この記事はNutanix Advent Calendar 2017/12/23 の記事です
前回までのにAHVが実用的に利用できるのかを中心に見てきました。
では、既存の環境からAHVに移行するためにはどうすればよいのでしょうか?
実際に移行のプロセスについて検討をしてみたいと思います。
1.OSの対応状況
まず、移行するOSがAHVに対応しているかを確認しましょう。
Windows Server 2003など古めのOSは、AHVではサポートされていないことに注意が必要です。
2.VirtIO Driverのインストール
AHVは、ディスクバスをSCSIにした際、WindowsOSでは標準で保有していないデバイスドライバーが必要になります。また、LinuxOSにおいても、Nutanixが提供するVirtIOドライバーを入れることが推奨されます。
移行を計画するマシンには、あらかじめVirtIO Driverのインストールを行いましょう。
VirtIO Driverは、Nutanix Supoprt PortalのDownloadメニューの「Tools & Firmware 」のページからダウンロードできます。
Windowsの場合、msiファイルとなっていますので、インストールウィザードに従うだけで簡単にインストール可能です。
3.移行の手法を考える
さて、ここまでの準備ができたら、移行の手法について具体的に考える必要があります。
vSphereの場合
ポイントは、3つあります。
まず、vSphere 5.5以上(ESXi 5.5以上)を利用している場合、Nutanixから提供される、Xtract for VMsを利用するのが、最もRPOが短く、かつ簡単なオペレーションで作業が可能です。Xtarct for VMsは、vCenter Serverとの接続が必要になるため、vSphere Essentials 以上が移行対象のエディションとなります。
2つ目のポイントは、vSphere(ESXi)5.1の場合、Standard以上のエディションを利用していれば、Storage vMotionが利用可能ですので、NutanixのストレージコンテナをESXi環境であらかじめマウントしておき、仮想マシンの仮想ディスク等、オンラインのままあらかじめ移行しておくことが可能になります。
vSphere(ESXi)5.0以下、また、vSphere(ESXi)5.1であっても、Essentials Plus以下の場合は、Storage vMotionが利用できませんので、仮想マシンをシャットダウンしパワーオフになった後、「仮想マシンの移行」を利用して、仮想ディスクをNutanixのストレージ移行することができます。
Xtarct for VMsを利用しない場合、Nutanixのストレージコンテナに仮想マシンデーターを移行できても、形式を変更しなければAHVでは利用できません。
そのため、ストレージの移行が完了した仮想マシンは、ESXi上で稼働している場合は、シャットダウンし、パワーオフ状態になった後、「-flat.vmdk」のファイルをNutanixのImage Serviceに登録し、AHV形式のディスクに変換を行い、移行は完了です。
HyperVの場合
HyperVの場合、仮想マシンの世代数で移行の方法が異なります。
BIOSレベルで起動する第一世代の場合、VHD/VHDXファイルを、Image Serviceに登録するだけで移行は完了します。HyperVの場合、ファイルフォーマットとしてNFSのストレージをマウントすることができませんので、仮想マシンのパワーオフ後、VHD/VHDXファイルを、Webブラウザ経由で、Prismの画面からPUTするか、Windowsマシンから、NFS共有フォルダをマウント後、コピーする形でNutanixのストレージコンテナに移行可能です。
物理サーバーの場合
物理サーバーからの移行の場合、いくつかの方法があります。
一番確実なのは、市販のイメージバックアップソフトウェアを利用し、リストアする方法が確実です。
ただ、物理サーバーのディスクを、何らかの形で仮想ディスクの形式変換すれば、HyperVやvSphereと同じようにImage Service経由で仮想マシンを変換することが可能です。
例えば、Windowsの場合、DISK2VHDを利用すれば、物理・仮想に関係なくWindows上で見えるディスクドライブの内容をVHDXファイルに変換することできます。
変換後の仮想ディスクファイルは、NutanixのストレージコンテナにPUT後、Image Serviceに入れることでAHVで稼働可能な形式に変換することができます。
AHVで新規に仮想マシンを作成するのは、非常に手軽にできますが、既存資産からの移行の場合も、手順さえあらかじめ押さえておけばそこまで、大掛かりな作業でも、大変な手法が必要でもありません。
これは、NutanixのImage Serviceの機能に、仮想ディスク形式の変換機能が実装されているという利便性になります。
クリスマスはもうすぐそこです。
明日は、日本人数人しかいない希少なNutanix Technology Championホルダーの@hiroito1118さんです。
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