2019年8月12日月曜日

AOS5.11を紹介(その4) Storage QoS機能の搭載でノイジネイバーの影響を低減する

今期は、AOS5.11に搭載されたStorage QoS機能についてご紹介します。

仮想化において厄介なのは特定の仮想マシンがストレージのI/O負荷を大きくかけて、仮想化基盤にいる他の仮想マシン全体に迷惑をかける、いわゆるノイジーネイバー(うるさい隣人)の存在です。

Nutanixは、CVMが各仮想マシンのI/Oを把握しているため、それぞれのマシンに対してフェアなI/Oを提供するようにできています。
しかし、I/Oに対しての制限(リミット)を設定することができませんでしたが、このAOS5.11からIOPSの制限を入れる機能が追加されました。
これがStorage QoS機能となります。

このStorage QoSの設定にはするには以下の環境である必要があります。

  • ハイパーバイザーは「ESXi」または「AHV」である必要があります。
  • Nutanixクラスターのライセンスが「Pro」以上である必要があります。
  • 設定には、Prism Central(Prism Starterでよい)を利用します。
  • IOPSの最小値は100です。100未満は設定できません。
  • IOPSを設定した仮想マシンは、IOの遅延が出てくる可能性があります。
  • リンククローンで作成した仮想マシンの場合、マスターvDiskはQoSの対象になりません。
  • VolumeGroup及びVolumeGroupが設定された仮想マシンには適用されません。

では具体的に設定方法を見てみましょう。
まずは、Prism CentralのVMsから、I/Oを制限したい仮想マシンにチェックを入れ、上のActionメニューから「Set QoS Attributes」をクリックします。

ここで指定したいIOPSまたは、スループットを入力します。
下側の表には入力したIOPSに基づいたスループットが自動的に計算されて表示されます。

ここでポイントは、32Kを超えるブロックサイズの場合、IOPSではなくスループットで自動的にリミテーションがかかる仕組みとなっています。
IOPSですから、1ブロックのサイズが大きくなれば当然ながら少ないIOPSであっても、ある程度の負荷がストレージ側にかかってきます。そのため、このStorage QoSに関しては、32Kを超えるストレージブロックは、スループットに置き換え最終的に受け渡されるデーターのサイズに違いがないようにし、フェアな速度を提供するように作られています。

IOPSの制限を入れることにより、例えば普段負荷がかからない仮想マシンにリミテーションを入れて、Windows Updateやウイルス対策ソフトのフルスキャンなどの業務外の作業で仮想化基盤全体の負荷がかかり、本来利用したいサービスが稼働している仮想マシンの動作影響を抑えることや、マルチテナントにおけるノイジネイバーによる他のテナントへの影響範囲を制限することができます。

StorageのIO制限は、ストレージにおいてよく要求される事項の一つでもあります。
NutanixのStorage QoSは、LUN単位ではなく仮想マシン単位で行えることはNutanixのメリットであると思います。



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