2017年9月3日日曜日

Nutanixにかんするウワサを検証その2

Nutanixにまつわるウワサを5つほど紹介をしてきましたが、今回さらに5つの噂の紹介とのその回答をご紹介します。

ウワサ1
Nutanixのサポートはすべて英語で、日本語での受付ができないので、一般のユーザーが取り合え使える代物ではない。

真相
ウソ

この情報はしばしば耳にすることがありますが、これは2017年現在、間違いですね。
Nutanixには、日本にニュータニックス・ジャパン合同会社という日本法人を設立しており、日本人がNutanixのサポートを直接受けてくれます
日本語での電話サポートもありますし、サポートポータルからWebベースでのケースオープンも可能です。もちろんWebでのケースオープンも日本語(2バイト文字)での記入が可能です。
また、ニュータニックスのサポートは、自社で行っており、委託をせず高いスキルを持ったエンジニアが直接対応をしてくれます。一般的なサーバーメーカーの場合、受付の人がスキルを持たない状態でマニュアルに沿った回答しかしないケースもありますが、ニュータニックスのサポートにおいてそのようなことはありませんし、ニュータニックスはワールドワイドでサポート体制にはかなり力を入れています。
その証拠として、先日の.NEXTでは、出荷数が増えているにもかかわらずサポートに対する満足度も上がっているという結果が発表されています。

▼出荷数とサポートの満足度の情報

▼NPSのスコアは、Webで見ることも可能です。
https://npsbenchmarks.com/companies/nutanix

ちなみに、NPSとは、ネットプロモータースコアの略で、企業に対する価値(ブランドや信頼)を数値化する指標だそうです。
92点という驚異的な高得点が出ていることがわかります。



ウワサ2
NutanixのCVM間の通信はかなり高負荷になるので、接続するスイッチはJumbo Frameに対応していることが必須である。

真相
ウソ

これも全くのウソです。NutanixのCVM間の通信は非常に効率の良い通信が行われており、MTUサイズは通常の1500で動作しています。また、JumboFrame(MTU9000)で動作せることも可能ですが、MTUサイズは1500で十分なパフォーマンスが得られるように設計されています



ウワサ3
Nutanixは、データーローカリティで仮想マシンが存在するホストのディスクにデーターを書き込むので、仮想マシンがライブマイグレーション(vMotion)すると、すべてのストレージデーターが移動するので、ネットワークが高負荷になる。

真相
ウソ

この話も、Nutanixを敵視しているメーカーからよく出てくる根も葉もない話です。
まず、Nutanixのデーターは、ファイルベースではなくストレージのブロックベースで管理されています。この概念を理解されていないことが、この誤解を生む話になると思われます。
Nutanixは、データーローカリティという概念で、仮想マシンが存在するホストのローカルディスクにデーターを書き込むことで、データーの読み込みは、ネットワークを解さずディスクのローカルバスだけで通信をすることで、高速なリードかつネットワークに負荷をかけないという工夫されたつくりになっています。
この場合、仮想マシンがライブマイグレーションした場合どのようになるかという話ですが、仮想マシンが移動した場合、データーはRF2もしくはRF3で構成されているため、仮想マシンの移行先に複製されたデーターがある場合は、そのデーターをローカルバスを使って直接アクセスを行います。もし、ローカルディスクにデーターがない場合、ネットワークを介してデーターが存在するホストからデーターを取得することになります。
ただ、ここでミソなのは、この動作は仮想マシンがなんらかのデーターを読み込もうとした場合、そのデーターのブロックだけを他のホストからデーターを取得するという動作です。仮想ディスク(VMDK)のファイルすべてを持ってくるわけではなく、必要なデーターブロックだけを持ってくることと、一度他ホストから取得したデーターは、それ以後、仮想マシンが稼働するホストのローカルSSDにデーターをキャッシュする仕組みになっています。そのため同じデーターの2度目以降のアクセスはローカルディスクからのアクセスとなるため、ネットワークを介さず読み込むことになります。
そのため、仮想マシンがライブマイグレーションしても、必要なデーターだけが必要なタイミングで読み込まれえるため、ネットワークに大きな負荷を与えることはありません。



ウワサ4
Nutanixのハードウェアは、故障率が高い。

真相
個人の感覚によるが、ウソに近い

まず、Nutanix純正は、ご指摘の通りスーパーマイクロ製です。これは確かに事実です。
次に故障率が高いかどうかという話ですが、スーパーマイクロのハードウェアは、様々なストレージやアプライアンスメーカーの筐体として、かなり多くのメーカーで採用されています。その実績と信頼があるメーカーですので、壊れやすいかどうかというと、個人的な感覚としては、壊れやすいという印象はありません。
※スーパーマイクロの製品が壊れやすいというのであれば、スーパーマイクロを利用している様々なアプライアンスメーカーの製品すべてに言えることになり、Nutanixだけの問題ではないことも重要です。

ただ、機械ものですので壊れないということは、ありえないと思います。
Nutanixのコンセプトは、ハードウェアに依存しないというところにあります。
またNutanixは、壊れても大丈夫という思想で設計がなされています。壊れないハードウェアは世の中に存在しないわけですから、壊れても、フェールオーバーして稼働を続ける機能を標準で有しているということをしっかり認識しておく必要があります。

また、Nutanixは、OEMとしてDellのXCシリーズ、LenovoのHXシリーズがあり、IAサーバーメーカーのハードウェアを利用したものでNutanixを利用することもできます。また、HPE ProLiantやCisco UCS、IBM PowerでもNutanixを利用することができます。
もしスーパーマイクロのサーバー製品に信用ができない場合は、このようなOEMや対応サーバーメーカーの製品を選択することも可能です。


ウワサ5
Nutanixは、Cisco UCSやHPE ProLiantなど、ソフトだけの提供を強めており、近い将来、純正のNXシリーズは、販売をやめる。

真相
ウソ

これは、明確にウソといえます。その理由は、.NEXT2017にて、NutanixのCEOである、ディラージ・パンディ氏に実際にこの内容を質問した方がおり、回答として以下のような話をディラージ自身が回答しています。

「会社の売り上げの構成比率は、現在と異なり、ソフトウェアの割合が大きくなる可能性はあるが、自社のハードウェアとしてNXシリーズを出し続ける。それは、Nutanixが一番ハードウェアに近いソフトウェアを提供する以上、一番革新的で挑戦的な機能を実装するためには、ハードウェアとの融合が非常に重要であり、それは常にNXシリーズからリリースされる。」(要約)

Nutanixのソフトウェアは、ハードウェアの制御など、たしかにハードウェアに一番近いソフトウェアであるというのは納得できます。
各ハードメーカーの独自の仕様をサポートしつつも、一番シンプルなスーパーマイクロのハードウェアを利用し、様々なNutanixの革新的な機能に必要なハードウェアパーツを付けた形モデルを出すことで、各社のIAサーバーではできないことを、NXシリーズで実現していくということだと思われます。


さて、今回も5つの噂について、解説をしてみました。
Nutanixは、怪しいとか、へんな製品とか思っている人に時々お会いしますが、これはそういった根も葉もないうわさが原因なのかもしれません。
Nutanixについて、こんなうわさを聞いたという方がもしあれば、是非教えてください。





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