2025年5月3日土曜日

Prism Centralの活用その1(仮想マシンの作成)

前回までに、Prism Centralの展開方法を紹介いたしました。

Prism Centralは、Portfolio 2.0ライセンスになってからは、

「無償」・「Starter」・「Pro」・「Ultimate」の4つのライセンス種別が用意されています。

Portfolio 2.0ライセンスでは、Nutanixクラスターに対するライセンス適用にて、Prism Centralが必須となったこともあり、Prism Centralは、有無を言わさず、かならず1つは展開をしないといけなくなった背景があります。

一方で、ライセンス管理をするだけには、膨大なメモリー消費量が気になるところで、どことなく(というか歴然として)腫物のような扱いになっているように感じます。

とはいえ、展開しないとライセンス適用ができないので、Prism Centralは、必ずといっていいほど存在していると思いますので、数回に分けて、無償で利用できる機能範囲で、Prism Centralの使える部分をご紹介したいと思います。

さて、その1回目として紹介するのが仮想マシン作成機能です。

仮想マシン作成は、Prism Elementで十分と思われているかもしれませんが、Prism Centralで仮想マシンを作成するメリットもあります。今日はそのメリットを中心にご紹介します。

まずは、Prism Centralの「Infrastructure」から「Compute」の中になる「VMs」を開きます。そこから、「Create VM」をクリックします。


まずは仮想マシンの基本情報を入力します。
仮想マシンの名称やvCPU/RAMなどの構成が行えます。この辺りは、Prism Elementでの構成とほとんど変わりがありません。複数クラスタ登録されている場合は、クラスタの選択ができたり、仮想マシンを作成する数を指定できる点が、Elementと異なる点となります。


その下にある「Advanced Settings」を見てみましょう。

ここでは、メモリーオーバーコミット設定とCPU互換の設定が可能です。
メモリーオーバーコミットは、Prism Elementでは画面での設定ができませんので、acliコマンドレットを利用し、コマンドにてメモリーオーバーコミット設定をする必要がありましたが、Prism Centralでは、GUIで設定が可能です。
Advanced processor compatibillityは、CPU互換設定です。これは、他のNutanixクラスターとライブマイグレーションを行う際に、CPUの世代をカバーするために利用します。1クラスターしかない場合やライブマイグレーションでクラスター間を行き来しないのであれば、特段設定の必要はありません。

続いてリソースの設定です。

ここでは、仮想ディスクやCDROMドライブの設定を行います。この画面もPrism Elementとさして変わりはありませんが、デフォルトでUEFIにチェックが入っているなど細かい部分での違いがあります。(AOS 7.0系のPrism ElementもBoot ConfigurationもUEFIがデフォルトに変わっていますが)


違いがある点としては、Networksの部分です。Prism Elementでは、あらかじめ作成しておいたVLANのAccessポート(いわゆる仮想マシンから見るとアンタグ)設定しかできませんが、Prism Centralでは、仮想マシンに対してVLAN Trunk(いわゆるタグで複数ネットワークを仮想マシン自体に提供)することができます。こちらも、Prism Elementでは設定できず、acliコマンドレットでしか設定ができませんが、Prism CentralではGUIで設定が可能です。


Trunkで設定した場合、選択したVLANのアップリンクで流れている任意のVLANをカンマ切りで複数指定することができます。では、選択したVLANはどうなるのかというと、選択したVLANは、アンタグ(Native VLAN)として仮想マシンに対して流れる仕様となります。

さらに、SHield VM Security Settingsを見てみましょう。

ここでは、SecureBootやvTPMのアタッチができます。Windows 11のVDI環境を作る際には必須のオプションとなるかと思いますが、こちらもPrism Elementでは設定項目がなく、acliコマンドレットからの指定となるのですが、Prism Centralでは、GUI設定が可能です。

では最後にマネージメント項目を見てみます。


ここでは、AOS6.1以降でリリースされたストレージポリシーの有効化設定、カテゴリの指定がPrism Centralでしか設定できない項目となります。

また、仮想マシン自体のカスタマイズとして、Sysprep(Windows)及びcloud-init(Linux)のカスタマイズファイルを指定することができます。


あとは、レビューをして仮想マシンの作成で完了となります。

たかが仮想マシン作成オペレーション1つをとっても、Prism ElementとPrism Centralでは、設定できる項目に大きな違いがあることがわかります。

私自身もPrism Elementでの操作経験が長いことがあり、通常オペレーションをPrism Elementで操作しがちなのですが、Prism Centralだからこそ(伊達にメモリーバカ食いではない)定期的なバージョンアップによる機能実装部分がGUIに反映されています。




 


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