2025年12月15日月曜日

Nutanixコンポーネントのタイムゾーンについて

Nutanixクラスターの管理において、時刻管理は、重要なポイントです。その際に理解しておく点として、タイムゾーンの持ち方があります。本日は、タイムゾーンについて紹介します。


AHVのタイムゾーン

AHVは、UTCでタイムゾーンがセットされています。AHVは、Rocky LinuxをベースとしたOSで稼働しており、OS自体はUTCで時間を管理していますが、タイムゾーンもUTCとして動作しています。AHVのタイムゾーン変更は、原則としてサポートされていない点にも注意が必要です。

(参考)KB:6834 / NCC Health Check: ahv_time_zone_check
https://portal.nutanix.com/kb/6834


CVMのタイムゾーン

CVMのタイムゾーンは歴史的な背景があります。2018年ぐらいまでのCVMのタイムゾーンは、デフォルトPSTで構成されていました。その後、Foundation画面にタイムゾーンが指定できるようになり、この指定したタイムゾーンでCVMのタイムゾーンが設定されるようになっていました。日本においては「Asia/Tokyo」を選択することが多いと思いますので、いわゆる日本時間でCVMで時間管理されています。この構成は、AOS 6.10まででした。

AOS 7.0以降は、Foundationでタイムゾーンを指定しても、CVMのタイムゾーンは「UTC」で構成されます。

なお、AOS 5.18、タイムゾーンにかかわらずNutanix関連ログは、UTCで出力されるようになっています。

(参考) KB:1050 / Procedure to Change Timezone on Nutanix CVMs and Prism Central VMs
https://portal.nutanix.com/kb/1050


仮想マシンのタイムゾーン

vSphere ESXiと感覚的に違う部分は、この仮想マシンのタイムゾーンであると思います。ESXiの場合、ハイパーバイザー自体にタイムゾーンはなく、仮想マシンはVMware Toolsによって必要な時刻が自動的に渡されていました。
Nutanix AHVの場合は、VMware Toolsのように貸そうマシンと時刻のやりとりを行うエージェントはありません。AHV上の仮想マシンは、パワーオン時にハイパーバイザーの時刻が渡されます。この際、Windows OSのようにRTCで管理するものは、BIOSの時刻がOSの時刻となるため、日本で運用する場合9時間の時差が生じます。
それをカバーするため、Nutanixで構成される仮想マシンにそれぞれ、タイムゾーンを指定することができます。このタイムゾーンは、UTCからの時差を自動計算し、時差を考慮した時間を仮想マシンに渡します。そのため、このタイムゾーンは、OS側でタイムゾーンを管理するLinux/Unix系のOSの場合は、UTCを、WindowsのようにRTCで動作するOSに関しては、稼働する地域のタイムゾーンを選択する必要があります。

▼仮想マシンで設定できるタイムゾーン


Prism Centralのタイムゾーン

Prism CentralのOSタイムゾーンは、PSTで構成されています。KBでは、UTCと記載されていますが、おそらく仮想マシン自体はUTCタイムゾーンで構成されていますが、OSは、CVMと同じくRocky Linuxベースですので、OS上のタイムゾーンは、PSTで構成されています。

CVM同様 Prism Central 2020.8 以降は、ログ自体は、UCT時刻で出力されるようになっています。


今回は、タイムゾーンについて紹介しました。たかが時間の話しですが、Nutanixにおいては分散したノードを1つのクラスターにまとめる上で時刻は非常に重要です。

今一度タイムゾーンやNTPによる時刻同期が行われているかを確認しておくことも、Nutanixクラスターを安全に稼働する上で必要な事項であると思います。