2022年8月27日土曜日

AHVホストのメンテナンスモードについて~AOS6.5の機能紹介(その1)~

NutanixでAHVの環境でもメンテナンスモード機能が存在しています。

このメンテナンスモードですが、従来acliコマンドでしか設定が出来ず、かつメンテナンスモードになっているかどうかを直接的にPrism画面から確認することが出来ず、acliでメンテナンスモードにしたまま気づかないということもあります。メンテナンスモードにしてもCVMは起動したままで、ストレージサービスは継続されます。あくまでもADSの機能などで仮想マシンがメンテナンスするホスト上で稼動できないようにする機能となります。そのため、余計に気づきにくいという側面があります...。

メンテナンスモードは、PrismのHardwareメニューの画面から行う事が出来ます。


Enter Maintenance Modeをクリックすると以下のようなメッセージが表示されメンテナンスモードに移行が可能です。


メンテナンスモードに移行中のホストは、ホスト部分でくるくるアイコンが表示されます。

当然ながら、メンテナンスモードに移行するホスト上で稼動していた仮想マシンは、ライブマイグレーションされます。RF1で構成された仮想マシンやアフィニティールールで他のホストに移行できない仮想マシンはシャットダウンされます。

その後、CVMが自動でシャットダウンされます。(この動作は、acliのメンテナンスモード時の処理と異なっています)


意図的にCVMだけを起動して状態を確認すると、Cluster Statusで確認すると、メンテナンスモードに設定したホストのCVMは、CVM自体もメンテナンスモードになっていることがわかります。

acliのメンテナンスモードでは、ホストのメンテナンスモードにしかなりませんが、Prismからのメンテナンスモードの場合は、ホストのメンテナンスモード、CVMのメンテナンスモード、そしてCVMがシャットダウンされる処理が一括して行われます。(ホストはシャットダウンされません)


CVMがシャットダウンされると、「Exit Maintenance Mode」ボタンがクリックできるようになります。

Exit Manurenance Modeをクリックすると、CVMが起動し、自動的にメンテナンスモードが解除されます。

メンテナンスモードを終了すると、CVMとホストのメンテナンスモードが終了され、自動的に仮想マシンが再配置されます。


なお、Redandancy Factorの構成に従って、N+2の場合であれば、1ノードを超えるホストのメンテナンスモードは行う事が出来ないようになっています。


では、acliでホストだけをメンテナンスモードにした場合は、Prism上ではどのように表示されるのかを見てみましょう。

まずは、acliでホストのメンテナンスモードを実行します。

acli host.enter_maintenance_mode 192.168.38.161 mode=live
EnterMaintenanceMode: complete

この場合、CVMは起動したかつ、CVMは、メンテナンスモードでは無く通常稼動していますが、Prism上ではメンテナンスモードになっていることがわかります。また、メンテナンスモードの終了もPrismから出来るようになっています。


ただ、ドキュメント上では、「You must exit the node from maintenance mode using the same method that you have used to put the node into maintenance mode. For example, if you used CLI to put the node into maintenance mode, you must use CLI to exit the node from maintenance mode. Similarly, if you used web console to put the node into maintenance mode, you must use the web console to exit the node from maintenance mode.」という記載があるので、これは機能上出来るけれども、正式なオペレーションとしては、メンテナンスモードに移行したオペレーションでメンテナンスモードを終了することが推奨されるようです。
実際に、この状態でExit Manitenance Modeをクリックするとなぜか、CVMがシャットダウンされた上で、エラーになってしまいました。このドキュメント通りこのオペレーションはサポートされていないようです。

(参考)Node Maintenance (AHV)






新しい長期サポートバージョンAOS6.5がリリース

AOSのLTS(長期サポート版)バージョン6.5がリリースされました。

今回は、長かったAOS5.Xから初めて6というメジャーバージョンが大きくアップデートしたバージョンとなります。

AOS6.5は、STS(短期サポート)でリリースされたAOS6.0からAOS 6.1.までの機能がまとまってリリースされたものとなりますので、新バージョンではありますがSTS時代にテスト・検証されたものが、長期サポートとしてリリースされることになりますので、パッチレベルが0であっても安定的したソフトウェアを提供するバージョンとなります。

では、まずどのような機能がリリースされたのかをAOSのバージョンごとにダイジェストで見ていきたいと思います。


DR機能

  • ダッシュボード監視とレポート
  • VStore 保護のための強化された NearSync レプリケーション スケジュール
  • 強化された非同期レプリケーション スケジュール
  • VSS スナップショット バックアップ タイプの変更
  • Leap 復旧ポイントを使用したインプレース エンティティ リストアのサポート
GPU

  • 仮想 GPU を備えた VM の ADS サポート
  • vGPU 対応 VM のライブ マイグレーション
ネットワーク

  • IGMP スヌーピング
  • AHV ホスト上のスイッチ ポート アナライザー
  • クラスタでの IPv6 の有効化
  • Virtual Private Cloud と Virtual Private Network をサポートする Flow Networking
  • Hyper-V でバックプレーン トラフィックを物理的に分離する
  • Flow を独立したサービスとしてアップグレードする機能
  • VPC トラフィックに基づくセパレート フロー ネットワーキングのサポート
  • ネットワーク セグメンテーションの機能強化

クラスター高可用性

  • リビルドの進捗状態表示
  • リビルド時の容量の予約
  • 高可用性のための強化された障害検出
  • ホストの交換後のネットワーク構成の復元のサポート

クラスター構成機能

  • ディスク単体を大容量ディスクへの交換をサポート
  • クラスタ拡張時のストレージ専用ノードのサポート
  • 強化されたクラスタ拡張機能
  • クラスタからの複数のノードの削除

ストレージ機能

  • ストレージ コンテナー: RF1でストレージコンテナーを構成可能
  • ごみ箱: ごみ箱によって使用される領域を解放
  • 1つの仮想ディスク構成時のパフォーマンスの向上
  • VMセントリックのストレージ ポリシー
  • ボリューム用の新しい CHAP アルゴリズムのサポート
  • ストレージ概要ウィジェットの容量レポート機能の強化
  • NVMeとOptane ティアリング


パッと見ただけでもたくさんの機能が追加されています。
とくにAOS6系では、1ノード障害時に対してアプローチが増えたりノード拡張やノードの取り外しの利便性が向上しております。


次回、ピックアップして機能を紹介したいと思いますが、今回は簡単に紹介できるPrism UIのダークモードについて紹介したいと思います。

昨今流行のダークモードがPrismにも搭載されました。
(まだTechPreviewの機能のようですが...)

設定は簡単です。Prismの設定からUI Settingで設定を行います。


OSのデフォルト設定を取得して自動判断するモードも搭載されています。
設定すると即座にダークモード表示に変わります。


どうも個人的には見慣れませんが...

ちなみに、Prism Centralもダークモードに設定することが出来ます。


普段の業務でPrismを凝視することはそこまで無い気がしますが、目に優しいダークモードでPrismを触ることが出来ます。なお、2048ゲームは、そのままです...