2016年12月11日日曜日

HyperVからAHVへの仮想マシン移行その2 VHD仮想ディスクでの移行方法

前回の投稿で、Hyoer-Vの仮想ディスク形式にVHDとVHDXの2種類があるというお話をしました。
では、実際に2008R2のHyper-V環境にある仮想マシンを、AHVに移行したいと思います。

まず今回の環境ですが、


AOS4.7.2
AHV20160217.2
Hyper-V2008R2
ゲストOS2008R2
世代第1世代

となります。

では、実際の手順を見ていきましょう。

まず、Hyper-Vで稼働している仮想マシン上で、行う作業が1つあります。
それは、Nutanix VM Mobilityを、仮想マシンにインストールしておく必要があります。

VM Mobilityは、Nutanixのサポートページからダウンロードすることができます。





ファイルは、MSIになっていますゲストOSで直接ダウンロードするか、ファイルサーバー等からアクセスする形でも構いません。
では早速インストールと行きたいところなのですが、実はその前に確認しておくことがあります。これは、SHA2の対応が必要で、WindowsのKB3033929が適用されている必要があります。

(参考)KB3033929
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/security/3033929.aspx?f=255&MSPPError=-2147217396

さて、パッチ3033929を適用後、改めてVM Mobiltyをインストールしましょう。


インストール自身は1~2分程度です。

途中でドライバーのインストールを聞かれますので、インストールをクリックします。






これだけの手順でインストールは完了です。


インストール完了後、特に再起動は必要ありません。
これから仮想マシンを移行しますので、この仮想マシンをシャットダウンしておきましょう。


では、Nutanix側でPRISMにログインし、Image Confugurationを開きます。


VHDファイルをアップロードしますので、Upload Imageを選択します。

アップロードに際して管理情報を入力します。
NAMEは、管理名を、ANNOTATIONは、説明事項になりますので入力が必要ない場合は空白でも構いません。
重要なのは、IMAGE TYPEです。ISOとDISKと選択肢がありますが、今回はVHDになりますので、「DISK」を選択する必要があります。
CONTAINERは、Nutanixで作成したストレージコンテナでVHDをどのコンテナに投入するかを選択します。
最後に、IMAGE SOURCEで、Upload a fileを選択し、今回の仮想マシンのVHDファイルを選択します。



VHDファイルがアップロードされ終わるまで待ちます。

アップロードが完了しました。しかし、画面上部のタスクを見ると、なにやら別のタスクが走っていることがわかります。


詳細を見てみると、Image Updateという処理が走っています。

これは、アップロードしたVHDファイルを、Nutanix側で扱うオブジェクトとして変換してくれています。同時にAHVで利用可能な仮想ディスクにしてくれます。

このタスクが完了したら、あとは仮想マシンを作成し、この仮想ディスクを割り当てるだけです。

メニューのVMから、Create VMをクリックします。


通常通り仮想マシンを作成します。仮想マシン構成情報は、Hyper-Vから移行されませんので必要に応じて、CPUやメモリーの割り当てを行う必要があります。

次に、ディスクを選択します。まずは、「Add new disk」をクリックします。

TYPEは、DISKを選択します。
OPERATIOnですが、今回はImage Serviceを利用してVHDをアップロードしましたので、「CLONE FROM IMAGE SERVICE」を選択します。
すると自動的に、Image Serviceに入っているものが出てきますので、該当するものを選択します。


BUS TYPEは、必要に応じてですが、今回はVM Mobilityをあらかじめインストールしておきましたので、SCSIドライバーもOS内にあらかじめ入っておりますので、SCSIを選択しましょう。
すべてのパラメーター入力が完了したら、Addをクリックします。

仮想ディスクが追加されたことを確認し、あとはAdd new NICで必要に応じてNICを追加し、SAVEをクリックし、仮想マシンを保存します。


作成した仮想マシンを実際にパワーオンして、Lunch Consoleで、画面を見てみましょう。


何事もなかったかのように仮想マシンが起動しました。
ハイパーバイザーが稼働するホストが変わったことで、一部再起動が発生する事項が出ていることがわかりますが、デバイスが何ら問題なく再認識されていることがわかります。
特にドライバーの場所参照場所指定などの画面が出てくることはありません。

Hyper-Vからの仮想マシン移行は、実はこんなに簡単に可能です。



HyperVからAHVへの仮想マシン移行その1

AHVの魅力は、Nutanixとの相性の良さと無償で高度なハイパーバイザー機能を提供してくれるところだと思います。
実際にNutanixを利用する際には、AHVのメリットを生かすために、現状他のハイパーバイザーで稼働していた仮想マシンをAHVへ移行することを考える必要があります。

vSphereからの移行の場合以前に紹介した、クロスハイパーバイザー機能を活用するなどして簡単に移行することが可能です。
しかし、"無償"というキーワードからの移行で考えると、Hyper-Vからの移行を検討される場合もあるかと思います。
今回は、Hyper-VからAHVへの移行方法をご紹介したいと思います。

まず、Hyper-Vの種類から先におさらいをしておきたいと思います。

Hyper-Vは、Windows Server 2008から搭載されたハイパーバイザー機能です。
その後、Windows8からは、クライアントOSにもHyper-Vが搭載されています。
大きくわけると、仮想マシンの世代として第1世代と第2世代という世代設定が2つあります。第2世代は、2012R2から搭載された機能で、BIOSではなくEFIになっているなどの、新しいアーキテクチャーが積極的に取り込まれているのが特徴です。

あと、世代に関係なくもう1つ注意する点は、仮想ディスクの形式です。
VHD形式とVHDX形式があり、Windows Server 2012より搭載されたのが、VHDX形式です。
64TBまでの容量サポートをされていることから、Windows Server 2012 R2では、ウィザードで仮想マシンを作成すると、自動的にVHDXが選択されます。
Windows Server 2008 R2でのHyper-V環境であれば、VHD形式しか選択できませんので、自動的にVHDとなります。

この仮想マシン世代と、仮想ディスクの形式に注意をしながら、AHVへの仮想マシン変換を行っていきたいと思います。

2016年12月4日日曜日

Nutanixのクロスハイパーバイザーを試してみるその③ 仮想マシンのレプリケーションとAHVでのリストア

この項では具体的に仮想マシンのレプリケーションを行う設定とリストアの手順を確認したいと思います。

まず、メインサイトのESXiで稼働している仮想マシンをDRサイトにレプリケーションする設定を行います。

PRISMのメニューから「Data Protection」選択し、右上の「Protection Domain」ボタンから、「Async DR」をクリックします。


バックアップ管理名称(ジョブ名)を入力し、Createボタンをクリックします。
今回は「Backup01」という名前で作成を行います。


左側の一覧からあがってくる仮想マシンを選択し、「Protect Selected Entities」をクリックし、右側のProtected Entitesの一覧に仮想マシン名が登録されていることを確認します。


続いて、レプリケーションのスケジュールを作成します。
右上の「New Schedule」をクリックします。


スケジュールは非常に柔軟に設定ができます。
数時間に1回という単位でのバックアップや数日に一回、毎週何曜日などの設定が可能です。
また、レプリケーション設定はまずローカルスナップショットデーターの転送となりますので、ローカル側のスナップショットの取得が必須となります。
ローカルとレプリケーション先で保持する世代数を変更するが可能ですので、要件に応じて世代数を設定しましょう。今回はローカルに5世代、レプリケーション先に3世代のスナップショットデーターのバックアップを保持する設定にしています。
スケジュール設定を行った後「Create Schedule」をクリックします。


設定したスケジュール情報が出ていることを確認し、「Close」をクリックします。


あとは、スケジュールで設定した時間まで待つばかりです。
待てない場合は、意図的にスナップショットを作成したいと思います。
作成したバックアップジョブを選択し、「Take Snapshot」をクリックします。
今回は取得したスナップショットをレプリケーション先に送りますので、"REMOTE SITE"の下に表示されるレプリケーション先(今回は、toDELL)を選択し、SAVEをクリックします。


スナップショットの作成が終わったら、いよいよDRサイト側のAHVのNutanixクラスターで仮想マシンを起動してみたいと思います。

AHV側のPRISMのメニューから「Data Protection」を選択し、ESXi側で作成したバックアップ上部が表示されていることを確認します。そのジョブを選択し、「Local Snapshot」のタブをクリックし、メインサイトのESXi側のスナップショットが一覧に上がっているのを確認します。
スナップショット一覧から、実際にAHV側で稼働させたい世代のスナップショットの右側にある「Restore」をクリックします。


リストア画面で、DRサイト側(AHV)で稼働させたい仮想マシンを選択し、How to Restoreで「Create new entities」選択します。
仮想マシン名に、AHVを頭につける形の設定をします。(こちらは任意です)
Exampleでリストア後の仮想マシン名が出るので、念のため確認をしておきます。
設定が完了したら、「OK」をクリックします。


リストア処理が開始されるとすると、PRISMの上部に「Snapshot restoration initiated successfully」と表示されます。スナップショットのリストアはストレージポインターの集合体を作るだけですので、一瞬で終わります。

PRISMのVMメニューから、Tableボタンを押し仮想マシン一覧を確認すると、先ほどリストアした仮想マシンが表示されているはずですので、その仮想マシンを選択し、「Power on」をクリックします。


Lunch Consoleをクリックすると、普通にOSが起動しているのがわかります。


OS起動後、デバイスの再検出等の画面も特に出ず、予期せぬシャットダウンの理由を求める画面が出てきます。仮想マシンは電源ONの状態でスナップショットを取得し、リカバリを行っているためこれは仕方がありません。適当な理由を選択し、OKをクリックします。


実はこれだけで、これ以降は何ら普通の仮想マシンと変わりなく利用することができます。
コマンド操作や変換操作などは一切不要です。

今回は、Nutanix的にはAHVではまだ非サポートなWindows Server 2016を利用しましたが、何ら問題なく動作しました。

投稿としては3回に分けての投稿となりましたが、これだけの一連の操作は、わずか12~3分で終了します。

DR環境だけでなく、vSphere上で稼働する仮想マシンをAHVに移行する時にもこの手法は可能です。




Nutanixのクロスハイパーバイザーを試してみるその② まずはレプリケーションの設定

さて、前回はAHVとクロスハイパーバイザーの意味について紹介をしました。

実際のケースでクロスハイパーバイザーを使うシーンを元に実際に設定方法までをご紹介したいと思います。

クロスハイパーバイザーは実際、今動いている仮想マシンのハイパーバイザーを変更するという形でご紹介をしましたがそのパターン以外での適用方法をご紹介したいと思います。

それは、「DR」としてのクロスハイパーバイザー機能です。

本番サイトは、vSphere環境を利用しており、その環境のDR環境構築をしようとした際、DRサイト側にもvSphereやvCenter Serverなどのライセンスを用意しなければならず、いつ使うかわからない有事の際という名目だけで、ハードウェアやソフトウェアさらには構築費の予算を取るのは、経営層がコンピューターシステムを業務戦略における重要な位置づけである認識を持っていない限り、なかなか説得が難しいものです。
こんなケースに少しでもコストを下げる手法として本番サイトはESXiそのままで、DRサイトをAHVにして、DR構成をことができます。

今回はこのシナリオを元に、仮想マシンがESXiからAHVにどのようにフェールオーバーするかを見てみたいと思います。


構成イメージ図


まずは、2台のNutanixをレプリケーション設定を行います。

1.メニュー画面のData Protectionの画面から「Remote Site」を選択し「Physical Cluster」を選択します。



2.相手側のNutanixの名前とクラスターVIPをADDRESSに設定します。
(この画面では、AHV側のNutanixにDELLモデルを使っているため、AHV側のサイトをtoDELLと記載しています)
CAPABILITIESの設定で「BACKUP」と「Disaster Recovery」の2つが選択可能となっています。
データーのバックアップのみのレプリケーションの場合は、「BACKUP」を選択します。
今回は災害対策として、DRサイトで仮想マシンを稼働することが目的となりますので「Disaster Recovery」を選択します。




3.お互いのレプリケーションをしたい、コンテナを選択します。また、通信の圧縮したい場合、COMPRESS ON WIREを「Yes」にします。


4.レプリケーションの設定ができあがったことを確認します。


5.同様の設定を、レプリケーションされる側(今回ですとAHVが入ったNutanixクラスター側)から、設定を行います。ようは、クロスでレプリケーションの設定を行っておくことが必須となります。


次に、DR対象となる仮想マシンに、NGT(Nutanix Guest Tools)をインストールします。
VM Mobilityといわれる仮想マシン以降のために最低限必要なソフトウェアだけをインストールすることも可能ですが、AHV上で仮想マシンのパワーオン/オフなどの操作をPRISM上から行えるなどのメリットは、NGTを入れる必要がありますので、今回はNGTをインストールすることにします。

また、VMware Toolsあらかじめインストールされている環境下にNGTをインストールしてなんら問題ありませんので、事前にVMware Toolsのアンインストール等は必要ありません。

NGTをインストールするには、PRISMの画面から、VMメニューに入り、NGTをインストールしたい仮想マシンを選択し、仮想マシン一覧画面の右下にある「Enable NGT」をクリックします。


対象のかそうましんにNGTのISOが自動的にマウントされますので、そのままダブルクリックし、インストールを開始します。



インストーラー画面が表示されますので、ライセンスに同意し、「Install」をクリックします。


するとまず、Pythonのインストーラーが起動します。残念ながら自動インストール機能がありませんので、手動でインストールを行います。



続いて、pywin32のインストーラーが起動します。
こちらも、自動インストーラー機能はありませんので、手動でインストール作業を行います。


続いてVisual C++2010のランタイムがインストールされます。こちらは自動インストールが実行されます。
その後、「Nutanix VM Mobility」のセットアップが始まります。これが今回のキモになるツールです。


その後、Nutanix Guest Toolsのライブラリがインストールされます。


ここまでいくとインストールが完了します。


とくにここで再起動は必要ありません。

では、次の投稿で、具体的なVMのレプリケーション設定とAHV側でのリカバリを行ってみたいと思います。





Nutanixのクロスハイパーバイザーを試してみるその① そもそもAHVとは

Nutanixは、ハイパーバイザーが選べるのがその特徴の1つでもあります。

仮想化の長であるvSphere ESXiはもちろんのこと、HyperVやXen ServerもTechPreviewながらも対応となりました。なかでも、Nutanixが一押しのハイパーバイザーがAHVです。

AHVとは、「Acropolis Hyper Visor」の略で、NutanixがKVMをベースにカスタマイズを施したハイパーバイザーとなります。

AHVの魅力は、KVMベースであり無償で提供されるということと、Nutanixを購入するとハードウェアもNutanixのソフトウェア(AOS)もハイパーバイザーもすべてワンストップでNutanixのサポートが受けられるというのもその魅力だと思います。

AHVがサポートするゲストは現状以下の通りとなっています。


・SCSI及びIDEバスでのサポートゲストOS
Windows 7, 8, 8.1, 10
Windows Server 2008 R2, 2012, 2012 R2
RHEL 6.4, 6.5, 6.6, 7.0, 7.1, 7.2
CentOS 6.4, 6.5, 6.6, 7.0, 7.1, 7.2
Ubuntu 14.04.x
FreeBSD 9.3, 10.0, 10.1
SUSE 11
Oracle Linux 6.x, 7.x


・PCIバス及びIDEバスでのサポートゲストOS
RHEL 5.10, 5.11, 6.3
CentOS 5.10, 5.11, 6.3
Ubuntu 12.04


最新のOSのほとんどがサポートされているためほぼ困ることはないですが、例えば、Windows2000や2003などP2V等で過去資産をvSphere上で使いづけている場合、AHVに対応することができない場合もあります。

上記のことを考えると、ハイパーバイザーは上物の仮想マシンのコンディションによって使い分けることがベストであると思います。

ここで出てくるのが、Nutanixが提供するクロスハイパーバイザーの機能です。
上記の通り、無理にvSphere上で稼働させる必要が無い仮想マシンは、Nutanix上でAHVで稼働させる方がサポートの面や利便性がよいというメリットはありつつも、今動いている仮想マシンをV2Vで変換するのは非常に面倒な作業であり、今順調に稼働している仮想マシンを、変換して正しく動作するかの検証やうまくいかない場合の調査などを考えると、そこまでリスクと手間をかけてまでハイパーバイザーを変更するのはメリットが少ないと思ってしまいがちです。

では、その手間はなければ、話しは早いということだと思います。

まさにこの手間を省いてくれるのがクロスハイパーバイザとして提供される、VM Mobility機能です。

次の投稿で、このVM Mobilityを使った、vSphereからAHVへの仮想マシンの移行方法をお伝えします。





2016年11月27日日曜日

Nutanixのモデルをご紹介(その2 DELLモデル)

Nutanixは、ハードウェアメーカーではなくソフトウェアメーカーです。
そのため、Nutanixのソフトウェアは、OEMで他のベンダー経由での手配も可能です。

そのOEMとして提供されているメーカーの1つがDELLです。


DELLから提供されるNutanixは、DELLのPowerEdgeをベースにNutanixのソフトウェアを搭載して出荷されています。Nutanix純正がNXシリーズと言われることに対して、DELLモデルはXCというモデルで展開されています。


XC430-4
1U1ノードのR430ベースのモデルになります。
ディスクスロットは3.5インチで4スロットとなり、最小2本のSSDで構成します。CPUは1個か2固化の選択が可能です。


XC630-10
1U1ノードのR630ベースのモデルとなります。
ディスクスロットは、2.5インチで10スロットとなり、SSDを最小2個搭載することができます。


XC730-16G
2U1ノードのR730ベースのモデルとなります。
ディスクスロットは、2.5インチとなりスロット数は16個となります。SSDは最小2個の搭載となります。


XC730xd-24 / XC730xd-12
2U1ノードのR730ベースのモデルとなります。
730xd-24は、2.5インチで24個のスロットが提供されます。
730xd-12は、3.5インチで12個のディスクスロットが提供されます。


XC6320-6
Nutanix純正モデルの標準と同じような、2U筐体に4ノードのサーバーが入るモデルです。
1ノードあたり6本の2.5インチスロットが提供され、2本のSSD以上を搭載することが可能です。


XC730-12C
こちらは、Nutanix純正モデルにあった「6035C」と同じストレージ専用モデルとなります。
R730をベースとしたモデルで、12本の3.5インチディスクスロットを提供し、最小2本のSSDからの構成が可能です。NX-6035Cと同じですから仮想マシンは動作しないモデルとなります。



DELLモデルの特徴は、Nutanix純正のモデルに比べて、搭載するCPUやRAMの構成、ディスクの構成が自由に選べるところが特徴です。純正のNutanixでは、SSDやHDDはモデルごとに搭載できる本数に制限がありますが、DELLモデルは、スロット数の範囲内であれば、自由に本数を決めることができます。
また、ベースがpowerEdgeですので、iDRAcをそのまま利用できるため、エージェントレスでサーバーのコンポーネント情報を細かく確認することができます。
また、DELLのOpenManageを利用して既存のDELL製IAサーバーとも統合管理ができるところは、ハードウェアメーカーならではの特徴だと思います。

モデル構成もOEMメーカーの中では一番ラインナップが充実していると思います。





2016年11月26日土曜日

Nutanixのモデルをご紹介(その1 Nutanix純正モデル)

Nutanixは、ハードウェアメーカーであると思われがちですが、Nutanixの高度な機能はすべてソフトウェアが提供されています。
そのため、Nutanixは、ハードウェアの依存度が低いため、いろいろなハードウェア種類が選択可能です。
今日は、Nutanixを稼働させることができるハードウェアを数回に分けてご紹介したいと思います。




まずは、Nutanix社から出ているハードウェアです。
Nutanixは、2Uサイズの筐体に4台のサーバーがはいったモデルが中心ですが、それだけではありません。


NX-1000-G5シリーズ (エントリーモデル)
こちらは、一番手頃なシリーズの2U4ノードのタイプです。
3.5インチのディスクスロットを持ったモデルで、1ノードのサーバーあたり、3スロットが割り当てられています。1本のSSDと2本のHDDのハイブリッドモデルと、すべてSSDのオールフラッシュが選択できます。
一番エントリークラスになるため、まずNuatnixを導入してみたいというユーザーに最適です。
また、1065S-G5というモデルは、CPUの搭載が1個になっていますので、物理CPUでカウントされるソフトウェアのコストを抑える場合などに最適です。


NX-3000-G5シリーズ (スタンダードモデル)
こちらは、Nutanixの代表的なモデルとなります。
3000シリーズには、1000シリーズと同じ2Uサイズに4台のサーバーが入るモデルト、1U1ノードの3175があります。

3060-G5
ディスクスロットの仕様が2.5インチになります。1ノードのサーバーあたり6本のディスクスロットが提供され、2本のSSDと4本のHDDもしくはすべてSSDのオールフラッシュが選択できます。

3175-G5
こちらは、1Uモデルで1台の筐体となります。
3.5インチのディスクスロットが4つ提供され、2本のSSDと2本のHDD、もしくはすべてSSDのオールフラッシュモデルが選択できます。



NX-6000-G5シリーズ (ストレージモデル)
6000シリーズは通常、ストレージモデルと言われており、ストレージ容量が大きいのが特徴です。
6000シリーズには3つのモデルがあります。

6035-G5 / 6035C-G5
2U筐体に2ノードのサーバーが搭載できるモデルです。
1ノードあたり6本の3.5インチディスクスロットが提供され、1本のSSDと5本のHDD、もしくはすべてSSDのオールフラッシュモデルが選択できます。
6035C-G5は、ストレージ専用ノードと言われる、仮想マシンを動作させることができないモデルとなります。CPUやRAMは足りているけど、ストレージの容量が足りない場合において、ストレージ専用装置の場合にエンクロージャーを足すような感覚の位置づけになります。

6155-G5
こちらは、新しく出たモデルで2U1ノードのモデルとなります。12本の3.5インチディスクスロットを提供し、2本のSSDと10本のHDDもしくは、12本すべてSSDのオールフラッシュモデルから選択が可能です。まさに大容量モデルです。



NX-8000-G5シリーズ (ハイエンドモデル)
8000シリーズは、高性能なCPUを登載できたり、拡張カードがたくさん搭載できたりと何でもできる高級モデル(ハイエンド)になります。
8000シリーズには2つのモデルがあります。

8150-G5
2Uの筐体で1ノードのモデルです。24本の2.5インチのディスクスロットを提供し、4本のSSDと20本のHDDもしくは、24本すべてにSSDを搭載するオールフラッシュモデルがあります。

8035-G5
2Uの筐体に2ノードのサーバーが搭載できるモデルです。1ノードあたり3.5インチのディスクスロット6スロット提供し、2本のSSDと4本のHDDを搭載するか、すべてSSDを搭載するオールフラッシュモデルが選択できます。


ここで気づいていただきいこととして、ALL-FLASHはすべてのモデルで提供されていると言うことです。昔は9000シリーズと言われるオールフラッシュ専用モデルがありましたが、G5がリリースされた時から、すべてのモデルがオールフラッシュになり、9000シリーズは終息になっているようです。

Nutanixは、基本ソフトウェアメーカーであることから、Nutanixは、スーパーマイクロのハードウェアをOEM提供を受けてNutanixのソフトウェアを搭載し販売をしています。
スーパーマイクロは、様々なストレージベンダーやその他アプラインス機器として採用されている、IAサーバーを中心としたハードウェア専業メーカーです。スーパーマイクロの製品は、シンプルであることが特徴で、Nutanixのようにハードウェアを極限にシンプルにすることで、障害点を減らすコンセプトの製品には適合しやすいのではないかと思います。

スペックなど詳細は、スペックシートに細かく記載されています。
http://go.nutanix.com/rs/nutanix/images/Nutanix_Spec_Sheet.pdf



Nutanixスナップショット機能の紹介(その3)

Nutanixが提供するストレージスナップショット機能は、効率的で高機能かつ高速であることが前回までの話しでわかりました。では、リストアはどのようにやればよいのでしょうか?
今回は、リストアの方法をご紹介したいと思います。

リストアもPRISMの画面から行います。
前回と同様、PRISMのメニュー画面から、「Data Protection」クリックします。


AsycDRの画面でTableを選択し、リストアした仮想マシンが設定されているスナップショット管理名(ジョブ名)を選択します。



ジョブを選択し、画面下側ペインのLocal Snapshotsすると、取得されているスナップショットの一覧が表示されます。



Restoreをクリックすると、そのジョブで対象にした仮想マシン一覧が表示されます。
リストアしたい仮想マシンを選択し、リカバリの方法を選択します。
リカバリの方法は、既存仮想マシンを上書きするか新しい仮想マシンとして作成するかを選択します。既存の仮想マシンを上書きする場合、既存の仮想マシンがパワーオン状態であっても強制的にパワーオフされてリストアが行われます。リストア終了後も仮想マシンはパワーオフのままになりますので、上書きする場合(あまりないと思いますが)は、注意が必要です。




Pathには、リストアしたストレージコンテナ(vSphereでいうDataStore名)を入力します。
パス入力なので「/Datastore名」と入れる必要があります。
別の仮想マシンとしてリカバリする場合、「VM Name Prefix」に名称を入れると既存の仮想マシン名称の前に、指定した名称が入ります。
入力しない場合「Nutanix-Clone-」というものがPrefixとして仮想マシン名の頭に付きます。

OKをクリックするとすぐにリストアが開始されます。
リストアにかかる時間は遅くとも20秒程度でしょうか。それぐらい高速にリストアが完了します。
その理由は、以前の投稿で記載したとおり、ストレージブロックの結びつきだけを操作しているからであり、ファイルデーター等を解凍しているような従来のバックアップソフトとは根本的に異なるためです。

リストアが完了すると、自動的にハイパーバイザーの管理画面から仮想マシンとして見えるようになります。(下のスクリーンショットはvSphereの例)




あとは仮想マシンを起動すれば、普通の仮想マシンとして利用することができます。
注意点としては、リストアした仮想マシンの元の仮想マシンが稼働中のまま、スナップショットからリストアした仮想マシンを起動すると同一のホスト名やIPアドレスで起動してしまいますので、業務に支障を来す可能性があります。
適宜、検証用のネットワークに割り当てを変更(ポートグループの変更)を行うなどの対応を必要に応じて行いましょう。






Nutanixスナップショット機能の紹介(その2)

さて、前回の投稿でNutanixのスナップショットは、ポイントインタイムコピーテクノロジーであるという説明をしました。
しかし、今までのストレージ専用装置と違う点は、仮想マシンを意識しているという記載をしました。

この仮想マシンを意識しているというのは、Nutanixからみて、ストレージスナップショットを仮想マシン単位で行うことができると言うことです。

通常のストレージ専用装置は、LUNやボリューム単位といった形で、スナップショットが取得できる対象は、ストレージから管理できるオブジェクトがその単位でした。
Nutanixは、スナップショットの取得単位が、仮想マシン単位となります。
仮想マシン単位で、ストレージブロックによるスナップショット機能が提供されます。

vSphereで例を話しますと、今までのストレージ専用装置の場合、1つのデーターストアがストレージが提供する1つのLUNで構成されることがほとんどだと思います。
このデーターストア(LUN)に対して、仮想マシンを100台入れていたとします。
このLUNに対して、ストレージ専用装置でスナップショットをとることはできますが、特定の1台の仮想マシンを取得したストレージスナップショットからリカバリをしたいと考えても、スナップショットの取得単位がLUNですと、他の戻したくない仮想マシンも一緒にリカバリされてしまいます。

それですと、不便すぎますのでストレージ専用装置では、スナップショットを取得した時点のLUN(ボリューム)を別のLUNとして見せることで、必要に応じてそのLUNから必要なファイル(仮想マシン)を救い出すことで対応することができますが、やはり一手間増えることは否めません。

では、実際の画面をみながらNutanixのスナップショット機能を見てみたいと思います。

PRISM画面の左上メニューから、「Data Protection」を開きます。



右上の表示切り替えで「Table」を選択し、右上のメニューで「Protection Domain」から「Async DR」選択します。

まず最初に出てくるのは、管理名称です。スナップショット機能をバックアップとして利用することもできますので、その場合ジョブ名と考えてよいでしょう。



次の画面が、Nutanixならではの画面です。
ストレージスナップショットの対象にしたい仮想マシンを選択します。
これが、"仮想マシンを意識したスナップショット"な理由です。




次にスケジュール設定を行います。スケジュール設定をしない場合はこのまま、「Close」をクリックします。



スケジュールのタイミングはご覧の通りかなり豊富に可能です。
数時間に1回実行というタイミングや、特定の曜日にだけ実行なども可能です。
開始日時と終了日時も設定も可能です。

また、スナップショットは世代取得が可能で、何世代保持するかという設定も可能です。
(スナップショットの複数世代保持には、PROライセンスが必要となります)

また、Nutanixクラスター同士をレプリケーション設定することで、別のNutanixクラスターにスナップショットデーターを転送することもできます。これで、仮想マシンが稼働しているNutanixの筐体外へバックアップデーターを配置することもできます。



スケジュールの設定が完了したら、ジョブが一覧に上がってくることを確認し、Closeをクリックします。




これだけでストレージベースの効率のよいバックアップが可能となります。


ストレージスナップショット機能は、Nutanix内部のストレージブロックのポインター情報をロックするだけですので、一瞬で終わることも非常に大きなメリットです。

今まで仮想化基盤のバックアップが時間がかかりすぎるとか、容量増加で保存先の拡張が大変だと困っていたユーザーには、Nutanixのストレージスナップショットはまさに最高のソリューションであると思います。




Nutanixスナップショット機能の紹介(その1)

Nutanixには、高機能なストレージサービスをハイパーバイザーに提供します。
その中の1つが「スナップショット」機能です。

Nuatxniは、仮想化の基盤として利用されるものなので、ハイパーバイザーのスナップショットがあるじゃないかと思うかもしれません。
しかし、Nutanixの提供するスナップショットは、ストレージスナップショットで有り、ハイパーバイザーが提供するスナップショットとは少々仕組みが違います。

ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、スナップショットを取得した時点で、仮想ディスクファイル(vSphereであれば、VMDK)が、分割され、以降のVMDKに対して書き込まれるデーターは、差分の仮想ディスクファイルに書き込まれます。スナップショットを取得する前の仮想ディスクファイルは、読み取り専用となります。
サードパーティー製の仮想マシンバックアップソフトウェアでは、この機能を利用して、読み取り専用になったファイルをバックアップするというやり方をしているものもあります。

スナップショットを複数取得すると複数の差分ディスクが作成され、それらの差分ディスクはすべてチェーンのような形で繋がっています。
データーの読み書きには元の仮想ディスクから差分のディスクを順番にアクセスをしていくことになりますので、仮想マシンからのディスクI/Oスピードが低下します。

スナップショットの倫理的な構造

また、リスクとして複数のスナップショットをとっていた場合、中間に仮想ディスクファイルが破損したり、他のツール等でその仮想ディスクを直接データーを書き込んだりすると、それ以降の仮想ディスクとのチェーン構造が壊れるため、最新のデーターにアクセスできなくなるという恐れもあります。

vSphereにおけるスナップショットは、以下のKBが細かく解説されています。

(参考)VMware ESXi および ESX の仮想マシン スナップショットについて (1033239)
https://kb.vmware.com/kb/1033239

つまり、ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、一時的なリカバリポイントを作成することが目的であることを理解しておく必要があります。
まれに、ハイパーバイザーが提供するスナップショットをバックアップの代わりに利用している話しを耳にしますが、スナップショットはバックアップ機能として利用することはパフォーマンスや運用上よろしくありません。

また、vSphereでは、スナップショットにおいてベストプラクティスが記載されており、「1つのスナップショットを24時間から72時間にわたって使用しないでください」という記載があります。

(参考)vSphere 環境でスナップショットを使用するベスト プラクティス (1038295)
https://kb.vmware.com/kb/1038295



対してNutanixは、ストレージベースのスナップショット機能を提供します。
Nutanixのストレージは8Kのストレージブロックで構成されており、スナップショットをとった時点でそのスナップショットの対象となるストレージブロックは読み取り専用となります。

スナップショットをとる前の仮想マシン(仮想ディスク)とストレージブロック


スナップショット取得直後の状態



スナップショット取得後に、データーの上書き等でそのストレージブロックが変更される場合、そのストレージブロックは読み取り専用のため、変更されず、新しいストレージブロックに上書きされるデーターが保存され、仮想ディスクのストレージブロックの参照先が上書き後のストレージブロックに切り替わります。




ハイパーバイザーのスナップショットの場合は、ファイルで分割されていたものがストレージブロックで分割されるようなイメージになります。では、ファイルなのかストレージブロックの違いだけなのかというと、決定的な違いが1つあります。
それは、Nutanixが提供するストレージスナップショットは、チェーン構造な作りになっていないことです。

Nutanixのストレージスナップショットは、スナップショットを作成しその後データーの変更追加が発生した場合であっても、チェーン構造な1つずつ順番に掘り下げていくのではなく、横並びのストレージブロックの参照位置を変えるだけのため、ハイパーバイザーのスナップショットの特徴である、パフォーマンスの低下や、スナップショットによる中間仮想ディスクファイルの肥大化による破損等はおきることはありません。

つまりNutanixのスナップショットは、バックアップとしても利用することができるという点は、ユーザー側の視点に立っても大変便利であると思います。

これはいわゆる、ポイントインタイムコピーテクノロジーといわれるものです。

それなら、今までのストレージ装置にもあったじゃないかと思うかもしれませんが、Nutanixは、エンタープライズクラウドプラットフォームです。Nutanixは、仮想マシンのワークロードに最も適した基盤を提供するものですので、今までのストレージ装置のスナップショットと違う機能があります。

それは、Nuatxniは、仮想マシンを意識しているということです。

これについては、次回の投稿で説明をしたいと思います。