日本においてもNutanix Filesを実際に利用するケースが増えてきております。Nutanix Filesは、従来のWindows Serverを使ったファイルサーバーでは実現の難しい、大規模なスケールアウト型のファイルサーバーを構築することが可能です。一方Nutanix Filesは、一部の設定をコマンドでしか設定できない設定があります。本日は、コマンドでしか設定できない内容を中心に紹介します。ご紹介する作業は、一部のコマンドを除いてFSVMにSSHでログインし、設定をおこなうことを前提としています。また、今回のコマンドは、Files 4.4.1をベースに記載しています。
タイムゾーン設定
FilesのタイムゾーンはデフォルトUTCになっています。この場合、SSR等の一部の機能がUTCをベースにして稼動してしまうため、稼動している地域のタイムゾーンで稼動するように設定が必要です。(この作業は、導入後最初に行う事をお勧めします)
FilesのSSR開始時間を指定する
SSRの開始時間は、UTCタイムゾーンを基準に動作します。そのため、GUI画面で指定したSSRの時間は、日本の場合9時間ずれて実行されます。SSRの時間基準を日本時間に合わせるためには、オフセットを9時間ずらす必要があります。
Filesの起動及びシャットダウン方法
Filesは、FSVMををシェルに入ってシャットダウンすることは、正しいシャットダウン方法として認められていません。Filesクラスターをシャットダウン後FSVMをシャットダウンする必要があります。起動時も個別でFSVMを起動してもFilesクラスターは起動しません。それらの手順を一元化して行うコマンドがあります。こちらの手順は、CVMから行います。
起動方法
シャットダウン方法
ここでは、登録されているFilesクラスターを全て起動するため「*」を入れていますが、1つのNutanixクラスターに複数のFilesクラスターがあり、その1つを起動及びシャットダウンするためには、「*」部分にFilesクラスター名称を入れることで、任意のFilesクラスターの起動及びシャットダウンが可能です。
サブマウント
Nutanix Filesは、作成された共有フォルダ毎にその共有フォルダーを処理するFSVMが決定されます。そのため、1つの共有フォルダの配下に大量のフォルダを作成した運用の場合、1つのFSVMのみに負荷がよってしまいNutanix Filesの本来のメリットである分散処理ができなくなってしまいます。しかし、従来からの共有フォルダ運用を行っていた場合、いきなり運用方法を変更することも難しいかと思います。
そのような場合、既に作成した共有フォルダに、別の共有フォルダをサブフォルダとして割り当てることができます。この場合、DFSの機能のような形で実際に共有フォルダの配下にあるサブマウントされた共有フォルダは、別の共有フォルダにアクセスするため別のFSVMに負荷が分散するため、共有フォルダの構造をなるべく変えずにFSVMの負荷分散を行うことが出来ます。
サブフォルダのマウント状態は、以下のコマンドで一覧表示させることができます。
+--------------+--------------+-----------------------+
| Parent Share | Child Share | Submount Path |
+--------------+--------------+-----------------------+
| 親フォルダ | サブフォルダ | /親フォルダ/サブサブ/ |
+--------------+--------------+-----------------------+
WORMフォルダの作成
ファイルを誤って削除したり変更できないようにする共有フォルダを作成できます。既に作成された共有フォルダには、後から設定できません。フォルダ作成時に設定を行う必要があります。
シンボリックの有効化
Files上で作成されたシンボリックを利用できる用にする機能です。この機能を利用する為には、予めWindowsクライアントで
「fsutil behavior set SymlinkEvaluation R2R:1 R2L:1」
コマンドを実行し、シンボリックリンクが利用できる状態にしておく必要があります。
通常GUIで設定できる項目もコマンド設定できますが、今回はコマンドでしか設定できない項目をご紹介しました。
0 件のコメント:
コメントを投稿