2024年7月6日土曜日

Nutanix CEにおけるinode問題の対応

2024年7月現在、Nutanix CEのインストーラーに含まれているAOSは、6.5.2となります。

このバージョンでは、inodeの枯渇によるクラスターサービスの稼動に影響を与える恐れがあります。

この事象、稼動させてすぐは起きず、しばらく経って(私の環境では、稼動させて1年程度経った後に事象が発生)から起きるため、すぐに事象が発生しませんが、しばらく経ってから起きる可能性があるため、注意が必要です。

3ノード以上でクラスターを作っている場合、1ノード障害に耐えることが出来ますが、検証用で1ノードクラスターを作成している場合、クラスターサービスが起動できなくなる事象が出る可能性もあります。

本事象は、NCCの「inode_usage_check」にて検出されますので、このチェック項目がWarningもしくはFailとして検出された場合は、速やかに対応が必要となります。

(参考)NCC Health Check: inode_usage_check
https://portal.nutanix.com/kb/1532


本事象は、AOS6.5.3以上にアップグレードすれば解決しますので、この事象を回避するため、これからCEを展開する方は、展開後に速やかにアップグレードをしていただくことをお勧めします。

既存でNutanix CEを利用していて、1ノードクラスターで構成している場合、アップグレードする前にこの事象が出てしまうと、AOS自体のアップグレードができない可能性もあります。

この事象が発生した場合、「/var/spool/postfix/maildrop」がinodeを消費している可能性があります。

まず、「/home/nutanix」の使用量が100%近くになっている可能性がありますので以下のコマンドで、空き容量も確認しておきます。

allssh 'df -i /'


さて、この事象を取り急ぎ対処するためには、以下のコマンドを実行します。

allssh 'sudo postsuper -d ALL maildrop'

これで、「/home/nutanix」ディレクトリの空き容量も増えるかと思いますし、クラスターサービスも「cluster start」で正常起動するはずです。


いずれにしてもAOSアップグレードを定期的に行っておけば特に心配する問題でもありませんので、定期的なアップグレードを行う事が大切かと思います。

また、Nutanixのアップグレードは、非常に簡単に行えるための機能が用意されていますので、難しいコマンドを利用することなくアップグレードが可能ですから、積極的なアップグレードを勧めします。




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