2016年11月27日日曜日

Nutanixのモデルをご紹介(その2 DELLモデル)

Nutanixは、ハードウェアメーカーではなくソフトウェアメーカーです。
そのため、Nutanixのソフトウェアは、OEMで他のベンダー経由での手配も可能です。

そのOEMとして提供されているメーカーの1つがDELLです。


DELLから提供されるNutanixは、DELLのPowerEdgeをベースにNutanixのソフトウェアを搭載して出荷されています。Nutanix純正がNXシリーズと言われることに対して、DELLモデルはXCというモデルで展開されています。


XC430-4
1U1ノードのR430ベースのモデルになります。
ディスクスロットは3.5インチで4スロットとなり、最小2本のSSDで構成します。CPUは1個か2固化の選択が可能です。


XC630-10
1U1ノードのR630ベースのモデルとなります。
ディスクスロットは、2.5インチで10スロットとなり、SSDを最小2個搭載することができます。


XC730-16G
2U1ノードのR730ベースのモデルとなります。
ディスクスロットは、2.5インチとなりスロット数は16個となります。SSDは最小2個の搭載となります。


XC730xd-24 / XC730xd-12
2U1ノードのR730ベースのモデルとなります。
730xd-24は、2.5インチで24個のスロットが提供されます。
730xd-12は、3.5インチで12個のディスクスロットが提供されます。


XC6320-6
Nutanix純正モデルの標準と同じような、2U筐体に4ノードのサーバーが入るモデルです。
1ノードあたり6本の2.5インチスロットが提供され、2本のSSD以上を搭載することが可能です。


XC730-12C
こちらは、Nutanix純正モデルにあった「6035C」と同じストレージ専用モデルとなります。
R730をベースとしたモデルで、12本の3.5インチディスクスロットを提供し、最小2本のSSDからの構成が可能です。NX-6035Cと同じですから仮想マシンは動作しないモデルとなります。



DELLモデルの特徴は、Nutanix純正のモデルに比べて、搭載するCPUやRAMの構成、ディスクの構成が自由に選べるところが特徴です。純正のNutanixでは、SSDやHDDはモデルごとに搭載できる本数に制限がありますが、DELLモデルは、スロット数の範囲内であれば、自由に本数を決めることができます。
また、ベースがpowerEdgeですので、iDRAcをそのまま利用できるため、エージェントレスでサーバーのコンポーネント情報を細かく確認することができます。
また、DELLのOpenManageを利用して既存のDELL製IAサーバーとも統合管理ができるところは、ハードウェアメーカーならではの特徴だと思います。

モデル構成もOEMメーカーの中では一番ラインナップが充実していると思います。





2016年11月26日土曜日

Nutanixのモデルをご紹介(その1 Nutanix純正モデル)

Nutanixは、ハードウェアメーカーであると思われがちですが、Nutanixの高度な機能はすべてソフトウェアが提供されています。
そのため、Nutanixは、ハードウェアの依存度が低いため、いろいろなハードウェア種類が選択可能です。
今日は、Nutanixを稼働させることができるハードウェアを数回に分けてご紹介したいと思います。




まずは、Nutanix社から出ているハードウェアです。
Nutanixは、2Uサイズの筐体に4台のサーバーがはいったモデルが中心ですが、それだけではありません。


NX-1000-G5シリーズ (エントリーモデル)
こちらは、一番手頃なシリーズの2U4ノードのタイプです。
3.5インチのディスクスロットを持ったモデルで、1ノードのサーバーあたり、3スロットが割り当てられています。1本のSSDと2本のHDDのハイブリッドモデルと、すべてSSDのオールフラッシュが選択できます。
一番エントリークラスになるため、まずNuatnixを導入してみたいというユーザーに最適です。
また、1065S-G5というモデルは、CPUの搭載が1個になっていますので、物理CPUでカウントされるソフトウェアのコストを抑える場合などに最適です。


NX-3000-G5シリーズ (スタンダードモデル)
こちらは、Nutanixの代表的なモデルとなります。
3000シリーズには、1000シリーズと同じ2Uサイズに4台のサーバーが入るモデルト、1U1ノードの3175があります。

3060-G5
ディスクスロットの仕様が2.5インチになります。1ノードのサーバーあたり6本のディスクスロットが提供され、2本のSSDと4本のHDDもしくはすべてSSDのオールフラッシュが選択できます。

3175-G5
こちらは、1Uモデルで1台の筐体となります。
3.5インチのディスクスロットが4つ提供され、2本のSSDと2本のHDD、もしくはすべてSSDのオールフラッシュモデルが選択できます。



NX-6000-G5シリーズ (ストレージモデル)
6000シリーズは通常、ストレージモデルと言われており、ストレージ容量が大きいのが特徴です。
6000シリーズには3つのモデルがあります。

6035-G5 / 6035C-G5
2U筐体に2ノードのサーバーが搭載できるモデルです。
1ノードあたり6本の3.5インチディスクスロットが提供され、1本のSSDと5本のHDD、もしくはすべてSSDのオールフラッシュモデルが選択できます。
6035C-G5は、ストレージ専用ノードと言われる、仮想マシンを動作させることができないモデルとなります。CPUやRAMは足りているけど、ストレージの容量が足りない場合において、ストレージ専用装置の場合にエンクロージャーを足すような感覚の位置づけになります。

6155-G5
こちらは、新しく出たモデルで2U1ノードのモデルとなります。12本の3.5インチディスクスロットを提供し、2本のSSDと10本のHDDもしくは、12本すべてSSDのオールフラッシュモデルから選択が可能です。まさに大容量モデルです。



NX-8000-G5シリーズ (ハイエンドモデル)
8000シリーズは、高性能なCPUを登載できたり、拡張カードがたくさん搭載できたりと何でもできる高級モデル(ハイエンド)になります。
8000シリーズには2つのモデルがあります。

8150-G5
2Uの筐体で1ノードのモデルです。24本の2.5インチのディスクスロットを提供し、4本のSSDと20本のHDDもしくは、24本すべてにSSDを搭載するオールフラッシュモデルがあります。

8035-G5
2Uの筐体に2ノードのサーバーが搭載できるモデルです。1ノードあたり3.5インチのディスクスロット6スロット提供し、2本のSSDと4本のHDDを搭載するか、すべてSSDを搭載するオールフラッシュモデルが選択できます。


ここで気づいていただきいこととして、ALL-FLASHはすべてのモデルで提供されていると言うことです。昔は9000シリーズと言われるオールフラッシュ専用モデルがありましたが、G5がリリースされた時から、すべてのモデルがオールフラッシュになり、9000シリーズは終息になっているようです。

Nutanixは、基本ソフトウェアメーカーであることから、Nutanixは、スーパーマイクロのハードウェアをOEM提供を受けてNutanixのソフトウェアを搭載し販売をしています。
スーパーマイクロは、様々なストレージベンダーやその他アプラインス機器として採用されている、IAサーバーを中心としたハードウェア専業メーカーです。スーパーマイクロの製品は、シンプルであることが特徴で、Nutanixのようにハードウェアを極限にシンプルにすることで、障害点を減らすコンセプトの製品には適合しやすいのではないかと思います。

スペックなど詳細は、スペックシートに細かく記載されています。
http://go.nutanix.com/rs/nutanix/images/Nutanix_Spec_Sheet.pdf



Nutanixスナップショット機能の紹介(その3)

Nutanixが提供するストレージスナップショット機能は、効率的で高機能かつ高速であることが前回までの話しでわかりました。では、リストアはどのようにやればよいのでしょうか?
今回は、リストアの方法をご紹介したいと思います。

リストアもPRISMの画面から行います。
前回と同様、PRISMのメニュー画面から、「Data Protection」クリックします。


AsycDRの画面でTableを選択し、リストアした仮想マシンが設定されているスナップショット管理名(ジョブ名)を選択します。



ジョブを選択し、画面下側ペインのLocal Snapshotsすると、取得されているスナップショットの一覧が表示されます。



Restoreをクリックすると、そのジョブで対象にした仮想マシン一覧が表示されます。
リストアしたい仮想マシンを選択し、リカバリの方法を選択します。
リカバリの方法は、既存仮想マシンを上書きするか新しい仮想マシンとして作成するかを選択します。既存の仮想マシンを上書きする場合、既存の仮想マシンがパワーオン状態であっても強制的にパワーオフされてリストアが行われます。リストア終了後も仮想マシンはパワーオフのままになりますので、上書きする場合(あまりないと思いますが)は、注意が必要です。




Pathには、リストアしたストレージコンテナ(vSphereでいうDataStore名)を入力します。
パス入力なので「/Datastore名」と入れる必要があります。
別の仮想マシンとしてリカバリする場合、「VM Name Prefix」に名称を入れると既存の仮想マシン名称の前に、指定した名称が入ります。
入力しない場合「Nutanix-Clone-」というものがPrefixとして仮想マシン名の頭に付きます。

OKをクリックするとすぐにリストアが開始されます。
リストアにかかる時間は遅くとも20秒程度でしょうか。それぐらい高速にリストアが完了します。
その理由は、以前の投稿で記載したとおり、ストレージブロックの結びつきだけを操作しているからであり、ファイルデーター等を解凍しているような従来のバックアップソフトとは根本的に異なるためです。

リストアが完了すると、自動的にハイパーバイザーの管理画面から仮想マシンとして見えるようになります。(下のスクリーンショットはvSphereの例)




あとは仮想マシンを起動すれば、普通の仮想マシンとして利用することができます。
注意点としては、リストアした仮想マシンの元の仮想マシンが稼働中のまま、スナップショットからリストアした仮想マシンを起動すると同一のホスト名やIPアドレスで起動してしまいますので、業務に支障を来す可能性があります。
適宜、検証用のネットワークに割り当てを変更(ポートグループの変更)を行うなどの対応を必要に応じて行いましょう。






Nutanixスナップショット機能の紹介(その2)

さて、前回の投稿でNutanixのスナップショットは、ポイントインタイムコピーテクノロジーであるという説明をしました。
しかし、今までのストレージ専用装置と違う点は、仮想マシンを意識しているという記載をしました。

この仮想マシンを意識しているというのは、Nutanixからみて、ストレージスナップショットを仮想マシン単位で行うことができると言うことです。

通常のストレージ専用装置は、LUNやボリューム単位といった形で、スナップショットが取得できる対象は、ストレージから管理できるオブジェクトがその単位でした。
Nutanixは、スナップショットの取得単位が、仮想マシン単位となります。
仮想マシン単位で、ストレージブロックによるスナップショット機能が提供されます。

vSphereで例を話しますと、今までのストレージ専用装置の場合、1つのデーターストアがストレージが提供する1つのLUNで構成されることがほとんどだと思います。
このデーターストア(LUN)に対して、仮想マシンを100台入れていたとします。
このLUNに対して、ストレージ専用装置でスナップショットをとることはできますが、特定の1台の仮想マシンを取得したストレージスナップショットからリカバリをしたいと考えても、スナップショットの取得単位がLUNですと、他の戻したくない仮想マシンも一緒にリカバリされてしまいます。

それですと、不便すぎますのでストレージ専用装置では、スナップショットを取得した時点のLUN(ボリューム)を別のLUNとして見せることで、必要に応じてそのLUNから必要なファイル(仮想マシン)を救い出すことで対応することができますが、やはり一手間増えることは否めません。

では、実際の画面をみながらNutanixのスナップショット機能を見てみたいと思います。

PRISM画面の左上メニューから、「Data Protection」を開きます。



右上の表示切り替えで「Table」を選択し、右上のメニューで「Protection Domain」から「Async DR」選択します。

まず最初に出てくるのは、管理名称です。スナップショット機能をバックアップとして利用することもできますので、その場合ジョブ名と考えてよいでしょう。



次の画面が、Nutanixならではの画面です。
ストレージスナップショットの対象にしたい仮想マシンを選択します。
これが、"仮想マシンを意識したスナップショット"な理由です。




次にスケジュール設定を行います。スケジュール設定をしない場合はこのまま、「Close」をクリックします。



スケジュールのタイミングはご覧の通りかなり豊富に可能です。
数時間に1回実行というタイミングや、特定の曜日にだけ実行なども可能です。
開始日時と終了日時も設定も可能です。

また、スナップショットは世代取得が可能で、何世代保持するかという設定も可能です。
(スナップショットの複数世代保持には、PROライセンスが必要となります)

また、Nutanixクラスター同士をレプリケーション設定することで、別のNutanixクラスターにスナップショットデーターを転送することもできます。これで、仮想マシンが稼働しているNutanixの筐体外へバックアップデーターを配置することもできます。



スケジュールの設定が完了したら、ジョブが一覧に上がってくることを確認し、Closeをクリックします。




これだけでストレージベースの効率のよいバックアップが可能となります。


ストレージスナップショット機能は、Nutanix内部のストレージブロックのポインター情報をロックするだけですので、一瞬で終わることも非常に大きなメリットです。

今まで仮想化基盤のバックアップが時間がかかりすぎるとか、容量増加で保存先の拡張が大変だと困っていたユーザーには、Nutanixのストレージスナップショットはまさに最高のソリューションであると思います。




Nutanixスナップショット機能の紹介(その1)

Nutanixには、高機能なストレージサービスをハイパーバイザーに提供します。
その中の1つが「スナップショット」機能です。

Nuatxniは、仮想化の基盤として利用されるものなので、ハイパーバイザーのスナップショットがあるじゃないかと思うかもしれません。
しかし、Nutanixの提供するスナップショットは、ストレージスナップショットで有り、ハイパーバイザーが提供するスナップショットとは少々仕組みが違います。

ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、スナップショットを取得した時点で、仮想ディスクファイル(vSphereであれば、VMDK)が、分割され、以降のVMDKに対して書き込まれるデーターは、差分の仮想ディスクファイルに書き込まれます。スナップショットを取得する前の仮想ディスクファイルは、読み取り専用となります。
サードパーティー製の仮想マシンバックアップソフトウェアでは、この機能を利用して、読み取り専用になったファイルをバックアップするというやり方をしているものもあります。

スナップショットを複数取得すると複数の差分ディスクが作成され、それらの差分ディスクはすべてチェーンのような形で繋がっています。
データーの読み書きには元の仮想ディスクから差分のディスクを順番にアクセスをしていくことになりますので、仮想マシンからのディスクI/Oスピードが低下します。

スナップショットの倫理的な構造

また、リスクとして複数のスナップショットをとっていた場合、中間に仮想ディスクファイルが破損したり、他のツール等でその仮想ディスクを直接データーを書き込んだりすると、それ以降の仮想ディスクとのチェーン構造が壊れるため、最新のデーターにアクセスできなくなるという恐れもあります。

vSphereにおけるスナップショットは、以下のKBが細かく解説されています。

(参考)VMware ESXi および ESX の仮想マシン スナップショットについて (1033239)
https://kb.vmware.com/kb/1033239

つまり、ハイパーバイザーが提供するスナップショットは、一時的なリカバリポイントを作成することが目的であることを理解しておく必要があります。
まれに、ハイパーバイザーが提供するスナップショットをバックアップの代わりに利用している話しを耳にしますが、スナップショットはバックアップ機能として利用することはパフォーマンスや運用上よろしくありません。

また、vSphereでは、スナップショットにおいてベストプラクティスが記載されており、「1つのスナップショットを24時間から72時間にわたって使用しないでください」という記載があります。

(参考)vSphere 環境でスナップショットを使用するベスト プラクティス (1038295)
https://kb.vmware.com/kb/1038295



対してNutanixは、ストレージベースのスナップショット機能を提供します。
Nutanixのストレージは8Kのストレージブロックで構成されており、スナップショットをとった時点でそのスナップショットの対象となるストレージブロックは読み取り専用となります。

スナップショットをとる前の仮想マシン(仮想ディスク)とストレージブロック


スナップショット取得直後の状態



スナップショット取得後に、データーの上書き等でそのストレージブロックが変更される場合、そのストレージブロックは読み取り専用のため、変更されず、新しいストレージブロックに上書きされるデーターが保存され、仮想ディスクのストレージブロックの参照先が上書き後のストレージブロックに切り替わります。




ハイパーバイザーのスナップショットの場合は、ファイルで分割されていたものがストレージブロックで分割されるようなイメージになります。では、ファイルなのかストレージブロックの違いだけなのかというと、決定的な違いが1つあります。
それは、Nutanixが提供するストレージスナップショットは、チェーン構造な作りになっていないことです。

Nutanixのストレージスナップショットは、スナップショットを作成しその後データーの変更追加が発生した場合であっても、チェーン構造な1つずつ順番に掘り下げていくのではなく、横並びのストレージブロックの参照位置を変えるだけのため、ハイパーバイザーのスナップショットの特徴である、パフォーマンスの低下や、スナップショットによる中間仮想ディスクファイルの肥大化による破損等はおきることはありません。

つまりNutanixのスナップショットは、バックアップとしても利用することができるという点は、ユーザー側の視点に立っても大変便利であると思います。

これはいわゆる、ポイントインタイムコピーテクノロジーといわれるものです。

それなら、今までのストレージ装置にもあったじゃないかと思うかもしれませんが、Nutanixは、エンタープライズクラウドプラットフォームです。Nutanixは、仮想マシンのワークロードに最も適した基盤を提供するものですので、今までのストレージ装置のスナップショットと違う機能があります。

それは、Nuatxniは、仮想マシンを意識しているということです。

これについては、次回の投稿で説明をしたいと思います。