブロックまで)
●HDDとSSDのハイブリッドモデルのみの提供
(AllFlashモデルは未提供)
●HDDとSSDのハイブリッドモデルのみの提供
(AllFlashモデルは未提供)
1つめの1クラスター4ノードというのは、Nutanixのメリットである無限に拡張できるという良さがなくなっている感はありますが、中小規模の顧客の場合、集約率が高いNutanixの場合、4ノードもあれば十分なケースも多々あります。
2クラスターまでと言うのは、例えば本社にメインクラスターを置き、支社にもう1台Nutanixを置いて、DRを行う場合などに利用できます。
機能的な制約としては以下の点が上げられます。
×複数サイトのDR構成不可(1対1は可能)
×SXモデルとNXモデルの混在クラスター(ヘトロジニアスクラスター)
×5台以上のノード構成でのクラスター
×RF3
×ブロックアウェアネス
×イレイジャーコーディング
×PRISM PRO
×SXモデルとNXモデルの混在クラスター(ヘトロジニアスクラスター)
×5台以上のノード構成でのクラスター
×RF3
×ブロックアウェアネス
×イレイジャーコーディング
×PRISM PRO
1クラスター4ノードまでですので、ブロックアウェアネスのように最大3シャーシ(ブロック)が必要な機能は利用不可ですね。またRF3も5ノード以上が必要になるので利用できません。
逆に利用できる機能は
○圧縮・重複排除
○複数世代のストレージスナップショット
○AWS/Azuereへのネイティブバックアップ
○マルチハイパーバイザー(AHV/ESXi/Hyper-V)
○メトロ アベイラビリティ
○シングルサイトDR
○複数世代のストレージスナップショット
○AWS/Azuereへのネイティブバックアップ
○マルチハイパーバイザー(AHV/ESXi/Hyper-V)
○メトロ アベイラビリティ
○シングルサイトDR
とくにクラウドバックアップなどは、中小企業では欲しい機能ですが、Xpressモデルであれば、最初から利用することができます。(通常のNXモデルでは、PROライセンス以上が必要となります)
このあたりは、Xpressモデルのお得感が出ています。
もちろんXpressモデルのスペックは、自由の構成することができます。
CPUやメモリー、SSD/HDDも自由にカスタマイズすることができますので、自社にあった基盤を手に入れることが可能です。
このXpressモデルは、SMB市場に向けたもので、ROBO用ではないというのがポイントです。SMBというのは、Small Business / Medium Businessの略で中小企業のことを指します。一方、ROBOは、Remote Office /Branch Officeの略で、本社に対しての拠点(支店)という扱いになります。
このSXモデルは、購入できる企業の売り上げ規模に制限がありますが、これは、大企業の支店に設置するモデルではなく、明確に中小企業で利用されることを目的とした製品だからです。