2021年8月16日月曜日

(その2)Nutanix上にWindows+Oracle SEHA環境を構築する

前回までにNutanixの設定を中心に行ってきました。ここからは、Windowsの設定を行っていきます。

7.ホスト名の設定とADのアカウント作成

作成した2台の仮想マシンについて、以下のようにホスト名を設定します。

仮想マシン名ホスト名
ORA19CSEHA01ora19cseha01.toriten.oita
ORA19CSEHA02ora19cseha02.toriten.oita


以下のようにホスト名を設定し、ドメイン「toriten.oita」に参加します。



ドメイン参加後、2台のサーバーはいずれも再起動をしてください。


ADのアカウント作成

ここでは、ADでOracleインストール用のユーザー「oracle」とOracleのサービス起動を行う「Orahome」アカウントを作成します。このユーザーはいずれも「Domain Users」グループに属させてください。「Domain  Administrator」に属させると、Oracleソフトウェアインストールに失敗します。

▼oracleユーザー


▼Orahomeユーザー


ドメイン参加後は、ローカルマシンのAdministratorもしくは、ドメインのAdministrator権限が付与されているアカウントでこれ以降の作業を行います。


8.NICの設定

まずはそれぞれのNICの名称を変更します。
サービス系のNICは、「Public」、ハートビート系は「Private」、iSCSIのバス用は「iSCSI」と設定をします。
この設定は、2台の仮想マシンそれぞれ両方で行います。


PublicNICの設定

▼IPアドレスを設定します


▼メトリック値を100にします

▼DNSに登録するのチェックを外します。

PrivateNICの設定

▼ハートビートでしか利用しないので、SMBに関連する機能を無効化します


▼IPアドレスを設定します。

▼メトリックを300に設定します。

▼DNSの登録のチェックを外します。

iSCSI NICの設定

iSCSI以外で不要なSMBやIPv6を無効化します。


▼IPアドレスを設定します。

▼メトリック値を「500」に設定します。


▼DNSに登録のチェックを外します。


9.各パラメーターの設定変更

Oracleのドキュメントを元に以下の設定を変更します。
この作業は、2台のサーバーそれぞれ2台とも行います。

メディア検出の無効化

参考:Disabling Windows Media Sensing

「HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters」
にDWORDで「DisableDHCPMediaSense」を作成し、値に「0」を入れます。



TCP/UDP動的ポートの範囲拡大

参考:Setting UDP and TCP Dynamic Port Range for Oracle RAC Installations

コマンドプロンプト(管理者)で以下を実行します。

netsh ipv4 set dynamicport udp start=9000 num=56000
netsh ipv4 set dynamicport tcp start=9000 num=56000

REM 設定値の確認
netsh ipv4 show dynamicport udp
netsh ipv4 show dynamicport tcp



Timeサービスの設定変更

参考:Configuring the Windows Time Service

レジストリで「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\W32Time\Config」に、DWORDで「MaxPosPhaseCorrection」、「MaxNegPhaseCorrection」、「MaxAllowedPhaseOffset」を作成し、それぞれ値に10進数で600と入力します。


以上の設定が終わったら、一度OSを再起動します。


10.iSCSI経由でNutanix Volumesをマウント

この作業は、2台のサーバーそれぞれ両方で行います。

コントロールパネルからiSCSIイニシエーターを開きます。


サービスの自動起動の確認が行われますので、「はい」をクリックします。


Nutanixで設定したDATA SERVICE IPを入力し、「クイック接続」をクリックします。


Nutanix Volumesで設定した2つのLUNが見えます。それぞれのLUNを選択し「接続」ボタンをクリックします。


これでストレージマウントの設定は終わりです。



10.ストレージの設定

スタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を開きます。


まずは、CDROMドライブのドライブレターを変更します。


ドライブレターを「Z」に変更します。


CDROMドライブを2台構成にしている場合は、もう一台も同様にドライブレターをアルファベットの後ろ順の文字列に変更します。

ここでは、「Z」と「Y」ドライブにCDROMドライブを変更しています。


続いて仮想マシンに接続したローカルディスクを初期化します。
このドライブはOracleの各ソフトウェアインストール場所となります。

まずはオンラインにします。


続いてGPTで初期化します。



続いてドライブをDドライブとし、NTFSでフォーマットします。


▼最大容量を設定します(デフォルト)

▼ドライブレターはDとします

▼NTFSでクイックフォーマットします

▼完了をクリックします

この作業までは、2台のサーバーそれぞれ2台で行って下さい。

続いてOracle SEHAで利用する共有ディスク領域を初期化します。
こちらは、1号機のサーバーで操作します。

コマンドプロンプト(管理者)を開き以下のコマンドを実行します。

diskpart
automount enable
list disk

#共有ディスクのLUN0であるディスク2を選択

select disk 2
online disk
attributes disk clear readonly
convert mbr
create partition extended
create partition logical



これをLUN1(ディスク3)、LUN2(ディスク4)にも同様の作業を行います。

select disk 3
online disk
attributes disk clear readonly
convert mbr
create partition extended
create partition logical

select disk 4
online disk
attributes disk clear readonly
convert mbr
create partition extended
create partition logical

共有ディスクは、ドライブレターを付与せず、フォーマットも行いません。
最終的に以下の図のようになります。


これで1号機の設定は完了しました。
つついて、2号機の設定を行います。

2号機でディスクの管理を開き、操作メニューから「ディスクの再スキャン」を実行します。


共有ディスクの3つLUNをオンラインします。


するとドライブレターが勝手に付与されますので、これを削除します。


▼ドライブレターを選択肢、「削除」をクリック

▼確認メッセージが表示されますので「はい」をクリック

ドライブレターがなくなります。この作業を残りの共有ディスク(ディスク3と4~にも同様の作業を行います。

最終的に以下のようになります。


以上でドライブの設定は終わりです。

次からOracleのインストール準備を行います。















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