2024年7月27日土曜日

AHVにおけるNICの追加または交換時の作業

Nutanixを導入後、一時してからNICの交換や追加といった作業は、通常想定される作業となるかと思います。AHV環境において、NICを追加又は交換をした場合、その後AHVを起動しても新しいNICが見えない状態になります。NICの交換や追加を行った場合は、以下のコマンドを実行します。

AHVで実行

/usr/local/bin/nic_add_or_replace


上記コマンドが実行できない場合は、

rm /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules

を実行ごAHVを再起動します。


こちらのコマンドで、NICの再認識を来ないます。

但し注意が必要です。このコマンドを利用するとeth0,eth1などの順序が以前と異なる事があります。また、1G NICだけしか構成していない環境に10G NICを追加後上記コマンドを実行すると、1G NICがアップリンクから外されるなど、単純にNICの認識だけでにとどまらないケースがあります。

CVM側で、アップリンクの状態を確認しておきましょう。

AHVから実行

$ssh nutanix@192.168.5.2
CVMのnutanixユーザーのパスワードを入力

$ manage_ovs  show_uplinks
#↓結果
Bridge: br0
  Bond: br0-up
    bond_mode: active-backup
    interfaces: eth3 eth2 ★ここを確認する
    lacp: off
    lacp-fallback: false
    lacp_speed: slow

NIC故障など、急に対応が必要になることもあるかと思いますので、この手順は頭の片隅に入れておくと便利かと思います。




PrismCentralのUltimateライセンス トライアルモードの有効化

Prism Centralは、展開すると自動的にPrism Ultimateのトライアルモードが有効になり、90日間Ultimate機能を利用することが可能でした。

このトライアル機能自体は、継続して提供されているのですが、Prism Central 2024.1よりこのトライアルモードがデフォルトでは無効化されています。

今回は、このトライアルモードを有効化する方法をご紹介します。
(展開サイズは、Small以上であることが条件です)


まずは、Prism CentralのAdmin Centerから、「Inteligent Operations」を開き「Allocate & Enable」をクリックします。

これは、X-Fitで利用されるリソースが従来は込みで展開されていましたが、2024.1からは、別離ソースとして追加をする必要があるようです。

確認のメッセージが出ますので、OKをクリックします。


Prism Centralのリソースが追加されたことを確認します。なお、このリソース追加の処理を行うと、Prism Centralとの疎通ができなくなる(Prismの画面が表示されなくなる)のですが、しばらく待っているとPrism画面が再度表示されます。

▼リソースが追加されたことがわかります。


Prismに再度ログインし、再びAdmin Centerを開きます。

「Licesing」→「Applied Licesenses」を開きます。


Prismのチェックを入れ、「Action」から「View Product Features」を開きます。


ライセンスのエディション画面が表示されますので、ここから「Enable Ultimate Trial」のトグルを有効化します。


また、Prismとのアクセスが一旦できなくなりますが、しばらく待っているとPrism画面が復活します。

これで、Ultimate のトライアルが利用できます。トライアルの利用期間は、90日となります。





2024年7月15日月曜日

AOS6.8/Prism Central 2024.1以降のPC登録解除時の注意点

AOS6.8に対応したPrism Centralは、2024.1以降のバージョンとなります。

これらのバージョンの組み合わせにおいて、Prism Elementから1度Prism Central登録を行った後、登録を解除すると以前に登録したPrism Centralであっても、別で展開したPrism Centralであっても登録ができなくなる仕様となっているようです。

(参考)In pc.2024.1, Prism Element is blacklisted and cannot be registered to either the same PC or a different PC
https://portal.nutanix.com/kb/15679

これは、Prism Centralとの登録を解除するクラスターは、今後破棄予定のクラスターという認識だからのようです。(そんな極端な認識にいきなり変わっても困るのですが...)

CVMのncliコマンドから、以下のようにPrism Centralの解除コマンドを実行すると以下のようなメッセージが追加されてます。

<ncli>  multicluster remove-from-multicluster cluster-id=aac92028-1b14-4688-a891-c1e4acf842ec username=admin password=PrismCentlraのパスワード external-ip-address-or-svm-ips=192.168.XX.XXX

▼Unregist前に確認されるメッセージ

Unregistering the PE from PC is not a supported workflow. Are you sure you want to proceed(YES/NO) ?(Refer to KB-15679 for details): 

ここで「Y」を入力するとPrism Centralの登録が解除されます。

ちなみに、先程まで登録されていたPrism Centralに再度Nutanixクラスターを登録してみたところ、以下のようなブラックリスト入りされているというエラーメッセージがタスクに表示され登録する事ができません。

別でPrism Centralを再展開しましたが、同じメッセージが表示され、やはりPrism Centralに登録する事は、できませんでした。


今まで、Prism Centralのバージョンアップをせずに再展開して、Nutanixクラスターを再登録などして運用されていた場合、AOS6.8以降での運用時には、注意が必要です。





2024年7月6日土曜日

Nutanix CEにおけるinode問題の対応

2024年7月現在、Nutanix CEのインストーラーに含まれているAOSは、6.5.2となります。

このバージョンでは、inodeの枯渇によるクラスターサービスの稼動に影響を与える恐れがあります。

この事象、稼動させてすぐは起きず、しばらく経って(私の環境では、稼動させて1年程度経った後に事象が発生)から起きるため、すぐに事象が発生しませんが、しばらく経ってから起きる可能性があるため、注意が必要です。

3ノード以上でクラスターを作っている場合、1ノード障害に耐えることが出来ますが、検証用で1ノードクラスターを作成している場合、クラスターサービスが起動できなくなる事象が出る可能性もあります。

本事象は、NCCの「inode_usage_check」にて検出されますので、このチェック項目がWarningもしくはFailとして検出された場合は、速やかに対応が必要となります。

(参考)NCC Health Check: inode_usage_check
https://portal.nutanix.com/kb/1532


本事象は、AOS6.5.3以上にアップグレードすれば解決しますので、この事象を回避するため、これからCEを展開する方は、展開後に速やかにアップグレードをしていただくことをお勧めします。

既存でNutanix CEを利用していて、1ノードクラスターで構成している場合、アップグレードする前にこの事象が出てしまうと、AOS自体のアップグレードができない可能性もあります。

この事象が発生した場合、「/var/spool/postfix/maildrop」がinodeを消費している可能性があります。

まず、「/home/nutanix」の使用量が100%近くになっている可能性がありますので以下のコマンドで、空き容量も確認しておきます。

allssh 'df -i /'


さて、この事象を取り急ぎ対処するためには、以下のコマンドを実行します。

allssh 'sudo postsuper -d ALL maildrop'

これで、「/home/nutanix」ディレクトリの空き容量も増えるかと思いますし、クラスターサービスも「cluster start」で正常起動するはずです。


いずれにしてもAOSアップグレードを定期的に行っておけば特に心配する問題でもありませんので、定期的なアップグレードを行う事が大切かと思います。

また、Nutanixのアップグレードは、非常に簡単に行えるための機能が用意されていますので、難しいコマンドを利用することなくアップグレードが可能ですから、積極的なアップグレードを勧めします。