今までvSphere ESXiに慣れていて、この操作性や機能が気に入っている場合、vSphere ESXiはそのままにNutanixの良さをプラスして利用することができます。
一方で、Nutanixの良さであるシンプルを生かした運用や、Nutanixの最新機能をすぐに利用したい場合、またコストの問題などでAHVを検討するケースは多いかと思います。
しかし、既存が他のハイパーバイザー上で仮想マシンが稼働している場合、そこからAHVへの移行は未知の世界であり、そもそも移行ができるのか不安にあることもあるかと思います。
2017年に、既存ハイパーバイザーからの移行方法についてご紹介をしました。
Nutanix AHVの紹介 その3 AHVへのお引越しはどうすればいいの?
この手順は現在でも有効ですが、現在ではもっと便利に移行を行うことができます。
これが、Nutanixから提供される「Nutanix Move」です。
昔は、(Xtract for VMsという名称でリリースされていました)
Nutanix Moveには、特質すべき機能があります。
既存の仮想マシンを最小限の停止だけで移行が可能
Nutanix Moveは、V2Vの製品のため、既存仮想マシンが稼働しているハイパーバイザーのスナップショット機能を利用し、仮想ディスクを分割し、ReadOnlyになった元の仮想ディスクを読み込みAHVが稼働するNutanixクラスターにデーターを逐次移行します。そのため、データーを移行しつつも既存の仮想マシンは使い続けることができます。
ハイパーバイザーのエージェントレスバックアップと同じ仕組みを使ってデーターをNutanixクラスターに転送するのが特徴の1つです。
さらに、転送が一度完了したのちは、10分に一度スナップショットを取得し転送する動作を繰り返すため、常に最新に近いデーターがAHV上に保存されます。
移行のタイミングは都合の良い時に
上記の通り、既存仮想マシンは稼働したままで、仮想ディスクのデーターは裏側で10分おきに転送されています。この状態ではほぼコピー状態であり、そのままではAHV上の仮想マシンは利用できる状態ではありません。そこで、本番仮想マシンをAHV上に切り替える際に、Nutanix MoveのCut overボタンをクリックすると、既存ハイパーバイザーで稼働中の仮想マシンが停止し、最終の差分データーをNutanixクラスターに転送し転送完了後、Nutanix側のAHV上で仮想マシンを起動します。つまりワンクリックで、仮想マシンの切り替えができてしまうのです。
仮に移行に失敗しても大丈夫
Nutanix Moveは、"Move"とありますが、データーはNutanixクラスターにコピーされます。そのため、万が一Nutanixクラスター上で移行した仮想マシンが起動しなかったとしても、もともと稼働していたハイパーバイザー上にパワーオフされた状態で仮想マシンは存在していますので、その仮想マシンをパワーオンすることで、解決できます。Nutanix Moveは、以下のハイパーバイザーを移行元としてサポートしています。
- VMware ESXi 5.1 ~ 6.7 Update2
vCenter Server5.1 ~ 6.7 Update2
※ただし、ESXi/vCenter6.7 Update1は未サポート - Microsoft Hyper-V 2012,2012R2,2016
※SCVMMは不要 - Amazon Web Service EC2
従来は、ESXi5.5からのサポートのみでしたが、現在ではESXi5.1からと、またHyper-VやAWS EC2も移行がサポートされています。
また、移行ができるゲストOSは、以下の通りです。
- Windows 7、8、8.1、10
- Windows Server 2008 R2、2012、2012 R2、2016
※Windows OSは、UACの無効化が必要です - RHEL/CentOS 6.3~6.9および7.0から7.5(32ビットおよび64ビットをサポート)
- Ubuntu Server and Desktop 12.04.5、14.04.x、16.04.x、16.10(32ビットおよび64ビットをサポート)
- Ubuntu Server 12.0.4、18.04
- FreeBSD 9.3および11.0
- SUSE Linux Enterprise Server 11、11 SP1~SP4、12、12 SP1~SP4
- Oracle Linux 6.4以降、7.x
- Debian 9.4
次回はNutanix Moveの細かな動作をご紹介いたします。
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